私は束縛されることを嫌っていたはずだと、記憶に確認を取る。
どうしたことか。
君に縛られて‥‥こんな鎖を用いるほどに狂ってしまった君に、この身を縛られて。
どうやら私は悦んでいるようだ。
私が欲しいのかい?
構わないよ。
君が望むだけ、君の中に痕を残してあげる。
生かすも殺すも君次第。
こんな鎖で縛らなくとも、私は既に君のモノだと納得できるまで。
縛られていようか。
子供の遊びだと自覚しながら、貴方に鎖をかける私。
それを見つめて愉しげに笑う貴方。
判っていらっしゃらないようですね、私は本気で貴方を‥‥。
また、私は何を言っているのか。
身勝手な想い。
こんなものを抱えた所で、貴方にも私にも、この世の全てにとって何一つ建設的なことはないというのに。あれほど大人になりたいと願っていたはずの、あれほど世の役に立つ人間になりたいと願っていたはずの私が。
ああ、もういい。
貴方を失う恐怖に勝るものなど、何もないのだから。
「友雅殿‥‥‥」
「なんだい、鷹通」
「貴方は、私のものです」
「ああ、そうだよ。どうして泣くんだい?」
「泣いてなどおりません‥っ」
「これが涙でないとすると、先走りの露かな。‥‥私に欲情しているのだろう?」
「っ‥‥友雅、殿‥‥んっ」
「私を繋ぎ止めるには、鎖では足りない。君自身を贄に‥‥」
「ぅあ‥っ」
「鷹通。‥‥愛しているよ」