■Information■
■Login■
Now Mode: ゲストモード
USER ID:
USER PW:
■New Entries■
■Categories■
■Archives■
■Calendar■
Su Mo Tu We Th Fr Sa
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31  
<<Back [2024/05] Next>>
■Powered By■
BLOGNPLUS(ぶろぐん+)

リスク / リターン
「エヴォリミット」に対する評価として
「進化による力の獲得にデメリットが無いので緊張感が薄い」
という意見を割と見かけます。
という訳で、東出さんの過去作・あやかしとBBから
(※クロノベルトは過去2作のクロスオーバーなので割愛)
強い力を獲得する為の手段と、力の獲得に伴うリスクの対比、
及び描写されるルートを並べてみました。

#あやかしびと
 獲得手段:熾天使薬
 代償:先祖返りして完全な妖怪になり、人間に戻れない
 ルート:すずルートのラストバトル

※熾天使薬こそ利用していないものの、
 九鬼先生の鬼化も人間から離れるという意味では同種

#Bullet Butlers
 獲得手段:エメス・トラブラム
 代償:行使の度に魂が削られ、記憶を喪失
     最終的にはノーライフキングの生贄に
 ルート:共通ルート中で力が暴走し、生贄化
      ヴァレリアルートラストバトルでギュスターヴが記憶の喪失
       (※同条件の筈のリックに重大な記憶の喪失は無い模様)
      セルマルートで段階的に記憶を喪失

※ドラゴニュートの英雄としての力は、
 リスクはないものの、時間制限付きなのでリスクといえばリスク?

でそれに対してエヴォはというと、
「進化するほど元の人間性を失っていく」と説明はされているけれど、
ルート毎の違いが大きいので、ルート別に結果をリストアップ。

・共通ルート
 義一くん:数段階に分けて能力を獲得していくけれど特に代償無し

・リーティアルート
 義一くん:太陽の端末種に進化した場合に人間性を喪失
 リーティア:進化で一時的な人格の喪失描写有り

・カズナルート
 義一くん:火星の端末種に進化した場合に人間性を喪失

・雫ルート
 義一くん:心臓を失うらしき展開はあるけれど、人間性は変化無し
 雫:1人で登った場合(BAD扱い)、外見は神性が付加されたけど……?
 シャノン:最初から最後まで一貫して人格に変化無し(に見える)
 ファントムキラー:攻撃性が増加の描写有り(後で階段を降りて元通り)
 環太郎:攻撃性は増加しているけれど、進化の代償かどうかは不明


こうやって挙げてみると、一応各ルートで描写はありますね。
でも、あやかしでは熾天使薬を使ったのは最終のすずルート、
BBでもセルマルート終盤で最重要である筈のセルマの記憶を失っていて、
どちらも最終ルートでリスク描写がある訳です。
一方、エヴォの最終ルートである雫ルートでは
ラストバトルに関わる全員が進化の階段を登り詰めているのに、
見た感じ、誰にも変化の様子がない。
唯一の大きな代償と言っていいのは、
心臓が必要なくなる=ココロとの別れ、になるのだろうけど、
それは不知火義一という個体に変化を生じるものではないので、
リスクとしてはやっぱり弱いかなあ、と思ってしまうのです。
というか個人的には、喪失する人間性が精神的な部分だけなのも
代償としては弱いと思っているのですが。
人間から離れるのなら、肉体的にも
進化の内容に見合った変化が欲しかった。
それこそX-MENの一部のメンバーのような、
能力が外見の特徴に反映される位派手な方向に。
そうすると、もっと強くリスクの感覚を味わえたのに、と思うのです。

私個人としては、進化の代償の少なさについては、どちらかというと
進化の否定要素として機能しなかったという感覚の方が強いですが。
これはもしかしたら、奈須きのこ氏がエヴォ感想で述べていた
「進化全肯定」と近い意味合いなのかもな、などとも思ったり。
ただ、現在火星にいる人類全体を基準として視点を置くならば、
機械技術等の文明レベルの低下を
個々の肉体的能力が向上した代償と取る事はできるので、
そこを考えればエヴォは決して進化全肯定な訳ではないのでは、
という意見になるのが、奈須氏の感想とはちょっと違いますが。

そんな訳で、途中に代償が描かれてはいても
それがほとんど話の根幹に関わってこない為に、
最終的に「リスクが無い」という印象で終わってしまうのは確か。
更に言うと、進化をしても、一度登った階段を降りられるのが
より一層リスクの少なさに拍車をかけているのもまた確か。
そのリスクの少なさが、過去の東出作品と比較した時に
物足りなさを感じさせるのは仕方ない面はあるのだと思います。
何だかんだで、メリットとデメリットの駆け引きは
特に戦闘シーンの面白さを演出する要素の1つな訳ですし、
言わばバトルモノの王道と言っていい。
……が、逆に考えれば、既に東出さんは過去作で
何度もその駆け引きとその結果を書いている訳です。
ならば、今回同じ道を踏襲しないように、
「あえて描かなかった」と解釈する事ができるのではないか。
学園伝奇→TRPG的ファンタジー→SFと、
世界設定を毎回別物にしている東出さんなので、
シナリオ展開に関しても過去作と違う路線に
意図的に行ったのだとしても納得できると思うのですが。
実際、ユーザーの意見を元に改善したと思われる部分以外でも
あやかしで描かれなかった要素、
もっと言えば、あやかしで描かれた事の「更にその先」を
描いているのではないかと感じる所は結構あるし。
特にエヴォは、敵キャラの設定や展開にそれを感じるのです。
その辺りも語りたいけど、そっちはまたいずれ。

ついでに、戦闘での駆け引き要素が少ない理由の推測もう1つ。
4月発売(予定)だったエヴォのシナリオと
7月発売の「ケモノガリ2」の構想は、
同時とは言わないまでも、時期的には結構近かったのではないか。
とすると、2作品の方向性を差別化する為に、
等身大の人間同士の戦闘駆け引きは
一応生身の人間しか出てこない「ケモノガリ2」に集中させた為に、
エヴォには出せなかったのでは。
2月の体験版ver.2に入っていたVS環太郎・アクアのタッグバトルだけ
過去作の戦闘と同じような駆け引きがあり、
その一戦のみ以降の戦闘とはノリが違う事から
そんな風に考えたのでした。

| http://haruka.saiin.net/~summon_bullet/fdtd/log/index.php?e=956 |
| Work::Evolimit | comments (x) | trackback (x) |

Page Top ↑