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妄想散文2

妄想散文。
まとまりがなくて、今日は気がそぞろなんだろうな。
色々関係のないことしてるし。



【似姿】

『セージよ、今日一日わしになれ!』

 珍しくも朝早くから巨蟹宮に顔を出したかと思えば、理由のわからぬ注文を突きつけて弟の纏った黄金聖衣を剥ぎ取って行った兄に眉を顰める。
 聖衣の代わりにと置いていかれた兄の着物に袖を通して姿見を覗き込めば、そこには兄の姿が映っていた。――――――違いがあるとすれば、髪を纏めていないぐらいだろうか。
 何か少しでも差異は見つけられぬものかと姿見を睨んでみたが、無駄な徒労に終わる。
 無理はない。
 自分と兄は双子なのだから。
 顔つきはもちろん、体格まで同じだ。

(兄上になれ、と言われても……)

 いっそ奔放といっても間違いではない、自分と真逆な性質をした兄を思い、途方にくれる。
 「なれ」という事は、衣服を取り替えるだけではなく、「らしく」振舞わねばならないのだろう。
 普段の兄の行いを思い起こせば――――――

(……無理だ。兄上の真似など、私には絶対にできない)

 少なくとも自分には女神の別邸に忍び込んで茶を楽しんだり、教皇のマスクに蛙を忍ばせたり、侍女の私室に入り込んで女装したり、そのままの姿で仲間の聖闘士を篭絡したりなんて、とてもではないが真似できない。
 良く言えば豪胆。
 悪く言えばただの傍若無人。
 兄には「おまえは気が小さいのだ」等と馬鹿にされることもあるが、兄の場合はそういう次元をとっくの昔に超えている。
 兄と自分が似ているのは、外見ぐらいの物だ。

(いっそ、顔に傷でも付けてみようか……)

 髪を掻き揚げたことでますます兄の姿になっていく姿見の中の自分に、セージはそっとため息を吐く。
 顔に自ら傷をつける等と、五体満足な体に産んでくれた母を思えば申し訳なくて出来ない。
 それでは髭でも生やしてみようかとも思うのだが、聖闘士が仕える女神が乙女であることを思えば、不快感を煽るであろう髭は避けたい。
 結果として、兄と自分との差は髪を纏めているか、降ろしているか程度のものでしかなかった。

(兄の眉間に皺は……ないか)

 奔放な兄に振り回され、自分にはいつしか眉間に皺を寄せる癖がついてしまっている。
 今日何度目かのため息を吐きながら、指の腹で眉間の皺を伸ばす。
 奔放すぎる兄を問題だとは思うが、なによりも一番問題なのはそんな兄に振り回されることを良しとする自分にあると――――――セージは知っていた。

LC6話。

アニメで見て思ったんだけど……クリムゾンうんたら。
血を霧状にして散布、針の形状にして敵に攻撃するとかなんとか。
霧状にした血で自分の周囲から敵の周囲まで囲める=ある程度操作できる、と受け取る。

それって、無理して針状にしてチクチク攻撃しなくても、馬鹿笑いしてるミーノスさんの舌先にでも血の霧を発生させたら戦闘終わらないか?

……とか思いついたら、むなしい30分間だった、昨日のLC。
あと、アガシャが可愛くて、アガシャが可愛くて……どんなにアルバフィカが美人でも、アガシャ可愛いとしか感想がでてこない(アホ)

毒の遣い方はニオベの方が上手いんだろうか。
あっちの毒は皮膚からも入るらしいし。
アルバフィカは触るな言うだけで、毒の血は直接相手の身体に打ち込んでるし。

そいえば、冥闘士に自動的に飛んでくトラップついた白薔薇。
あれ、冥闘士以外があの辺りうろついていたらどうするつもりだったんだろう、アルバフィカ。
結構適当にシュパシュパ飛んでたし、外れて岩場に刺さってる白薔薇もあった。
ルゴニス先生に怒られそうな適当さ加減……

でも、アルバフィカ。
たしか蟹外伝で聖衣の箱適当にラッピングしてたし……先生が見張っていた時は精密に狙いつけてたけど、死んでからは見張りの目がないぜ、イエイ! と適当になったんだろうか。
ちょっとアルバフィカの私室を覗いてみたい。
脱ぎっぱなしのパンツが床に落ちていたり、3年もののご飯が炊飯器に入っていたり、汁の入ったカップ麺の空が何個も重ねて床に放置してあったり……

そんな間違った方向に男らしいアルバフィカでも、私は全然オッケーです。
美人なのに大雑把。
最高だ。

そしてやっぱり可愛いアガシャ。
モブキャラなはずなのに、なんであんなに可愛いんだ。

自室では白いランニングシャツ+白と青の縦じまトランクスで寛ぐアルバフィカとか想像した。
脛にはもちろんすね毛。
四畳半のボロアパートに住んでて、訪ねていくと胸をポリポリと掻きながら……

――――――私はアルバフィカをなんだと思っているんだろう(笑)

■剥離絵
ハクレイと打とうとして、つい打っちゃう『剥離絵』
結構な剥離絵率です。
老双子ゲーなんて、最後の方はかなりの確率で打ち間違ってたし。

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妄想散文

妄想散文。
まとまりのないハクレイSS。

妄想散文



【仮面】

 黄金のマスクを頭上に頂く男を、遠く眺めることは何度もあった。
 聖域においては女神に継ぐ地位にある男は、その地位に驕る事もなく、日々を仕事に忙殺されながら聖域中を移動していた。
 聖闘士候補生の訓練所へも頻繁に姿を見せる男に、出迎える者達は一様に膝をつく。――自分もその中の、ほんの一人に過ぎなかった。
 自分が彼に最も身近く言葉をかけられたのは、聖闘士の資格を得た時だった。
 寿ぎの言葉を恭しく頂くその時ですら、まだ歳若い自分は顔を上げることはできなかった。
 ただ彼の法衣の裾を見つめ、彼と女神の聖闘士になれたことが誇らしかった。
 
 
 
 主の居ない空のマスクを見つめ、小首を傾げる。
 このマスクは、こんなにも軽い物だったのだろうか。

 かつての主の頭上にあった頃は、見上げることすら不敬に感じた。
 弟が継いでからは、兄弟を別つ絶対の壁となった。

「……このマスクはいかんな、顔が見えん」

 実質、聖戦を生き残った者が継ぐ高き身位。
 青少年が大半を占める聖闘士の中から生まれるために、どうしても新たに生まれた教皇は為政者としては若輩になる。そのため、若輩者よと侮られぬために目深く作られているのか、相手に表情を読み取らせぬための仮面であったのか。

「何年ぶりじゃったかな、おまえと顔を合わせたのは」

 久方ぶりの手合わせでもあった。
 ついに聖戦が始まったと聖域を訪れた際に手を合わせ、拳をもって無理矢理マスクを外させた。
 何年ぶりかでマスクの下から現れた弟の顔は、自分と寸分変わらぬ顔つきをしていた。多少皺が増えた気がしたのは、おそらくお互い様であろう。

「先に逝くとは、兄不幸な奴め……」

 以前は触れることすら恐れ多いと感じたマスクを、手の中で玩ぶ。
 絶大な権力と責任を象徴するマスクは、手にしてみれば驚くほどに軽い。黄金の輝きを持ってこそいるが、これは金塊ではできていない。聖闘士を統べる教皇とはいえ、所詮は聖闘士だ。まとうマスクも金塊などではなく、黄金に輝く聖衣と同じ材質でできている。

「それとも、これはおまえなりの意趣返しか? 黄金聖衣を押し付け、教皇の位を押し付け、ジャミールで清々と羽を伸ばしておったわしへの……」

 人によっては道を踏み外すほどの魅力をもった教皇の位。
 それがとうとう自分の目の前に転がり込んできた。
 以前にも一度転がってきたが、その時は隣にいた弟に押し付けて逃げ出すことができた。

 ――――――今はもう、その責任を押し付けられる弟は隣に居ない。

「なあ、セージよ」

 自嘲気味に微笑みながら、空のマスクに話しかける。

「わしらはもう十分に生きた」

 人の寿命という常識から考えれば、十分どころか3回は人生をやり直してもお釣りが来るほどの長い時間を生きてきた。

「じゃから、良いよな? このマスクはほんの一時預かるだけじゃ」

 この聖戦の後、新しく生まれ変わる聖域を導くのは老いた自分ではない。
 復興へ向けての手伝いぐらいはしてやっても良かったが、それは弟が生きていた場合だけだ。
 弟が生を全うし、宿願を果たしのたのならば――――――

体験版アンケート終了しました。

沢山の回答ありがとうございました。

ところで、別館からの拍手にはどこで答えようかと考えて放置してましたけが……結局ここでお返事しようかと思います。