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では改めて「喪失」の話。
そんな訳で、原作を知らないのでずれてる部分もあるかと思いますが、
原作を知らないなりに感じた事を書き連ねていこうかと。

今までこのヒトの作品に関して散々書いてきたというのに
今更振り出しに戻ったみたいな表現であれですが、感じたのは
これが「物語を書く」事を仕事にしてる人の作品なんだなあ、
という事でした。
二次創作って基本的に、原作やキャラへの思い入れがあって読むもので、
作品への評価も思い入れ補正で高くなる事って当たり前だと思うのです。
でも先に書いた通り、私は原作を知りません。キャラ名を知ってる程度。
なので思い入れ補正の入る余地が皆無だった訳ですが、
そんなの関係なしに、素直に「とても良かった」と思えたのです。
二次でそう思わせるのって、やっぱり凄い事だと思う。
だからこその「書く事を仕事にしてる人の作品」という訳なのでした。

ちなみに原作を知らないのに読んだのは、書いたのが東出さんだから……
という風に見えそうだけど、実はゲームよりこっち読んだ方が先です。
むしろ、BBやる前にお試し的に、サイトに置いてたハルヒ3作を読んで、
結果、良いと思ったからBBに手を出したという次第。

なので、燃え系のシナリオライターと認知されてる東出さんを
私がそう認識してないのは、ひとえにこういう作品を書く人として
最初から刷り込まれていたからなのであります。
燃え描写が得意なのは確かかもしれないけど、他にも
こういう切ないシリアスも良いし、パロディ書けば再現率に爆笑だし、
ラブコメは悶え苦しんだ挙句に耐え切れず絶叫しかねないほど。
でもって、ゲームの方でも燃え以外の要素が大量に詰まってるのが、
どれかに傾向が偏るより、色んな要素をちょっとずつ一気に楽しみたい、
自分みたいな人間には、まさに理想的なライターさんなのです。
言わば満漢全席(※漢ばっかり輝いてるという意味ではない)みたいな、
……というより、「闇鍋」と言った方がカオスっぷりが強くて面白いか、
とにかく、この人の作品のそんな所が、私は好きなんだと思います。
っていうか、旧サイトの作品はマジで闇鍋状態っぽくないですか?
置かれてる場所バラバラだし、モノによっては放置プレイだし、
もういっそレミラーマでも使いたくなります。
きっと一定数集めると、ご褒美がもらえるんだ……!(無理です)
でも旧サイトに置かれてる(&リンク貼られてる)作品眺めてると、
実は元の作品を知ってるものが全く無いという驚愕の事実。
精々が、Fateのパロネタの時の「どすこい(仮)」位だったでしょうか。
元々作家買いの傾向が強かったので不思議じゃないんですけど、
改めて確認してみてまさか1作も無いとは思わなかった。びっくり。
それでも読むのは、この人の書く作品は原作関係なく良いと思えると
信頼しているからですが。
まあ二次の場合、原作知ってる方が読むのが辛い事も時にはあるし。

ちなみに今回のハルヒ本に関しては、原作好きでアニメも見てた知人が
「(キョン絡みのベクトルがとんでもないけど、それも含めて)
原作の延長線上にあっても全然違和感ない内容」と言ってたので、
多分本当にその通りなんだと思います。

だから、もし燃え要素の方で東出さんを好きで、燃え要素が無いからと
この本に手を出してない人がいたら、心底もったいない事をしている、
と言わせていただきたい。
このヒトの燃え要素は、他の要素があるからこそ一層魅力なんだよー。

――という無駄に長い前フリ。
いい加減普通に本編の感想に入ろうな。

な訳で。

そういえばBB小説1巻のコピーで、東出さん、
「ノベルゲーム界でもっとも泣ける人間ドラマを書く」って書かれてて、
それはキャラがよく泣くって意味なら合ってるよな、とか思ってましたが、
この本も泣くシーンが多かったです。
っていうか、「統一」以外の4作全部に、キャラが泣くシーンがあった。
のだけど、その泣くシーンがどれも非常に良いというか、
むしろどの話も泣くシーンこそが一番の見せ所じゃないかと。
本当に、どの話もそこに至るまでの流れがとても自然で
気が付くとすっかり話に引き込まれてました。
元々シリアス読むのに感情移入の度合いが激しすぎる性質なのですが、
それにしたって、ここまで引き込まれる事なんて滅多にないです。
っていうか、実を言うと悲恋モノは苦手な筈なのに、
すんなりと最後まで読んでしまい、読み終わった後でも辛くなかったのは
(話の流れ的に「切ない」という感情は残っても)自分でも不思議です。

何となく、この本で描かれたキャラ達は皆、どこか自分に重なる部分があって、
だからその分、感情移入の度合いも大きかったんじゃないかとも思う。


ここから下、作品別の話。

「灰の雪」 キョン+鶴屋さん
原作ではまだキャラがはっきりしてないという話(あとがきより)ですが、
実際に原作の鶴屋さんもこういうキャラだったら絶対に好きになる。
逃げられないものに徹底的に対抗するのも悪くはないけど、
全部受け入れる選択ができる人はとても強いのだと思います。
更に受け入れた中で自分の幸せを探すポジティブさが素敵。
……もっとも、行き過ぎると魍魎の雨宮になりそうだけど。

……でふと思い出した。
この感情、BBで十貴竜会議でのホープに感じたのと同じだ、と。
あのシーンでのホープの切り返し方は本当に大好き。
だから要するに、そういう受け入れてなおポジティブなキャラが
私は好きなのだろうと思いました。

話戻して再び鶴屋さんの事。
そんな、気持ちいい位にとことんポジティブだと思った彼女が
ほんの一時、弱い姿を見せたら……そりゃぐらりとなります。
あの、全部受け入れてるって語りながらも反論が欲しそうに見えた、
って辺りが、元のキャラとの差のお陰で切なくてたまらないですよ。
キョンが何となく察していながらも何も言えなかったというのが、
切なさもいや増します。
とか言って、その後のシーンで切なさ吹っ飛んだんですけど!
ああもう何だあの緊張感!
ここでコトが起きちゃったらやばいじゃんどうするよ? と焦ってたら
寸止めで終わって安心したというかでもちょっぴり残念というか。
っていうか、止めたの鶴屋さんの方なのですよね。
弱気になった所でそのまま流されちゃわず、制止できた鶴屋さんは
やっぱり「大人」な子なんだなー、と改めて思った。

そういえばこの作品だけタイトルの形式が違うのですよね。
その辺りの事情もあとがきには書いてあったけども。
でも、内容にぴったり合った、とてもいいタイトルだと思う。
雪は白くて綺麗だけど、降らせる空の色は重い灰色。
そういう、本文にも出てきた直球ストレートな意味でもだけど、
積もると下にあるモノを覆い隠してしまうのもまた雪の性質だから。
覆い隠された下にあるのがどんなに歪んで醜いものでも、
全部隠して、綺麗なもののように見せてしまう所が、
この話での鶴屋さんのイメージと重なるのでした。

でもってラーメンが食べたくなりました。日曜に食べたばかりなのに。
っていうか結局食べました。
そして今日も食べました。
なんか違う意味で完敗した気分……!

あと鶴屋さんのあの語尾は原作にあったものだというのが衝撃でした。
某大手が作って広めた二次派生のネタだと思ってたですよ……。

「古泉一樹の親友」 キョン×ハルヒ前提 キョン+古泉→ハルヒ
3部作の中で一番好き。
ラストシーンも一番好き。最後の台詞が特に印象的。
常に仮面を被ってる人間の仮面が外れる瞬間、ってのは
ものすごくツボなシチュエーションなのかも。

にしても、古泉っていい奴だなあ。
自分の好きな相手が他の人を好きだと知っている、それどころか
その「好きな相手を想ってる姿」が好きだなんて自覚するのって
ものすごく辛い事じゃないのかと。
そんな関係、本当なら近くにいるのも辛いだろうに、
自分の想いが実らない原因でもあるキョンを
ハルヒと同じ位に大切にしているなんて、いい奴すぎる。
まあ、そんな状況で「親友」なんてさらりと口にできちゃうのが、
きっと、古泉っていうキャラクターなんだろうな。

「いかにも親友」みたいな感じにべったりとつるんだりはしないけど、
こんな風に、心のほんのわずかな部分で通じ合ってるような友情も
いいなあと思った。

っていうかね、頭がしがしには弱いんだよ私! あれ反則絶対卑怯!
いや腐要素って意味じゃなくて、単に髪いじりフェチなだけですよー。
……ぶっちゃけ「髪を梳く」が萌えツボになったのも、東出さんが原因だし。
どうしてそういう微妙なツボを絶妙にくすぐりにかかるかなーこのヒトは。

「朝比奈みくるの最後の挨拶」 みくる→キョン×ハルヒ
終盤、かなりのスピ-ドで二転三転する展開に圧倒されたです。
結局は別れを迎えるって所が切ないなあ。
が、本当の最後の最後で救われた、というか、
そこまでの展開があるからこそ、締めの言葉が輝くのかもしれない。

健気な小さいみくると、割とさばさばした感じの大きいみくると、
入れ替わりで登場するので、違いがはっきり出て面白いなー。
後述の通り、私あんまり真面目に挿絵を見てなかったのですけど、
構図同じでそれぞれ違うみくるが描かれた遮断機前の挿絵2枚は
2人の分かりやすい対比になってて、挿入の仕方がいいなと思った。

この話での小さいみくるの、自分ができない子なの自覚してて
それを何とか克服しようと頑張ってる姿は、本当に健気で可愛い。
でも、この話で一番印象に残った彼女はそれじゃない。
頑張って頑張って、それでも自分は駄目だった、と激昂し、
キョンの慰めの言葉をも拒絶したみくるでした。
できる限り頑張っているのに自分の目指す場所に到達できないと
自覚する悔しさは身をもって知っているので、
あのシーンのみくるを、つい自分と重ねて見ていました。
だから、他のシーンではキョン視点で読んでたのに、その1シーンで
一気にみくるへの思い入れが強くなってしまい……
泣いてはいないけど、泣きそうにはなりました。
なので決死の覚悟で告白しようとするみくるを応援してたんですが、
肝心な部分で強制送還されるなんて、何というやりきれない感……。
最終的に、そっちのみくるじゃないけど目的が果たせて良かったね。
想いは実らなかったけど、キョンに多大なインパクトを与えられて良かったね。

「長門有希の喪失」 長門→←キョン×ハルヒ
この話の切なさは、特にこの本の中でも群を抜いていると思うのです。
キョンでもハルヒでも長門でも、誰の視点で見ても辛くないですかこの話。
一番報われないのは長門だと思うのだけど。
キョンの感情が完全にハルヒに向いて安定するまで待ってた、って所が、
報われない切なさMAX。
告白が「過去形」な所が泣かせます。
でもあえて記憶を封印しただけに止めておいたのは、やっぱり
自分できっちりけりをつけたかったからなのかなあ、とも思ったり。

要するに、この話で一番感情移入してたのが長門でした。
何というか、自己犠牲だよね、この長門。

あと感じたのが、この話だけ、話が終わっていない気がする、という事。
他の話は、日常から外れたちょっとした出来事が起きて、
それが一区切りついてまた今までの日常(最初とは少し状況は違うけど)に
戻って締められてるように思えるけど、この話だけは、
戻らずに……というか、クライマックスで止まったように感じます。
多分、キョンが長門を外へ連れ出してさせたいと考えた事が永続的なのに
長門の方は、ただ高校生の頃の決着をつけただけで終わったからかと。
だからなのか、読み終わっても何となく終わっていない気がするのでした。

で思った。
これはある種のバッドエンドなんだ。
そう解釈すると妙に納得できるので、そうする事にしました。

長門周りの描写以外で印象に残ってるのは、長門への感情を思い出してから
街中を探し回るキョン。
時間潰しを兼ねているものだけど、探し回っている行為が過去の再確認のようで、
でもって、連動して段々長門の事も思い出していくようで。
これ、原作を読んでいるともっと感慨深くなるんだろうな、と思ったです。
あと素直な感情を表してるハルヒも、同じく印象に残ったり。
「取られたくないから頑張った」って言い方が、えらい可愛いな。
キャラはよく知らないけど、そういう「頑張り方」をあんまりしなそうなキャラだから
行動に起こしてるって所も含めて可愛い。

で。
先に書いた通り、シリアスに過度に感情移入してしまう私が
長門に感情移入しまくりながら読み終えての、一番強い感情は、
――相手が気付いてくれるのを待つような自己犠牲はしたくない、
でした。
この話では、キョンは3年かけて気付いた。
けど、もしかしたらもっと長くかかる可能性だってあった筈。
下手したら一生思い出されないって展開だってあったかもしれない。
逆に、思い出される前にキョン本人が消えてしまったら……
やっぱり、長門は決着を付ける機会を永遠に持てなくなってしまってた筈。
そういう可能性は長門は考えなかったのかなあ、と思った。
や、正確に分かってはいないまでも、数年で思い出されるって事を
ある程度は理解してたのかもしれないですけど。
でもそれは、あくまで長門の話です。
現実世界に生きてる人間は違う。
未来はどうなるかなんて全く予測なんてできない。
今日は普通に生活してても、明日いきなり死ぬかもしれない。
当然の事ながら過去には戻れないので、失敗したらやり直しもきかない。
だったら、ただ機会が来るのを受け身で待つのじゃなく、
やれる時に自分から動いた方が後悔しないんじゃないか――
そう思いました。
だから、自分は「やらない後悔」より「やる後悔」を選ぼうと決めました。
そんな感情こそが、この本を読んで一番強く感じた想いだったり。

ところでこの話だけ、15禁レベルのシーンがあります(事後って設定だけ)が、
それでもちっともエロさを感じないのは何故だろう。
あれか、ハルヒのキャラがあんまりそういうのを想起させないからか!

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     マリアナ海溝より深く遠い溝があると思うべし
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「涼宮ハルヒの統一」 カップリング無しオールキャラ
どうしてトリにこんな不穏なネタを持ってきたんだ。
直前の話が話だけにギャップもとてつもなく大きいよ大きすぎるよ!
ああしかし、5作の中で一番楽しかったのもこれという……!
そして、こういう話なら最後に持ってくるしかないとも思う。
直前までのシリアスな雰囲気が素晴らしくリセットされました。
ハルヒでこれをやる必然性も欠片もないと思うんですが。
でもシステムは借り物だけど、実際どのキャラも、直面したら
書かれてるまんまの言動をするんだろうなあと思えてならない。
やっぱり東出さんは、こうやって大人数を動かすの巧いなー。
読んで、これをマジで一晩で書き上げた事に改めて驚嘆した。
なんて人なんだ東出さ……失礼、書いたのはジョバンニでしたね。
凄いやジョバンニ!

友情と努力と勝利。
平和っていいね! 団結っていいね!
最初はそれぞれ好き勝手に行動していた筈なのに、いつの間にか
一致団結してたってのが、とてつもなく爽快。
朝倉さんなんて、最初の方では含みがあるげな言動だったから、
絶対途中で状況を悪い方に引っ掻き回す役回りだと思ってたのに、
そんな事もなかった。
逆に長門は、国を選んだ時点で、いい所を持って行きそうと予想して
本当にその通りの展開になっちゃったので、ちょっと笑ってしまった。
流石にそのままラストまで持って行くのは予想の上を行ってたけど。
……まあ、ゲームの性質考えたら、長門がキーパーソンになるのは
至極当然って感じではあるのかもですけど。
でも流れ的に、1つ前の「喪失」から続いて長門で終わった訳で。
そんなに長門がお気に入りか東出さん。

しかし、何故にこのヒトはこうやって出す本をカオスにするんだ。
「吸血大殲」4巻も、何故か最後に入ってたアレ、
知らずに開いて本編とのギャップに笑いまくったですよ。
でも、そういうカオスさもまた、このヒトの魅力ですやね。

余談ながら、同じくこの本を読んだ原作ファンの知人と会話して、
古泉の名前の読みが「いっき」だと知りました……。
ずっと「かずき」だと思ってたよ! 顔どころか名前も知る気なかったんかい私。
更に、朝倉さんが、原作では既に存在してない事も知りました。
……それで、「統一」の冒頭で言ってた台詞の意味を理解した。
なるほど、そういう意味での「バカ話」でもあったのか。
本来ならありえない、お祭り的な話でもあったんだ、これ。

しかし概要でカップリング表記を考えてて頭混乱してきた……。
何だこの錯綜っぷり!
普段あまりこういう表記しないので、間違ってたらご指摘願います。
っていうかね、問題は「喪失」だと思うんだ。
一番反響が大きかったらしいんですが、個人的には一番困る……。
や、ちゃんとした感想を言葉にしようとした時に、です。

内容には関係ないけど、ちょっと目を引いた部分。
本文のフォントが楷書体な所。
小説って大体明朝体だから、珍しいなーと思って。

ところで非常にどうでもいい事のような気もしますが、
再録の3編って、最初に投稿されたの、18禁のSS投稿場なんですよね。
なのに、15禁レベルに解釈できなくもない場面が1ヶ所ある以外
それっぽいシーンがまるっきり無いのですが。

それは果たしてツッコミ入れるべき所なのかどうか、悩む……。

悩んだどうでもいい事、更にもう1つ。
普段の癖で奥付を見てみた。
発行日が2008年11月……?
店頭に並んだの1月下旬というか専売だから実質発売日も同日だろうから
どうして発行日がそんなに早いのかいや商業的にはそれ位前倒しで普通か
でも同人って発行日=最初に売り始めた日として表記するのが普通じゃ
それとも予定ではもっと早く売り出すつもりだったからこんなに早いのか
でもとらの紹介ページでは発行日は12/30って書かれていたよなあ
いやそれ単に書き上げた日付入れただけと考えれば時系列的には合うか
……と延々考え続けました。
そして結論の出ないままに、奥付をまた見返して気付いたんですが。
本文が楷書体なのに、ここだけ明朝体っていうか、ぶっちゃけ
「吸血大殲」のまんまでしたね。
……えーともしかして、単に細かい日付気にしてなかっただけ、ですか……?

ここから下は、感想じゃなくてツッコミのようなもの。
内容に不満はないけど、それ以外で気になった事とか、
あと個人的な懺悔とか諸々です。
後者はともかく、前者はどうしても重箱の隅つつくみたいな感じなので、
その点にご注意をば。

実は、最初の時は何も気にせずに読んでたのですが、
今回改めて読んで感想を書こうとして、気になってしまった事が。
えーとその、すいません今まで誰にもお勧めできるって書いてたの、
ちょっとだけ訂正させてください。
や、内容はきっちり全年齢向けです。
どうしてこれを18禁の場所に投稿したんですかと聞きたくなる位、
健全極まりないです。
質的にも、胸を張ってお勧めできるのは間違いないです。
ただしキョン絡みで固定カップリング嗜好の人以外に、
と但し書きを付けさせてください。

多分、全編通して前提はキョン×ハルヒなんですが、
キョンに向いてるベクトルが多いのと、あとキョンふらふらしすぎ。
更に言うと、キョンに向いてるベクトルが多いので悲恋率高めというのも
苦手な人は受け付けないかもしれないと思います。
まあ、そういうのを気にするのは女性的な嗜好という話らしいので、
とりあえず知人に対しては一切関係ないとは思うのですが念の為。
というかぶっちゃけ、私自身が基本的にカップリング固定
&ハッピーエンド至上主義な傾向があるので、
素直に読めたのは原作の情報をほとんど持たないからこそ、
だったような気もするのです。
でなかったら読むの滅茶苦茶辛かったかも。
そんな訳で、個別の感想にもカップリング表記入れてみました。

本編の中で、まず内容的にちょっとだけ引っ掛かった部分。
「最後の挨拶」での一場面。
1ページ目で「SOS団の解散パーティ」とはっきり書いてるのに
その2ページ後に、解散の話を「実は解散していた」的ニュアンスで
もう一度説明してるのは、微妙に矛盾しているような気がします。
……自分の読み方が違ってるのかなあ?

それと、あくまで「個人的に」微妙な気分になった事が1つ。
「灰の雪」で、本編をちゃんと読む前、たまたま開いたページで
鶴屋さんが動画ネタと思しき台詞言ってるのが目に入ってしまった時、
正直ちょっと引いた事を告白します。
その後、本編を普通に読んだ時は、もう気にならなかったのだけど。
シリアスだという先入観があったから、そういうネタがある事に違和感を覚えたのかも。
なので、鶴屋さんのキャラクターを把握した上で読んだら気にならなくなったのでありましょう。


あと、作品の内容以外で、多分気にするのは自分位だろう、
というレベルの、ほんの些細な不満。
ノド側の文章がかなり奥まった方まで入り込んでしまってて、
一番内側の行が読み難かったです。
結構力を込めて開かないとならなかったので、本の劣化が早まりそうなのが
ちょっと怖かったり。
とか思ってたら、「吸血大殲」も結構ノド部まで文字詰まってました。
そのままって事は、やっぱり気にするのは自分位だったのかも……。
あと「喪失」で、文字が紙の下端の方まではみ出してる行が所々あるのは
何でだろね? レイアウト設定ミス?
誤字等は、必要なのは致命的に意味の通らない乱丁レベルのモノだろうし
あるいは再版かける時に参考になる位だろうと思うので書かない。
ですが。
間違ってる内容や数よりミスが集中してる場所が所々に見受けられるのが
……何というか、「ああ、ここ書いてる辺りで意識レベル落ちたんかなー」
なんて考えが浮かんでしまって、想像するとちょっと和んでしまったり。
だって何だか生身の人間っぽくて!(※東出さんは人間です)

ここからは、非常に個人的な理由での懺悔。
正直、私は、東出さんに対してかなり申し訳ない読み方をしてる、
と思います。
何故って、挿絵のページを上から隠して見ないように読んでたから。
でもね、「古泉の絵を見ないようにする」という縛りプレイの為には
挿絵は隠すしかなかったんだ……!
それに、元から文章のみで完成された作品として読んでたのだから
あえて挿絵を付ける必要性を全然感じてない、というのも本音。
でも、挿絵を入れるのを決めたのは書いた東出さん本人。
東出さんはイラスト担当の方の絵が好きだから依頼したんだろうし、
文章にあの人の絵が添えられればもっといい作品になる、と思って
挿絵を付けたのだろうから、挿絵を見ないっていう読み方は、
そういう東出さんの想いみたいなものを踏みにじってるんじゃないか、
と思うのです。
だから本当に、それだけは申し訳ないです。

や、「この部分には絶対に古泉は描かれない」と分かったページは
後から挿絵もちゃんと見たですよ!
なんですがそのー……モノクロの挿絵、表紙のカラー絵に比べて
ちょっと荒いように見えてしまうのが、もったいなさすぎる。
表紙のカラーはすごく綺麗なので、モノクロ絵を見ると
どうしても差が際立ってしまいます。
本当に、これに関しては、不満と言うよりはもったいない感情の方です。
表紙絵は綺麗なのになあ。
(※本文の印刷の質についても、詳しい知人がフォローしてくれました。
印刷形態的に、絵の質が落ちるのは仕方ない現象らしい、との話)

あ、カラー口絵最終ページの長門は「何があった?」と思いました。
や、だって表題作含めて内容がほとんどシリアスなのに、
萌え方面にアピールしてるように思えて……!


本当言うと、読んだら読んだだけ感想は増えるのは間違いないけど、
そんな事してたらいつまで経っても終わらないので、
これで一応感想は締めときます。
書きたい感想が増えたら、その都度追加するなり新しく記事書くなりします。
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