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LC7話と8話。

■7話
アスミタがサーシャの胸元に手突っ込むけしからん回。
画面いっぱいサーシャの胸元で、私には美味しかった。

……短い感想だな。
ながらで見たのが悪いのか、あんまり感想が無い。
あ、テンマかヤトの足ってか靴部分が聖衣なのにぐにゃっとしてた。
ぐにゃ?
こう……指の部分と甲の部分がパーツで分かれていないのに、歩く時にぐにゃっと皺が寄って……革靴とか、布の靴なら自然なんだけど、聖衣ってそんなに柔らかい材質なの? と。
黄金聖衣みたいにパーツが一杯あるとつま先も稼動する仕組みなんだろう、って思うけど、つるっと繋がった青銅の聖衣でやられると、ぐにゃっとした材質だと考えないと、歩くの無理。
いや、歩くことはできるだろうけど、つま先を蹴っては歩けない?
説明が難しい。
とりあえず、聖衣の材質、どうなってんだろう。
ひょっとしてアレは未知の材質で、パンチなどの衝撃は吸収したりして強いけど、それ以外の力には柔軟なんだろうか。
衝撃吸収ジェルみたいな。
そう考えれば、体系の違う相手にも貸し出されることも納得が出来る……んだけど、なんか固そうな材質に見えるんだけどなぁ……?

ところで、アスミタはアスミタだから、で片付けられる気がするけど、父が日本人とはいえ、乳児の頃父とは生き別れ、一定の年齢まで母に育てられ、その後はイタリアで育ったテンマは何処でブッタ? だか、仏の名前を学んできたんだろう。

そいえば、アローンが「僕」と「余」混在してたかも。
あのケルベロス可愛い。
頑張るけど、最終的にテンマにまかせた耶人も可愛い。
そろそろ辞書に単語登録しよう、耶人。毎回「や」「ひと」と打つのはさすがに面倒になってきた。

1期のアローンは可愛い。
2期はほとんど出てこなかった(笑)

■8話
ユズリハ、108個数えて実を拾うの早いな。
でも、テンマの説明は108拾えって言ってなかったけど、わかったの? それとも、最初からハクレイ様が108個って注文してたんだろうか。

実は結構好きなスタンドさん登場。
耶人とスタンドさん、なんか好き。このコンビ。
あのどう見てもクワガタにしか見えないスタンドさん。
ビートルがカブトムシだって気づいたは、わりと最近だったりします(あほ)
というより、あの冥衣。普通にクワガタに見えると思うんだ。
だからビートル=カブトムシだなんて、考えもしなかった。
有るがままの彼を愛したのよ、きっと。
スタンドバイミーってあの技名イカス。素敵。カッコイイ。
でも見る人にクワガタと誤解を与えるハサミ部分で相手を挟んで走って障害物に突撃するだけの技。
いや、アレ実はハサミじゃなくて前足? ……まあ、いいや。
もしかしたら、冥闘士で一番すきかもしれん。
是非、3期までアニメやって耶人との再会を……。

そーいや、テンマは再会したチェシャに「手加減できるかな」って言ってたけど、耶人は普通にスタンドさんに負けてたな。
成長してなかったのか、耶人。

個人的にチェシャの声はイメージに合わない気がする。
見た目子どもなのに、声は結構いい男系なとこが違和感がある。

そして、1話ぶりのハクレイ様登場。
楽しみにしていたハクレイ様の数珠内職シーンはなかった(笑)
コミックスに1コマだけあったチクチク手作業……あれ、萌えたんだけどな。ユズリハが手元に明かり用意してたりして、老眼? って。
それにしても、アトラはどこに消えた。

異常にうきうきしている気がするアスミタ。
なんであんなに笑顔なんだろう。
どうせもう要らぬ血って、捨てるんだから、有効に使いましょう? って事なんだろうけど……それすらも嬉しそうだ。
なんであんなにアスミタ嬉しそうなんだろう。
かーなりテンマを気に入っているように見えた。
アスミタに対して萌えと妄想を含んだ感想書くと長いから割愛。
そのうちSSで吐き出すかもしれないけど、しれないだけ。

ハッとするハクレイ様が多すぎる(笑)
あんた、どんだけアスミタのいう事に動揺してんだよ、と。

エトバルトだっけ? エトヴァルト? カタカナの名前苦手。
あの人、あそこで死ぬだけの悪役なのに、無駄に美形……。
1期は直ぐ死ぬ雑魚冥闘士なのに美形って多くないかー?

アスミタの回想サーシャ可愛い。
9歳の泣きじゃくってる奴。
あれ、タイミング的に扉の外でシジフォスと会話して惚れられた後すぐだと思うんだけど……笑顔でシジフォスと分かれて直ぐ教皇と侍女の前で泣きじゃくって……サーシャ、何言われたんだ。それとも、あの十字架を外せって言われたのがいやだったんかな。
あれ、アニメだと十字架に見えなかったんだけど……漫画だと十字架だった気がする。
改宗がいやだったのか、元の家の思い出の品を外すことを強制させられるのが嫌だったのか……そーいや、教皇の法衣にも十字架のペンダントある時あるけど、あれなんなんだろう。
たんなるお洒落アイテムで、キリスト教の物ってイメージはないんだろうか。あの世界では。現代日本ならただの記号的アイテムになってる気がするけど、星矢世界のギリシア聖域ではどうなんだ。

どうでもいいけど、このシーンの侍女好き。
大人美女のキトン姿は萌える。

9歳と考えると子どもだけど、9歳の少女はもう子どもじゃなくて、いっぱしの女でもある。
女の子は生まれた時から女で、女の子って単語は年少の女性って意味でしかない。
少なくとも、女の子は男の子と違って、「性別が女。今は子ども」ではなくて「年齢は子どもだけど、立派な女」上手く説明ができませんが。
そんな9歳サーシャが中身の足が見えるぐらい強くスカート握り締めて泣くって、よほどのコトだと思うんだけど……セージ教皇何言った。

あと、セージ教皇の近くで超リラックスモードだったアスミタにちょっと笑った(笑)
あの人、あそこで何やってたんだろう。
知らぬは牛さんばかりなり、で結構教皇の間にはちょくちょく遊びに来ていそうな雰囲気だ。

アスミタ他界シーン。
壁登って部屋に入って来たテンマ。
あれ、今までなんとも思ってなかったけど……実は部屋に入ったテンマには、乙女座の聖衣しか見えていなかったんじゃないかなーと思い始めた。
アスミタの幻は、そこにアスミタの心とか小宇宙がある、って表現で。
テンマの目には、アスミタが見えてない、みたいな。

夢という名の妄想が広がる8話でした。
夜空を見上げるハクレイ様エロっぽい。
表情が見えないとこがまたたまらん。

■わたしのお嬢様
の最終巻おまけドラマCD。
あれ、今更だけどCDつきが通常版で、CD無しは作らないそうな。公式サイトだか、公式のツイッターがそう言ってた。

CD無し版が欲しかったわ。値段も既刊より高かったし。

で、ドラマCD。
異常に声優が豪華なドラマCD。
エロ漫画雑誌の4コマ漫画で、連載は終了している物の最終巻に付録として付けるドラマCDにしては異常に豪華な声優さん。
そして、とんでもなく豪華なプロの声優さんがメインキャラをやっているのに……ネット声優の朗読劇を聞いている気分だった。
なんでかなー。
イメージは全キャラ合わなかった。
ミリーとかまだ十代なのに、声ゆかなさん(ティアとかハサハ)なのにちょっとババ臭いというか……とにかくイメージに合わなかった。
ステア先生は声若すぎる気がした。アーサーの4つ上ってことは、22才? で声フェリミって。
カガホの声ならまだ良かったかもだけど、なんか違う。イメージじゃない。
むしろ、メリーの声でミリーのが良かったかも。そしたらメリーの声が開くだけど。
それにしても、ここまでイメージに合わないと感じるのも珍しい。
私、好きだったんだな、この漫画。
イメージに合わない、って感じるぐらいには。
大概の物は「こんなものかなー」って無関心に終わる。

最終巻はエンディングからして微妙な感じ。
妙に暗く終わったし。
なんであんな最終回選んだんだろう。
「なんちゃって」ビクトリアン・ホームコメディなんだから、ドタバタのままでよかったのに。
最終回で突然の欝展開・バッドエンドって感じだった。

ところで、この作者。
結構自作品に適当?
少し前にポヨを読み返していたら、クロの苗字が最初は『愛原』だったかな。
後、最初のころは「アポロ」だったポヨの肉球が、最近は「逆アポロ」に変わっていたりもする。
1巻の佐藤家にはコタツがあったりねー。
あと、萌の年齢もおかしい。1年前回想で22才の萌は=で23才のはずなのに、いつのまにか22才が定着してる。
コミックス1話冒頭の次点で、すでに1年ポヨを飼っているはずなんだけど。

鍋プリンが途中からバケツプリンってなってたのも気になったかな。
あと、ボギーとダニー。
そんな2人のMyホームのヤスさんが2人とかも気になった。
あと、クララの人生とかも。

最終巻のマーチ家のパーティ仕切ってたおじさんは、最終巻で突然発生したサムおじさまでいいのかな? たぶん副社長の。
狼男かぎっくり腰のドン・キホーテかって説も……
ミスター・ホッパーとミスター・ウルフは、警察官でよかったのかな。
バタフライは何やってる人なんだろう。

あとパーティでミスター・マーチに出されたウパパラギって、プリンをウパパラギ型に造形したのか、ネタとしてウパパラギを仕込んだのか、どっちだ。
それがわからんと、笑いどころがわからん。
後者だったら、さすがに嫌。

思い立ったので…

調べてみた。
若ハクレイの一人称、俺だった。
先代様の一人称、わたくしだった。

あと、改めて見ると……先代様のが、双子より歳が上に見える(笑)
お姉さん口調というか、「~なさい」「~してはいけませんよ」「~ですよ」って語りかけ口調なのが主な要因か。
おいおい、適当に萌えのままにかいたSSとか修正していきます。
とりあえず、サイトにアップするころには。
日記に上げてんのはそのままで。
更新するのがメンドイけど、書いた! って時にあげるのに便利。ブログ。

■ここ2・3日
SS書いて発散したのが良かったのか、また乙女ゲーが進み始めた。
なんか行き詰ったのか、進みががっくり落ちてたのが、元のペースに。
まあ、また絵を描こうとしたら止まるかもだけど。
どんだけ絵描くのめんどくさがってんだろう、私。

とりあえず、半日で老双子ゲーを作るのに全力で逃げるぐらいには乙女ゲーつまってた。
気持ち的に。
おんなじことひたすら半年以上やってたら、そりゃ飽きる。

次に何か突発でミニゲーム作る時には、設定は次期教皇の座に収まったアスプロスと教皇補佐アヴィドな聖域に、楽隠居の老双子で、聖戦が奇跡的に聖闘士側には一人の犠牲も出なかった設定で(笑)
なんか、あの二人+老双子が健在だったらそれも可能な気がしないでもない。
ま、歴史書に記録を残せない勝ち方しそうだけど。
あと、主人公は使いまわさないで、適当にまた何か置いて。
今作ってる乙女ゲーの主人公使いまわすと、絶対……楽隠居したセージにくっついて、聖域出て行きそうな気がする。
べったりおじいちゃんっこ化。
そんな気がする。

妄想散文

予定はなかったけど、なんとなく続きが浮かんだんで、続けてみた。



【似姿2】

「全然ダメ。思い切りが足りないようね」

 自分の顔を見るなり女神の口から漏れた言葉に、セージは瞬いて――――――すぐに顔を引き締める。兄であれば、このぐらいの言葉で動揺したりはしない。
 自分の兄ならば、女神からの否定の言葉にも動じることなく、のらりくらりと応えるはずだ。

「……そうやって構えている時点で、自分はハクレイじゃない、って白状しているようなものですよ」

 クスクスと可憐な声音で笑う女神に、ハクレイ――の着物を着たセージ――は苦笑いを浮かべた。
 これ以上はつくろい様もない。
 どうやら、本当に無駄な抵抗だったらしい。

「参考までにお聞きしたいのですが……いつから私が兄ではないと?」

「そうね……」

 戦女神などと勇ましい名を冠する乙女ではあるが、精練された美しさを持つ女性でもある。
 形の良い唇に指をあてて小首を傾げる仕草などは小鳥のように愛らしく、男であれば誰でも胸に早鐘が鳴ることだろう。セージもその例に漏れず、かすかに頬が上気するのを自覚した。

「やっぱり、最初から……かしら?」

「最初から?」

「ええ、最初から」

 そう言って、女神は艶やかに微笑む。

「確かに姿形は似ているのだけど、貴方達双子は……よく見ると全然似ていないのよ」

「それは……いったい、どう言う……?」

 女神からの意外な指摘に瞬く。
 これまで「おまえたち双子はそっくりだ」と兄と一括りに数えられ、兄の仕出かした悪戯の後始末に駆り出されて来た身としては、実に興味深い。

「まず、歩き方が違います。ハクレイは……ゆったりと、あちこちを余所見しながら歩くけど、セージは目的地に向かって真っ直ぐキビキビと歩くわ」

 微笑みながらの女神からの指摘に、セージは驚いて自分の足元を見下ろす。
 歩き方など意識した事もなかったが、そんなにも兄と違いがあったのだろうか。
 そうと知っていれば、兄を意識してゆっくりと歩いたのだが――――――と、一つ気がついた。そう言えば、兄と共に行動をする時は、いつも兄に「歩くのが遅い」と文句を言っていた気がしないでもない。

「歩く姿勢も違うわね。二人とも姿勢は良いのだけど……セージの方がピッと背筋が伸びている印象があるの」

 これも言われるまで気がつかなかった。
 同じ顔をして、同じ背丈をしているのだから、姿勢に違いがあるだなんて思いつきもしない。

「声の高さにも性格が出ているのかしら? セージの方が少し高くて、まるで冬の湖の水面のよう。シンっと胸に入ってくるのだけど、ハクレイの声は違うわ。彼の声はじんわりと心に広がってくるの」

 これはさすがに意識して兄の口調を真似てみていたのだが。
 女神には声音ですでに見分けられていたらしい。
 顔の同じ双子の兄弟を他ならぬ敬愛する女神から見分けてもらえ、喜ぶべきなのかもしれないが、こうも粗を指摘されてしまっては少々決まりが悪い。「入れ替わり」等、朝早くにやってきた兄からの突然の提案であって、元々気乗りのしない物ではあったが。

「後は……」

「まだあるのですか?」

 そう肩を落としながら聞き返す。
 空しさを多分に含んだ言葉に、女神はあいも変わらず麗しい微笑みを浮かべたまま答えた。

「ええ」

 恐れ多くも女神に懸想する兄が見れば感激に咽び泣くであろう微笑みではあったが、今のセージにはただただ空しい。
 気の進まぬ兄の悪戯に付き合った結果がこれかと、すぐにでも巨蟹宮に戻って着替えたいのだが、女神の話が終わらぬ以上、セージからはこの場から逃げ出すことはできない。
 ということは、ひたすらに悪戯が露見した羞恥に震えながら無垢に微笑む女神に付き合わなければならない。この居た堪れなさを、自分の兄が少しでも理解してくれるのならば、恥も掻き甲斐があるという物だが――――――兄の辞書に「恥をかく」という単語はない。おそらく。否、絶対に。

「――――――アテナ様」

 ふいに背後から聞こえてきた声に、セージは反射的に振り返って膝をつく。
 いつの間にか背後には、至高の冠を頂く教皇が立っていた。

「セージを苛めるのはそのあたりで……」

「あら、だって……セージったら何でも深刻に受け止めて楽しいんですもの」

 神と人間。
 聖域に住む人間の最上位にいる教皇とはいえ、立場の違いを考えれば当然神の存在が上位となる。
 事実、教皇は女神に仕える人間の一人ではあるのだが……人の姿を借り、最初は赤子として地上に現れる女神は聖域で育てられ、その過程で教皇は養父の役割も果たす。結果として擬似的な父子関係が築かれる女神と教皇の間には、多少の親しみが生まれる。
 今でこそ大人の女性そのものに成長した女神ではあるが、教皇の前では幼子のように――――――小さく舌を出した。

「……でも、そうね。セージばかり苛めたら可哀想だわ。続きはハクレイが戻ってきてからにしましょう」

 教皇に促されながら顔を上げ、セージはそこでようやく気がついた。
 そういえば、事の発端である兄はどこに姿を消したのだろう?
 そもそも、兄は何を企んで自分の聖衣を剥ぎ取っていったのだろう? と。

「ハクレイならば、蟹座の黄金聖衣をまとって異様に意気揚々と歩いておったから、適当な任務を押し付けてやったぞ。今頃は地球の裏側におるはずだ」

「いつものハクレイなら面倒だって逃げ出すけど、セージの姿をしていたら断れないものね」

 うふふ、と顔を合わせて笑いあう似たもの親子(仮)に、セージは兄が気づかれていると知らずに仕事を押し付けられたのだと確信する。それがほんの少しだけ気の毒ではあったが、元はと言えば兄の言い出したことなので気にしないことにした。教皇は「地球の裏側」等と言ってはいるが、聖闘士にとっては大した距離ではない。ましてや兄は、黄金聖闘士になれる力を持ちながら、その資格を弟に押し付け、格下の白銀聖衣を選んだ男だ。黄金並みの力があるのだから、セージが下手な心配をする必要もない。

「そうそう、セージ。最後に一つだけ」

 ひとしきり教皇と笑いあった後、女神はとっておきの秘密を教えてあげる、と今日一番の麗しい微笑みを浮かべてセージを見つめた。

「ハクレイなら、貴方との違いを全部挙げて指摘しても、シラをきり通すわ」

 そのぐらいの図々しさがなければハクレイの真似なんて無理よ、と微笑む女神に、セージは生まれて初めて無礼を働いた。
 
 
 
 脱兎の如く、麗しの女神の眼前から逃げ出すという無礼を。

叶わない恋に10のお題

先代×若双子



● 恋の自覚=失恋の瞬間

 胸中の想いが恋であると自覚した時、二人の恋は終わっていた。
 二人――――――といっても、この場合の二人は男女ではなく、双子の兄弟だ。
 兄弟で同じ女性に恋をし、同時に失恋した。

 別に、恋しい想いをぶつけたわけではない。
 女性に他に好いた相手がいたわけでもない。

 ただ、恋した女性がただの女ではなく、女神であった。
 それだけのことだった。

 一生乙女でいることを誓ったとして名の知れた処女神アテナ。
 かの女神は如何に美しくとも、男を奮い立たせる二つの果実を持っていようとも、そのくびれた腰に男の手が触れることを決して許さない。
 すなわち、女神に恋をする事自体が失恋に直結していた。

 女神への想いは決して叶わない。
 たとえ女神自身が自分達のどちらかに恋をしようとも、女神自身が立てた誓いによってその想いが成就することはない。

 なまじ、女神が美しい女性の姿をしているために。
 または、彼らが年頃の青少年であるがために。

 女神の聖域には純潔な想いが次々に生まれ、次の瞬間には水泡のように失われて行った。


配布元:Abandon
たまに思い出したように消化。

先代×若老双子は妄想していてたのしい。
むしろ、妄想が膨らむ。

妄想散文2

妄想散文。
まとまりがなくて、今日は気がそぞろなんだろうな。
色々関係のないことしてるし。



【似姿】

『セージよ、今日一日わしになれ!』

 珍しくも朝早くから巨蟹宮に顔を出したかと思えば、理由のわからぬ注文を突きつけて弟の纏った黄金聖衣を剥ぎ取って行った兄に眉を顰める。
 聖衣の代わりにと置いていかれた兄の着物に袖を通して姿見を覗き込めば、そこには兄の姿が映っていた。――――――違いがあるとすれば、髪を纏めていないぐらいだろうか。
 何か少しでも差異は見つけられぬものかと姿見を睨んでみたが、無駄な徒労に終わる。
 無理はない。
 自分と兄は双子なのだから。
 顔つきはもちろん、体格まで同じだ。

(兄上になれ、と言われても……)

 いっそ奔放といっても間違いではない、自分と真逆な性質をした兄を思い、途方にくれる。
 「なれ」という事は、衣服を取り替えるだけではなく、「らしく」振舞わねばならないのだろう。
 普段の兄の行いを思い起こせば――――――

(……無理だ。兄上の真似など、私には絶対にできない)

 少なくとも自分には女神の別邸に忍び込んで茶を楽しんだり、教皇のマスクに蛙を忍ばせたり、侍女の私室に入り込んで女装したり、そのままの姿で仲間の聖闘士を篭絡したりなんて、とてもではないが真似できない。
 良く言えば豪胆。
 悪く言えばただの傍若無人。
 兄には「おまえは気が小さいのだ」等と馬鹿にされることもあるが、兄の場合はそういう次元をとっくの昔に超えている。
 兄と自分が似ているのは、外見ぐらいの物だ。

(いっそ、顔に傷でも付けてみようか……)

 髪を掻き揚げたことでますます兄の姿になっていく姿見の中の自分に、セージはそっとため息を吐く。
 顔に自ら傷をつける等と、五体満足な体に産んでくれた母を思えば申し訳なくて出来ない。
 それでは髭でも生やしてみようかとも思うのだが、聖闘士が仕える女神が乙女であることを思えば、不快感を煽るであろう髭は避けたい。
 結果として、兄と自分との差は髪を纏めているか、降ろしているか程度のものでしかなかった。

(兄の眉間に皺は……ないか)

 奔放な兄に振り回され、自分にはいつしか眉間に皺を寄せる癖がついてしまっている。
 今日何度目かのため息を吐きながら、指の腹で眉間の皺を伸ばす。
 奔放すぎる兄を問題だとは思うが、なによりも一番問題なのはそんな兄に振り回されることを良しとする自分にあると――――――セージは知っていた。