「友雅殿‥‥」
「なんだい、頼久」
どこまでも柔らかく見つめてくる瞳に、狂わされていく。
「私は‥‥」
ああ、違う。私が貴方に狂いたいのだ。
「貴方が欲しい」
全て捨て去って。
捨ててはならないはずの、私を形取る全てを置いて。
「愛して‥‥‥ほしい」
身分も立場も何もかも、この激情の許に投げ打って。
「上出来だ」
パッと花咲くような笑みを浮かべて、その指で私を嬲る‥‥楽しげな貴方に声もなく流されて熱い息が上がる。
‥‥‥っっ。
胸の突起を嬲られて息を詰めると、意地悪く「此処がいいのかい?」などと呟きながら、私の上に跨った。
「友雅殿、そのような‥‥ァッ」
「君は『このような』ことをしに来たのだよ。その年で一々怯えるものではない。可愛らしい、などと言われたいわけではないだろう」
わかっている。わかっているけれど。
「ン‥‥ン‥‥‥‥クゥ‥ッ」
言葉にならない。
貴方の熱に煽られて、全身に火が灯るようだ。
「ンアァッ」
得体の知れない感覚に怯えて貴方の足にしがみつくと、手を止めてニヤリと笑った。
「それとも奉仕する方が性に合っているのかい」
なんでもいい。この感覚から逃げられるのならば。
泣きながら何度も頷くと、哀れむように首を傾げた貴方に、優しく抱き留められた。
「まだ早いよ。一度は私の好きにさせなさい。それでも立っていられるようなら、一つずつ教えてあげるからね」