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ケモノガリ4(本編の感想)
「小夜音」出る前に読み終えられたー。

毎度同じフレーズばかりな気がするけども、
今回も楽しかった! 燃えた!
そして東出さんは相変わらず前作とスタイルをがらりと変えてくる。
閉鎖空間内の探索&頭脳戦メインだった3巻からまた一転、
今度はほとんどが広い市街での戦闘。
3巻のような作りも悪くないと思っていたのに、
「やっぱり『ケモノガリ』といえば無茶苦茶な敵との戦闘だよね!」
と思い直してしまう程の戦闘密度でありました。
2巻以来の、変態娯楽提供者とのガチバトルは楽しかった。
戦闘場所は街全域だから、敵も機動力のあるバイク集団なんですね。
イメージを上回るトンデモバイクっぷりはヒドかった。
三者三様で街中を縦横無尽に動きまわるバトルは
たいへん燃えて楽しかったのですが、
東出さんが再三謝罪ネタにしていた通り、
ローマの名蹟がかなり派手に悲惨なことに!
本当にもうこの子、ヒューマノイド・タイフーン扱いでいいんじゃないか。

でも楼樹君が一番恐ろしいのは、その圧倒的な戦闘力ではなく
提示されるフラグフラグ全て容赦なくへし折っていく所だと思いました。
あやな一途すぎるだろもっとやれ。
幻影に向かって語りかける姿は巻を追う毎にエスカレートするようで
少しばかり心配になって行きましたが、
今回のイベントのお陰で、その心配もせずに済むようになった
……のかなあ。
代わりに、(あまり)迷いなく走り続けてきた楼樹君に生まれた
精神的危機が、今までの比でないレベルに大きくなって、
違う面で不安が増えてしまったけど。
ぶっちゃけ、どんなに戦闘能力が人間離れしている敵よりも
精神を揺さぶられる事の方が、楼樹君にとっては生命の危機だよな。
「ヒト」でない「ケモノ」を狩る、という基本テーマがあるからか、
「ヒト」であろうとする意識に対する描写が多い気がします、
この「ケモノガリ」。
そしてその葛藤が、この作品を
ただ爽快な戦闘で終わらないものにしているようにも思う。

しかし今回のあやなの役回りは、1巻での2人が好きな私にとって
最高に嬉しい登場の仕方でしたね!
楼樹君もだけど、あやなの方も全く変わっていなくて安心した。
あやなが「死なない」と言い切った事にも安堵したけど、
楼樹君の精神を保っているのがあやなの存在である以上、
最後まで生きていてくれる保証はまだ無いんだよな……。
更にその上で楼樹君と再会できるかどうかなんて、もっと不確定。
できれば、あやなと楼樹君をきちんと再会させて、
2人にとっていい結末を迎えさせてあげて欲しいけども。

あやなといえば、P46~47のあの見開き絵は、
ページを開いた瞬間息を呑んだ。
単なる場面描写に留まらないあの演出は、純粋に「すごい」と思った。
絵師さんとのナイス連携ですな。
これはもしかして、東出さんが漫画原作を手がけるようになった事で
思いついた演出だったりして、などとも考えたり。

あやなの活躍が大きかったお陰で、セシリアの方は
2巻のグレタのようなヒロインらしさが目立たなかった感じ。
折角表紙を1人で飾っているのに……!
シリーズ初の女の子1人表紙なのに……!
まあ、どちらかというとセシリアは、役回りとしては
楼樹君の行動へのアンチテーゼを投げかけている感じでしたが。
きっと彼女の活躍は次の巻がメインなんだろうな。

そういえば、「トップの筈のミスター倒したのに何故普通に動いてる」
という、ずっとくすぶり続けていた疑問に、とうとう明確な回答が。
その内容に納得しつつも、割とツッコミを入れたい私であった。

ところで、今回一番の萌えどころは、
デジタル機器を操作するイヌガミだと思います。
そこは挿絵が欲しかった。
そして笑いどころは、プロローグ、の舞台設定。
あれはまさに自分がやってる最中なので、めっさ感情移入する。
あとシャーリーのあの台詞は吹いた、既に知っていたのに吹いた。

しかし、今回最も言いたいのは、何といっても、
清々しいまでの「次回に続く!」感でしょうか。
自分で読む前にそんな感じの話だけ見てはいたのでありますが、
思った以上に終わっていなかった。
今までは1冊で1つの話がきちんと完結していたのに。
しかし逆に言うと、こうやって明確に続刊確定の締め方ができるのは、
(既に一度言及したけど)あとがきでの記述とも合わせて、
「ケモノガリ」がどうやらきちんと安定して続けてもらえる事になったんだ、
と非常に嬉しい話です。

どうでもいいはなし。
現在のパーティメンバー:
 アカガミ
 イヌガミ
 子孫がカミ(になろうとした)
次に加わるメンバーは何神だろう。

余談ですが、奥付を確認したら担当さんは3巻までと同じ方でしたが、
1月度のガ報を見たら、その方がガガガ編集部から去るような事を
コメントしておりましたね。
そういえば、担当さんが同じだった荒川さんも、少し前に
「元担当さん」という表現を使っておりました。
「ケモノガリ」4巻が最後の担当作だったのかな。
という事は、編集部ログで紹介記事を書いたのは
新しい担当さんなんだろか。

もっとピンポイントに突っ込んだ事はネタバレ隔離。
(きちんとまとめるのを諦めただけとも言う)
めんどいので箇条書きで思いつくまま書くよ!

・カラー口絵、表と裏でカラーリングが反対で面白い。
 チームロウキの絵の構図が非常に格好良い。
 シャーリーの姿にキャッツアイを思い出したなんていうのは秘密。
 反対側は、娯楽提供者サイド……といっても、
 既に最後通告突きつけシーンなので、やはり楼樹君が決まっている。
・プロローグがウエスタンで思いっきり猛りつつもツッコミしたくなる。
 もしや元ネタはRDRか東出さん!
 決闘シーンとか、まさに最近進行中の自分は
 あのゲームの雰囲気でがっちりイメージできてしまうね!
・アストライアが、楼樹君への感情を「愛に似ている」と言い出したのは、
 ホモ妄想進行かとめっさ焦ったよ!
 ……が、「殺意であって愛じゃない」と一瞬で前言撤回した事にほっ。
 元ゲルトの、弟に向けた感情描写との対比的意味合いでの表現かね。
・ヴァイオリンが武器だと思ってたのに! 騙 さ れ た ……!
 しかし実際に登場するまで、4巻の表紙絵は女装したアストライアだと
 信じて疑わなかった自分(女の子だって言ってた東出さんを信じろよ)。
・イヌガミはタッチペン使ってタッチパネルを操作してたのか。和む。
・シャーリーの内面が初めて描写されたような。
 これまで何を考えているのか不可解だったけれど、
 それなりの信念があって行動を共にしていたんだな。
 しかしいきなり「限界進化」言い出したのは吹いた。
 元は東出さんのお遊びだったのかとも思うけれど、
 もしかしたら本当にエヴォと地続きの世界にするつもりだったり?
 楼樹君のように悲壮な環境で葛藤せずに同じ水準まで行ける世界なら、
 エヴォは何と幸福な世界なんだろう、と思ったり。
・イヌガミとの共闘を見たかったけど、今回分断されっ放しでしたね。
・分断されて、それぞれのシーンが交互に展開される構成も面白い。
 シャーリーは3巻以上に無双でした。
 イヌガミは味方に回っても無茶苦茶強いな。
 知性は人間、身体能力は大型狩猟犬というコンボは強力だ。
 そういうスペックを駆使して人間にはできない芸当をやってのける姿が
 非常にカッコイイ。
 軍用犬を眼力で従えるシーンは、楼樹君もやってたなあと思い出した。
・しかし、こんなに早くイヌガミと元ゲルトの対面がなされるとは予想外。
 何度も対面しつつ、毎回何かしらで中断される展開になるのかな。
 ただ、イヌガミの目的が姉の殺害とすると、
 楼樹君と最後まで組まず、途中離脱してしまうのではないかと
 不安にもなってきた……。
 イヌガミは色んな意味で良い相棒キャラなので、あやなと同じく
 ずっと楼樹君のサポートをして欲しいなあ。
・元ゲルトの殺人鬼への変容っぷりが半端無かった。
 覚醒して1ヶ月でも、ここまで戦闘能力が高いものなのか。
 「殺人鬼の赤ずきん」と聞いて、Vセイヴァーのバレッタを思い出した私。
 成程、イヌガミの「犬」にかけて「赤ずきんと狼」もモチーフにできるのか。
・楼樹君が一方的に「クラブ」へ切り込んでいるように見えて、
 実は全て「クラブ」の手の内、というのは何度見ても無性に腹立つな。
 しかも、回を増す毎にやり口がエグくなっていくような。
 それだけ、あちらも本気度が上がってるという事でもある訳で、
 楼樹君が確実に追い詰めて行っていると思えば。
 そのお陰であやなと楼樹君が画面越しとはいえ言葉を交わせたし。
 イヌガミの因縁と同じく、正直、こんなに早く
 あやなを人質に取ってくるとは思わなかったけど。
 楼樹君にとっての最後の生命線みたいな存在だから、
 もっと物語のクライマックス近くに使ってくると思っていた。
・久々のあやな登場に滾った! 色々と!
 いきなり人質、というシチュエーションにはびっくりしたけど、
 登場時の本文での見せ方にはやられた。
 こんな、挿絵を本文の一分に使うなんて手法、
 他作品ではあるかもしれないけれど、この作品で、
 しかもこんなシーンで使ってくるなんて……!
 それにしても、あやなは相変わらずいい子で嬉しい。
 アストライアを感心させた時は心の中で喝采が。
 それが1人になったら緊張がほどけて震えるなんて。
 あやなの健気さや楼樹君への信頼が見えて、好きなシーンです。
 かと思えば、軟禁されている部屋を抜け出すなんて大胆さもあり。
 しかもその行動が楼樹君をギリギリの所で留まらせる事にもなる訳で。
 本当に今回のあやなの登場シーンはどれも素晴らしすぎる……!
・読んでいて一番手に汗握ったのは、戦闘ではなく
 ヴァレリオが無実だと明かされた所から始まる、
 楼樹君がヴァレリオにククリナイフを掲げた、あの一連のシーン。
 今回の「クラブ」のトラップは、ヴァレリオが「無実」である所ですな。
 これは2巻の「身内が敵でした」と正反対のベクトルで、
 同等以上にキツい。
 ククリナイフを下ろすかどうかのギリギリの緊張感は心臓に悪かった。
 今回はあやなのお陰でかろうじて回避できたけれど、
 いつか、回避できずに最悪の結果を招いてしまうかもしれないと考えると、
 怖くてなりません。
・ヴァレリオは「無実」と言われているけれど、
 何故リストに載っていたのかは明かされていないんですよね。
 単純に「クラブ」の仕掛けた罠というだけでは収まらないんだろうか。
・ヒロインとしての活躍度が、
 モニタ・電話越しの会話だけのあやな>>ずっと楼樹君といたセシリア
 ……表紙絵を1人で飾ったセシリアがヒロインと見せかけて、
 実はヒロインはあやなだったという高度なミスリードなんですね。
 というか、セシリアはバイオリン設定が使われていないので、
 次の巻で過去のエピソードに絡めた展開が出てくるんかな。
・セシリアの設定といいあやなの再登場といい、
 1巻での内容を振り返るような描写の多い巻でもありました。
・帯のコピーはこれまでで一番攻撃性が高かったけれど、
 楼樹君の精神面については逆に、これまでで一番
 殺人への躊躇が強かったような。
・今回の娯楽提供者も装備のゴツさがイロモノ仕様だった けど、
 個人的に印象的に残っているのは、対戦する前から
 楼樹君に勝てない、と納得していた節がある事。
 これまでに何人も強い娯楽提供者を打ち倒してきているのを知っての
 冷静な戦力分析の結果なのだろうけれど、
 斃れる間際の「ああ。やっぱりなあ」という諦観に
 今までただ殺してきた娯楽提供者達と違う、
 人間的な感情を見てしまった。
 楼樹君の抱いてしまった殺しへの躊躇いとも合わせて、
 どうも今回は、楼樹君の道に待ったをかけるのがテーマ、
 という気がしてきてなりません。
・今まで楼樹君の相棒だったククリナイフが……折れた……!
 ずっと同じの使ってたんかい、と思ったのは秘密。
 じゃあ次の巻で鍛え直してククリナイフ・改になるんですね、きっと。
 それはそれとして、「ククリナイフ」があまりにも文中に頻出しすぎて
 ゲシュタルト崩壊起こしかけました。
 省略されて「ククリ」になってた部分があったのは、それもあるのかもね。
・アストライアが天秤で、今回教皇が出てくるから、
 きっと組織幹部は12人いるに違いない、と踏んだのに、
 何というミスリード……!
 でも、ミスターが唯一無二のトップではなかった事が判明したのが
 違う意味で驚きだったよ!
 っていうか多いよトップ!
 後付設定に感じつつも納得はしたけれど、
 リアルに四天王ネタ(7人だけど)じゃないのかとちょっと笑った。
 しかし、冠する名前に皮肉が効いているなァ。
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