先代×若双子
● 恋の自覚=失恋の瞬間
胸中の想いが恋であると自覚した時、二人の恋は終わっていた。
二人――――――といっても、この場合の二人は男女ではなく、双子の兄弟だ。
兄弟で同じ女性に恋をし、同時に失恋した。
別に、恋しい想いをぶつけたわけではない。
女性に他に好いた相手がいたわけでもない。
ただ、恋した女性がただの女ではなく、女神であった。
それだけのことだった。
一生乙女でいることを誓ったとして名の知れた処女神アテナ。
かの女神は如何に美しくとも、男を奮い立たせる二つの果実を持っていようとも、そのくびれた腰に男の手が触れることを決して許さない。
すなわち、女神に恋をする事自体が失恋に直結していた。
女神への想いは決して叶わない。
たとえ女神自身が自分達のどちらかに恋をしようとも、女神自身が立てた誓いによってその想いが成就することはない。
なまじ、女神が美しい女性の姿をしているために。
または、彼らが年頃の青少年であるがために。
女神の聖域には純潔な想いが次々に生まれ、次の瞬間には水泡のように失われて行った。
配布元:Abandon
たまに思い出したように消化。
先代×若老双子は妄想していてたのしい。
むしろ、妄想が膨らむ。