undercords


2010/11/30/(Tue)09:53 
※ほとんど一発書き日記で九弁小話2・8話目

[8/22 01:30am ]

 段々周囲の人数が減ってきた。
 当然のように、店内の音数は減ってきて、なんとなく、九郎と弁慶の口数も減っていった。沈黙はそのまま眠気へと変わってゆく。現に、頬杖ついた弁慶の頭が、がくり、がくり、と、揺れ始めた。
「もう白旗をあげるのか、早いな」
 しかし九郎がそう言うなり、弁慶はぱちり、と目を開いて、
「寝てないです」
と、まるで今までのも演技です、みたいな顔で言うから、九郎は少し苦い顔をした。矢先、弁慶の表情が一転、
綺麗な笑顔がぐにゃりと崩れ、
「いや、眠いです。後は君に任せます九郎」
と、開き直って目を閉じてしまったので九郎は慌てた。
「待て寝るな!」
 弁慶は面倒ですという顔で薄く目を開ける。それは睨むように九郎を見ていたけど、次第に口元が緩んでいく。
「一人は不安ですか?」
 言われた九郎は髪を揺らして、
「不安なわけある……っ……」
反論するも、言葉に詰まった。
「不安なんだ」
「うっうるさい!!」
 挙句、(一応声を押さえて)叫んでみても、まったくその通りで一切の説得力もなかったので、九郎は諦めて、素直に自らの弱さを認めることにした。
 ちらり、と弁慶を見ると、彼ももう眠そうな態度は出していない。付き合ってくれることにしたらしい。とはいえ、共に起き抜こう、と言ったのは弁慶だったような気がしたけど。
「沈黙が悪いんだと俺は思う」
「そうですね」
 だから、なにか話をすればいいんだ。と、分かっていても、普段あんなに意味のない言葉を散々にかわしている弁慶相手だとしても、いざこう、なにか話せ、と言われると、九郎は言葉に詰まった。
 弁慶から話題を振ってくれてもいいのに、と思ったが、弁慶はまたさっきみたいな期待した目で九郎を見ている。ぐむむむ、と、九郎は困って、だけど、はたとひらめいた。
 そうか、弁慶の好きなものの話をすればいいのか。
「よし、じゃあ鳥の話だ弁慶」
 意気揚々と九郎は告げる。でも弁慶は何故か首をかしげた。
「鳥? どうして?」
 不思議そうな彼に、九郎の方が疑問を抱く。
「何故、って、絵に描くくらい好きなんだろ?」
「絵? 誰が、いつそんなものを?」
「え、さっきお前ポテトで書いてたじゃないか」
 九郎は素直に答えた。すると弁慶が絶句した。
「……!!」
「違うのか?」
 絶句して、なんだか心なしか、笑顔が深まった気がした。
「違います」
「え、じゃあなんて」
「あれは、好き、と文字で書いたんです!」
「!?」
 弁慶はすっかり怒り心頭だった。が、え、そうだったか?そんなこと書いてあったか!? 九郎は必死で記憶を探る。好きなんて文字に、見えたとは、思えなかった気しか九郎にはしない。そもそも弁慶はさっきまであんなにご機嫌だったじゃないか、まるで九郎が正解したかというとおり!
「九郎なんて知らないです僕寝ます」
「待て! っていうか、お前の字が下手すぎるから悪いんだろう!」
「……! おやすみなさい」
「だから待てと言っている!!」
 九郎には分からなかった、けれど今ここで弁慶に寝られてしまうのは避けたいのははっきりと分かっていた。九郎は必死で顔を伏せてしまった弁慶を揺さぶった。



鳥のこと拾ってもらったのになんかこんなオチですごくすみませんっていうか!!(私信)
あと記憶が曖昧なんですが弁慶の噂に怒る九郎のイベントはくろたん怒ってくれるんだ!!っていう喜びと同じくらいその時の弁慶のコメントが、正確には九郎への態度に地味ににやっとした記憶があやふやにある おまえ怒ってくれた九郎にそれかよっていう(私信)
普段九郎のことぞんざいに扱うくせに結局過保護な弁慶が好きです

拍手押してくださった方もありがとうございます。
また楽しく読んでいただければ嬉しいです、というには今日の分はほんとに寝ぼけた文章で申しわけないです


あ、あと明日から日記の更新時間がちょっと遅くなると思います。冬なんで。

2010/11/29/(Mon)07:05 
朝寝坊連発しまくって日記が見事に分断中ですが
九郎が噂聞いて街の人に怒るイベントは弁慶ルートの6章だよって前におしえてもらって覚えてたから書きおきしてみる

今行ってるお手伝いの第一段階(肉体労働)が終わって今第二段階(事務労働)なんですが、一段目と違って今は完全に自分のペースで納期まで、って感じの作業なので、先週気がぬけちゃってのんびりしすぎたらかなりギリギリっぽくて冷や汗をかいている…見積もりが甘いのはいつものことです

2010/11/26/(Fri)05:44 
※ほとんど一発書き日記で九弁小話2・7話目

[8/22 00:50am ]

 しっかりと食事を食べたところで、九郎も弁慶も、なんだかほっとして気が抜けてしまった。でも多分、これからがいっそ本番。
「飲み物を持ってくる」
「行ってらっしゃい」
 立ちあがって、ここからは結構遠いドリンクバーコーナーへ向かって行った九郎を眺めながら、弁慶は、息を吐いた。
 正直ちょっと飽きていた。
 九郎と一緒なのは楽しいけれど、なんかこう、もうちょっと……言うなれば、暇すぎた。僕はやはり平穏な日々に浮いてしまうのかもしれない、そんなことを思いながら惰性で、目の前に残っているポテトをつまんだ。二人して夜食を頼んでしまったから、それはまだまだどっさり残っていた。
 それを見て、ふとひらめいた。
 弁慶は九郎の方を見やる。彼はどうやら迷っているらしく、未だにきょろきょろと、せわしなく動いている頭が見えた。今のうちかもしれない。
 弁慶はにこり、と笑ってポテトに手を伸ばす。本人は気付くこともないが、それはそれは楽しそうな顔だった。いつだかヒノエに「企んでる時の顔」を言われたそれだった。

 九郎がカプチーノ片手に戻ってくると、弁慶がなにやらご機嫌だった。さっきまでうっすらとぼんやりしていたのに。
「? 俺がいない間に何かあったのか?」
「いいえ何も」
 弁慶は即答するが、それが嘘なのはいくら九郎でも分かる。一体何が、と、見回す…間でもなく理由が分かった。
「???」
 ポテトが、不思議なことになっていた。大半は机の上に(おそらく弁慶が敷いた)紙の上に移動されている。そして残りは皿の上で、多分、なにやら絵を描いている。
 ちらり、と弁慶を見ると、彼はなおもにこにこと笑っていた。どうやらこの絵について、九郎は感想を述べなければならないらしい。が。
「……何が書いてあるのか分からん」
 というのが正直な感想だったので、述べた。だがそれでは許されないらしい。弁慶は更ににこにこと笑って九郎を促している。そんな目で見られても分からんもんは分からん!と言いたくなった、が、この程度のことで短気を起こしては、明日の朝まで九郎は短気すぎですあれくらいのことで騒ぎたてるなんて信じられませんと散々に小言なのか愚痴なのかそもそもどこまで本気で怒っているのかよく分からないことを言われて最終的に、全然関係ない約束を、例えば本屋に行くのに付き合えとか部屋の片づけをしてくれとか、いくら弁慶の頼みとはいえあまり歓迎したくない約束を取り付けられてしまうので、なにより、ここで喧嘩などしたら本当に、さっき見上げていた花火までもが褪せてしまうような気がして九郎はぐっと堪えて、仕方なく、一生懸命にそれを解読することにした。
 ポテトで描かれたそれは、なにやら左側にとがったものがあって、その横がなんとなくまるく、右側には横向きにポテトが数本、一部縦にも線が入って十字に並べられている。
 全く分からない。
 ので、九郎は視点を変えて、弁慶がここに書きそうな物を考えてみることにした。
 たとえば、好きなものとか……本とか、情報、薬……そこまで考えて、ひらめいた。
「あ!」
「分かってくれましたか?」
「ああ!」
 そうか、これは鳥だ。鳥の絵だ。左側のとがったところがくちばしで、右側の横向きのポテトが、翼だ。多少不格好だが、ポテトを特にちぎったりしないで書いた絵だし、なにより弁慶は元々お世辞にも絵が達者とは言えなかったから、これでも十分すぎるくらいだと思った。
「お前は、本当に好きなんだな」
「ええ、そうですよ、九郎」
 弁慶はいくらか可憐に微笑んだ。そんな姿に、なんだか睦言をかわしているような気分になって少し照れながら、しばらく見つめあってしまった。

2010/11/25/(Thu)07:43 
 友達に3年くらい前に書いた話見たいんだけど〜って言われて古いファイルを探してたんだけど、私オタク歴は長い割にBL書き歴が結構短くて、んで丁度探してたファイルのジャンルが、BLに向き合うの初挑戦状態だったから、なんか、もう、読み返せないにもほどがあった。ちょっとでもいちゃっとした途端動転せざるを得なかったよはずかしい〜!!! 幸いなことに、BL度の薄い話とか、薄い部分は案外冷静に読む…までは時間がないからしてないんだけど、目を通せる感じではあった。ふう。
 文体が違ってて面白かったです。私すぐ読んでる本の影響受けるんです。一般の小節とかだと、面白がって敢えて影響受けっぱなしで書いてみたりもするものの、二次でそれやっちゃだめでしょ、って思ってはいるんだけど、当時の文章その友達の文章の影響受けすぎで驚く。ああでも、友達の文章がかっこよかったので、つられた私の当時の文章もちょっと硬くて、またこういう風に書きたいなと憧れた。って他にこの長文で語れる場所がないのでここで書いてみる。
 しかし、当時の文章、なによりあとがきが痛々しい…痛いよ!若気の至りすぎる。いや今も痛い人だと思うんだけど、その私が見て怯えるんだからきっと余程だよ。書いてたジャンルやカプに悪意は全くないし勿論好きなわけだけど、そういう関係ないところの痛々しさが突き刺さりすぎるからそっと蓋を閉じてしまいたくなる、そんなふたつ前のジャンル(3、4年前)。
 で、ファイル探してる過程で、そういえば私そのジャンルで罪とかなんとか書いてたなーとかふと思い出した
 その前のジャンルでもなんか罪とか言ってる人いたなー書いてたなーってこれはこの前ふとCさんの話眺めてて思いだした
 そもそもサイト作ってみたい!って思った最初のジャンルからして、多分3本目くらいの話で既に罪がどうのって言ってる話書いてた
 そうか私は罪萌えだったのか、ってえええーなんかそんなのやだ……


遅くなりましたが拍手のお返事です
(返信不要でいただいていたんで、お言葉に甘えてさらっと返信にさせていただいちゃいました)
22日の朝の方
読みの甘い九郎可愛いですよね! 10年たってもこれじゃあ先が思いやられます(笑) あでも、いただいたコメント拝見して、もしかしたら九郎はもうそういうのどうでもよくなってると可愛いな、と思いました。好物食べられちゃって表面上は悔しいんだけど、でも心の奥底では弁慶可愛いからいいかって思っちゃってる部分があって、本人それに気付いてないんだけど、結果として弁慶相手ならあんまり読みあいとかしなくてもいいかな、みたいな九郎可愛い! ってつい思っちゃった……んですが、実際文章にしてみたら、なんだかそれは御曹司殿に夢を見すぎだろう、とか、若干我に返ってしまったりしたんですが(すみません)なんにせよ、九郎可愛いですよね! 楽しんでもらえたなら嬉しいです。コメント拝見して私も一日頑張れました、ありがとうございます!


22日の夜の某さん
ちっちがうよ! 弁慶さん食べ物のことになると生き生きしてるんじゃないよ! 九郎のリアクション見て楽しむことに全力な訳で、けして天ぷらを食べる事に一生懸命なわけじゃないし、ましてやそんな私が食い意地が張ってるとかそんな……うっ……なんでバレたんだろう……君はいけない人ですね!
食べ物の事になると生き生きしちゃう私が、くだらないことで言い合う(張り合う)五条可愛いよね大好き!!って思って書くと、つい食べ物ネタになっちゃうみたいです。昔のことも覚えていてくださってありがとうございました。続きもご期待に沿える…とは思えないんですけど頑張ります。ありがとうございます!


拍手もありがとうございます!