なんかホストっぽい絵だったから、鷹通がこんな、まさか!!みたいな(笑)感じで、勝手に記憶喪失にさせました。あっはっは。そんでたぶん頼久は「手荒な手段を使ってでも、取り戻す」みたいな使命感なんじゃないかと、そーとーワケワカンナイようなパラレルです。妄想の自己完結?(ゲラゲラ)
「困りましたね。‥‥愉しいですか?」
どれほど汚しても追い詰めても、余裕の笑みは壊れることがない。
それは‥‥貴方が。
もう既に、壊れているから?
いや、それでは困る。
こんな茶番を演じるために、こんな所まで足を運んだわけではない。
「一緒に来ていただけますか?」
「何のためでしょう」
「貴方のために。‥‥貴方の失った記憶を、私は握っています」
それを聞いた貴方は一気に青ざめて、逃げるように身を捩った。
「いりません。捨てようとして捨てた記憶なのは、ぼんやりと覚えているのです。‥‥私には、必要のないものだと」
「思い出されたのですか!?」
「いえ。何度か思い出そうとするたびに、私の心が悲鳴をあげたものですから‥‥どうか知っているのなら、そして私を救おうとしてくださるのなら、捨ておいてはいただけませんか」
項垂れた貴方が悲しくて、その心に私がないのが悔しくて。
刻みつけるように、抱いた。
貴方は抵抗する素振りもなく、何かに縋るように私を求めてくる。
その時、ふと。
私の中の黒いものが蠢いたのが解った。
貴方は神子殿を忘れようと必死だ。
私は‥‥その隙間に、この身を割り入れることが、できる‥‥?
「名前。ア‥‥名前、を‥‥‥ん、あふ‥っ」
「頼久と申します」
「頼久殿‥‥?」
「殿は余計です。ただ、頼久と」
「ならば私のことも、んあ‥っ‥‥鷹通、と」
畏れ多いと辞退すべきだと、頭では解っていた。
ただ‥‥。
「鷹、通」
せめて貴方を抱く時だけ。
せめて偽りの契りを結ぶ間だけは。
「頼久‥‥‥ぁあっ、よりひさぁ‥‥」
私に罪があるのは存じ上げているのです。
貴方が記憶を取り戻した時は、腹を切ることも厭わない。
ただ、この胸に縋る貴方が愛しくて恋しくて、もう狂おしいばかりで。
鷹通殿、お許しください。‥‥‥貴方を、愛しているのです。