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エロ10のお題

いつぞや始めた10のお題を久しぶりに消化。
ドラゴンフォースのエリーヌ陵辱です。
夢でないという意味では普通ですが、普通に男性向けですので、苦手な人はご注意。



● 痛みに耐えるけど、快楽には耐えられない

 誰も教えてはくれなかった。

 エリーヌはまだ少女と呼ばれる年齢でありながら、王宮直属の精霊使いとして登城を許され、行軍にも参加している。
 当然、戦場に出る一人の兵として、近接武器を扱う戦闘訓練や、万が一捕虜となった場合の心得も身につけていた。とはいえ、もとより精霊使いとして軍に参加するエリーヌの細腕では、近接武器など満足には扱えなかったが。
 それでも――――――

 捕虜として捕まった際には、どんな拷問にも眉一つ動かさない訓練を施されていた。

 施されていたはずだった。

 否。
 確かにエリーヌは痛苦に対しては眉一つ動かしてはいない。

 今現在エリーヌの白い身体を苛んでいるものは痛苦ではなく――――――
 
 
 
「……はぁっ、ふぅ……」

 薔薇色の小さな唇から、隠し切れない甘い吐息が洩れた。
 下腹部から這い上がってくる甘い痺れから逃れようと、エリーヌが身を捻る――――――と捻られた事で体内へと突きたてられていたモノが角度を変え、さらなる甘いうずきとなってエリーヌを苛む。

 エリーヌの身体が苦痛を感じたのは最初だけだった。

 純潔を散らされ、媚薬を塗りこまれ、潤滑油をたらされ、菊座を弄られているうちに、エリーヌの身体は本人の意思には逆らい、すっかり陵辱を受け入れてしまっていた。
 粘着性のある下腹部から響く水音と、その音にあわせて突き上げてくる快楽。
 侵略者の支配を受けいれ、従順に蜜をたらす己の身体に絶望し、エリーヌは翡翠の瞳の涙を浮かべる。

 よもや、幼い頃の初恋が叶うことはないだろうと思ってはいたが。
 まさかこのように、侵略者によって純潔を奪われるとは思ってもいなかった。
 これではもう、祝福の処女として、親の選ぶ相手に嫁ぐこともできない。
 どうにか上手く味方に救い出されたとしても、敗戦の将として陵辱を受けた事は上司と家族に報告され、穢れた女として一生日陰者の人生を過ごすことになるだろう。

(……リリア様……)

 師団長として自分と妹を預かり、同じように捕らえられたはずの女性を思い出し、エリーヌは薄く唇をかんだ。
 女性としての魅力と美貌を黒い修道服に隠したリリアは、エリーヌと同じように侵略者達の獣欲を十二分に刺激したが、ファンダリアの王ゴルダークを後見人にもつとして、手駒として役立つだろうと敵大将の元へと送られた。武将としても、捕虜としても高待遇を約束されたリリアが、エリーヌのように扱われることはない。彼女は純潔の乙女のまま捕虜となり、交渉次第では乙女を守ったまま祖国へと帰還することもできるだろう。
 同じ女性でありながら、後見人の身分から別たれた運命に、エリーヌは筋違いと自覚しながらもリリアを恨んだ。

「はうっ!」

 不意に生臭い剛直を口の中へと詰め込まれ、エリーヌはむせる。

 吐き出すことは許されない。
 歯を立てることもできない。
 ただ侵略者が満足するまで咥内をむさぼられるだけだ。

 故郷であるファンダリアの男とは違う肌の色をした男のうえに跨り、その剛直を花弁に受け入れる。先に出された精と愛液と小水によって男のズボンが汚れていたが、男はそんなことは気にならないとでもいうようにエリーヌの白い胸を揉みしだき、頂のつぼみを指で転がす。エリーヌの背後から覆いかぶされるように菊座に別の剛直を突き立てる男は、空いた手で秘豆を弄り、いやいやと緩く首を振る少女の肩に歯形を付けた。己の順番を待ちきれず、口を使い始めた男は両手でエリーヌの頭部を捕まえ、彼女がむせるのも構わず喉の奥を突く。

 一種の拷問にも似た行為。
 限りなく拷問に近い行為。

 いまだ、乙女であったなら。
 性的絶頂を教え込まれる前のエリーヌであったなら。
 間違いなく、ただの拷問であった行為。

(……誰も、教えてくれなかった……)

 下腹部から登ってくる快楽に逆らう方法を。
 従軍して習ったことは、拷問の痛苦をやり過ごす方法だけだった。

「……ふぐっ!?」

 予告無く口の中に広がった苦味に、エリーヌは眉を寄せる。
 白い糸を引きながら口の中から出る赤黒い剛直を見送り、エリーヌは咥内に出された精を喉の奥へとおしやった。
 躊躇いは、すでにない。
 悲しいことに。

 続いて直腸に熱を感じ、身体の中央にも熱を感じた。
 体内に精を放たれることにも、すでに抵抗はなくなっていた。

 抵抗は男達を更に喜ばせ、獣欲を煽るだけだと、早い段階で学ばされた。

 休む暇なく人を変え、位置を変えて押し寄せる肉欲と快楽に、自我を手放せば楽になれる。そう、頭の片隅で誰かが囁いた。その甘い誘惑の言葉に、一瞬だけエリーヌは従いそうになるが、隣の房から聞こえる妹の嬌声に、自分だけ逃げるわけにはいかないと、自身を奮いたたせる。

「はあぁんっ!」

 新たに花弁へと進入する剛直に、エリーヌは嬌声を上げる。
 エリーヌの身体が無意識にきゅっと剛直を締め付けると、侵略者は下卑た笑みを浮かべた。

 誰でもいいから、助けて欲しい。

 出来れば自軍。
 それも女性武将に。

 一刻も早く、自分をここから救い出して欲しい。

 自らの意思で腰を振り出す前に。
 自尊心をかなぐり捨て、自ら男達に快楽を求め始める前に。

 誰も教えてはくれなかった。
 快楽に逆らう方法など。

 誰も教えてはくれなかった。
 男女のまぐわいが、こんなにも気持ちよいものだとは。

 誰も教えてはくれなかった。


配布元:Abandon

エロのお題は……あと何個埋めたら達成だっけ?
そっちはまた今度確認しておく。
今日はとりあえず公開まで。

とりあえず、愛しのエリーヌに如何わしいことができて楽しかったです。
エリーヌにエロイことをしたいのはこの世で私だけでいい。

エロ10のお題

文字打ちリハビリ中。
お題を借りて、短文に挑戦。
今日はモンハン妄想。
モンハンって二次創作すると名前はどうなんだろう。これって夢小説? とか疑問に思ってみた。

例のごとく、エロなので、苦手な人は注意。
でも年齢制限するほどのこともしてない。


● 無理やり犯し尽くせば

 胸の上に倒れこんできた黒い頭に手を伸ばそうとして、諦める。
 諦める――――――という表現は、正しくはない。
 正しくは、手が伸ばせないのだ。
 胸の上で乱れた息を整えている黒髪の主によって、『旦那さん』の両手の自由は奪われていた。

「――――――おい、『お嫁さん』」

 荒い呼吸を繰り返す『お嫁さん』に、『旦那さん』は呼びかける。
 ピクリと微かに頭を浮かせたが、呼ばれた『お嫁さん』はまたすぐに『旦那さん』の胸に顔を埋めた。
 まず間違いなく、力尽きている。
 元々温室育ちで体力がない上に、住む場所が変わってからは体調を崩しやすくもなっていたので、なお更だろう。
 いつもベッドの上で意地悪をする――『旦那さん』としては可愛がっているつもりだったのだが――仕返しに、今夜は私が意地悪をしますっ! とトラップ用のネットを持ち出して息巻いていたのは良いのだが、夫が妻の体内へと子種を蒔い瞬間、『旦那さん』を咥えこんだまま『お嫁さん』は力尽きた。
 今は大人しくくたりと『旦那さん』の日ごろから鍛え抜かれた熱い胸板へと倒れこみ、呼吸を整えることに懸命になっている。

 ……これでは、仕返しどころではない。
 
 むしろ、夫の上に跨り自ら腰を振るなどという痴態を見せられ、『旦那さん』としては仕返しどころか嬉しい限りだ。
 今は『旦那さん』の胸板の上で押しつぶされている『お嫁さん』の白い膨らみも、先ほどまでは『旦那さん』の上でぷるんぷるんと勢いよく飛び跳ねていた。
 惜しむらくは両腕を拘束されていたため、ソレを思う存分に捏ね繰りまわせなかったことぐらいだろうか。

 今もなお『旦那さん』を咥え込んだままの花弁は子種を一滴たりとも逃すまいと怪しく蠢く。
 波打つ『お嫁さん』の体内に、『旦那さん』の分身は達したばかりだと言うのに硬度を取り戻した。

「お~い、『お嫁さん』?」

 そろそろ拘束を解いて欲しいのだが。
 余力があれば自由になった両手を使って2回戦突入。
 『お嫁さん』の余力がなければ、硬くなったモノを自分でなんとか鎮めたい。
 なにはともあれ、放置されるのが一番辛かった。

「仕返しをして気が済んだなら、そろそろ拘束を解いてくれ」

 でなければ、おまえを可愛がれない。
 自分の上でくたりと全体重をかけてくる『お嫁さん』に、『旦那さん』は腰を突き上げて催促をする。
 
 
 
 
 
 
「……ズルイ。絶対、何かズルイ」

 唇を尖らせてそう拗ねる『お嫁さん』に、『旦那さん』は苦笑を浮かべる。
 結局、両腕の拘束は未だに解かれていない。
 両腕を拘束されたまま呼吸の整った『お嫁さん』を上に乗せ、『旦那さん』は時折腰を突き上げては催促を繰り返した。

 二回戦を希望する、と。

 そして、突き上げられるたびに確かな反応を示しながら、『お嫁さん』は悔しげに眉をひそめる。

「身動きを封じて無理矢理したのに、なんで『旦那さん』はバテないんですか!?
 これって『りょーじょく』ですよね?
 わたし、ちゃんと『りょーじょく』しましたよね!?」

 ムッと眉をひそめて自分を睨む幼顔の『お嫁さん』を、『旦那さん』はネットで絡め取られたままの腕を使って抱き寄せた。

「それで、結局『お嫁さん』は何がしたかったんだ?」

 トラップ用のネットを使って『旦那さん』の身動きを封じてまで。
 そう問われ、『お嫁さん』は素直に答える。

「ですから、日ごろの意地悪の仕返しに、『旦那さん』を『りょーじょく』したかったんです」

 至極真面目な顔をしてそう答える『お嫁さん』の頬に、『旦那さん』はため息交じりに唇を落とした。

「夫婦間での子作りに、『陵辱』は不可能だと思うぞ」

 もちろん、不仲など特殊な事情があれば可能であろうが。
 すくなくとも自分達夫婦の関係は良好であり、お互いにパートナーの意思を無視して子作りを強行する必要はない。

 ……今のところは。

「……夫婦間でなければ可能ということでしょうか?」

「は……?」

 考え込むように口元に手をあて視線を下げ――どこかを見ているわけではない。単純に思考に沈んでいるだけだ――『お嫁さん』は首をかしげた。
 ややあってから何かを思い出したように『旦那さん』の腕の中から抜け出すと、そのまま身体の上からも退いてしまった。――――――当然、『お嫁さん』の中に収まっていたモノも抜け出てしまう。

 天井を向いた『旦那さん』の分身が外気に触れ、ひやりと感じたのは一瞬。
 それを寒いと感じる間は、『旦那さん』には残されていなかった。

「まだ街に住んでいた時に本で読んだんですが……」

 そう言って『お嫁さん』が道具箱から『何か』を取り出す。
 ベッドに戻ってきた『お嫁さん』が手に持っていたものは――――――男性器の形を模した造形物だった。

「『お嫁さん』? それは、いったい……」

 ナニをどうして手に入れたものかは、この際わきへ置いておく。
 最近は調合の真似事に嵌っていたようなので、アイルー達と自作したのだろう。おそらくは。
 そして、この今現在なされている会話の流れで、ソレを持ち出してきたということは――――――

「男性同士で交わる時は、片方の男性のお尻に、もう片方のお柱を突き立てるのだそうです」

 そう可愛らしく微笑みながら、『お嫁さん』は『旦那さん』の菊座に張り型をあてがい――――――
 
 
 
 以下、自粛。


配布元:Abandon
お題としては4番目のタイトル。

あれです。
モンハンはほとんどオリジなるになるので、普通の夢書くより難しい。
そしれ、それと承知で対応してない夢かく時と同じ書き方。
まあ、よし。
リハビリリハビリ。

悲恋夢書きさんに10のお題

文字打ちリハビリ中。
お題を借りて、短文に挑戦。
DFラムダ夢。ラムダ←夢主な感じ。夢主の職業は下働き。


● 覚えられなかった言葉。

 彼の存在はとてもとても大きく。
 自分の存在はとてもとても小さく。

 本当ならば隣に立つこともできない存在で。
 本当ならば声をかけることもできない存在で。

 視界に捕らえられる距離に在る幸せ。
 別の誰かへの言葉をこの耳に拾う幸せ。



「――――――ああ、ええっと……?」

「NoNameです」

 こちらの姿を認めて眉をひそめた男に、NoNameは間をおかず答える。
 実のところ、このやり取りは18回目だ。
 もちろん、知り合ってからの計算になる。
 日に10回以上同じ相手から名前を聞いているのなら、ただの記憶力が残念な人だ。
 彼は違う。そうじゃない。
 彼の記憶力が残念なのではなく、NoNameの存在が悲しいほど彼に印象を残さないだけだ。

 ――――――彼の存在はひと目でNoNameの中に君臨したというのに。

「なにか御用でしょうか」

 ラムダ様、と愛しい男の名前を呼ぶ。
 私はおまえの名前を覚えているぞ、と言外に込めて。
 彼にとっての自分は名前を覚える価値も無い、取るに足らない存在だけど。
 自分にとっての彼は、そうではない。

 眉ををひそめられ、名乗り直すたびにチクリと胸が痛む。

 本当は、眉をひそめられる度に名乗らなければ避けられる苦痛だ。
 それでもNoNameは名乗ることを止めない。
 他の下働きの少女達のように、その他大勢で片付けられたくはなかった。
 想い返されたい等と贅沢は言わないが、せめて名前ぐらいは、と。
 
 
 
 
 
 
 他愛のない用事を申し付けられ、彼に割り当てられた部屋を辞する。
 おそらくは、次に用事を申し付けられる時も彼はNoNameの顔を見て眉をひそめるだろう。
 その仕草にNoNameが勝手に傷つき、また傷つくために名乗り直すのだ。

 ――――――これでいい。

 そう思う。
 胸は確かに痛むが、これでいい。
 他の少女達はすでに彼に名前を覚えられることを諦め、戦線離脱している。
 あとは顔を合わせる度に諦めず名乗り続け、彼の中でNoNameの顔と名前が一致するまで粘るだけだ。
 今のところ名前と顔が一致しないまでも――――――顔だけは覚えられている。
 それだけで他の少女達よりもNoNameの方が一歩リードしていた。

 ――――――これでいい。

 そう思う。
 
 
 
 そして、結局このやり取りは彼が地上から姿を消す日まで続いた。


配布元:Abandon
お題としては9番目のタイトル。

ラムダは悲恋しか浮かばない……。

エロ10のお題

文字打ちリハビリ中。
お題を借りて、短文に挑戦。
DF団長中編トリップ夢のエンディング後の夜はたぶんこんな感じ。

お題の総称を見たとおりエロなので、苦手な人は見ないように。
年齢制限をするほどのことはしてないです。


● 晒す身体、晒される身体

 まな板の上の鯉、という言葉がこれほど似合う光景はないだろう。
 寝台の上で羞恥からきゅっと強く瞳を閉じ頬を薔薇色に染めて震える娘。
 この様子から察するに、おそらくは―――ほぼ確実に―――処女。
 つまり、今だ男を知らぬ乙女が、彼の腕の下で震えていた。

「……手をどけろ」

 服を脱がされ、身を包む布といえば下半身を僅かに隠す小さな下着一枚となった状態で、NoNameは身を縮ませて胸を隠す。
 華奢な身体に実った見事な果実は、NoNameの細腕に押しつぶされて窮屈そうに息づいていた。

「は、恥かしいです……」

 だから隠したままでいたい。
 そう瞳を閉じたまま訴えるNoNameに、イグラシオは苦笑を洩らした。

「これからもっと恥かしいことをするのだがな」

「それは、そうですけど……」

 されるがままに服を脱がされながらも言い淀み、男の視線から胸を隠すことを止めないNoNameの腕にイグラシオはそっと手を伸ばす。

「……あ」

 一瞬の抵抗の後、導かれるままに開かれた両腕から白い双丘が零れ落ちた。
 先の行為によりツンと上を向いた朱鷺色の突起が、白い丘の頂で自己主張している。
 あらわになった双丘をもう一度可愛がりたい気はしたが、それは後で存分に楽しむことにする。
 今は甘いつぼみを貪るよりも、なによりも――――――

 一刻も早く収まるべき処へと、収まるモノを収めたかった。

 胸を隠す手を組み解かれ、手持ち無沙汰になったNoNameの腕は宙を彷徨い、やがてシーツを掴む。何度も落ち着きなくシーツをかき集め、細かく動くことで己の中の羞恥心を誤魔化しているようだった。
 イグラシオが身を包む最後の一枚に手をかけると、羞恥の限界に達したのかNoNameは小さな悲鳴を上げる。

「あ、あの……」

「今更ダメと言っても、聞けないな」

 そもそも、今夜彼女を寝台に横たえるまで、彼がどんなに『こらえて』来たのかを、NoNameに知らしめてやりたい気もする。
 自分がどれだけ彼女に欲望を覚え、それを押さえつけてきたのかを。

「いえ、そうじゃ、なくて……」

 恥じらいながらも薄っすらと目を開き、何事かを訴えようとするNoNameに、イグラシオは己の分身がズボンを突き破らんがごとく張り詰め、硬く充血していくのがわかる。こちらの準備だけならば、すでに完了していた。あとは間違いなく初めてであろうNoNameのため、十二分に進入路を慣らして慣らして解きほぐしてから行為に至りたかったのだが、イグラシオにも我慢の限度がある。早急に分身を取り出して自由にしてやらねば、先走るものでズボンを汚してしまいそうだった。

「……なんだ?」

 手間隙かけて慎重にコトを進めているというのに、これ以上まだ何か要求があるのか、とやや不機嫌気味にイグラシオはNoNameを見下ろす。
 その視線を受けて一瞬だけビクリと震えたNoNameは、恐るおそる口を開いた。
 
「わ、わたしだけ裸なのは、ズルイです……」

「裸?」

 いったい何を言っているのか――――――? と一瞬だけ瞬き、気が付く。
 確かにNoNameの言うように、彼女の肌に触れ、服を脱がせることばかりに夢中になり、自分はまだ上着を着ていた。

 これではズボンの前が窮屈になるのも当然だ。
 
 
 
 
 
 
 強くシーツを握り締めていた手を解き、困惑する。
 手の置き場がわからない。
 かといって、外気に晒されたままの胸を『恥かしい』と隠せば、『もっと恥かしいことをする』とまたからかわれる。

 時間としてはほんの少し。
 NoNameとしては散々悩んだ末、両手をお腹の上で組んだ。

 落ち着かない。

 自分の上に馬乗りになり、上着のボタンを外している男を見上げる。
 一つ、また一つとボタンが外される度あらわになる浅黒く逞しい胸板に、目のやり場に困って視線を下げれば――――――通常では考えられない形にズボンの前が膨らんでいた。
 それが差す意味を悟り、NoNameは頬を上気させて視線を上に移動させる。
 直接的過ぎる膨らみに好奇心が刺激されないわけではないが、偉丈夫のストリップなどそう見れる物ではなかったし、なにより『その一点』を凝視するのもどうかと思った。

 結果として――――――チラチラと視線を上下させるNoNameの上で、イグラシオは上体にまとった服を脱ぐ。
 騎士という職業がらか、大小さまざまな傷跡の残る逞しい身体にNoNameが目を奪われていると、イグラシオは下帯に手を伸ばす。
 しゅるしゅると続いた衣擦れの音を追い、NoNameが視線を下げると――――――
 
 
 
 ひょっこりと異形の『キノコ』が姿を現した。


配布元:Abandon
お題としては3番目のタイトル。

悲恋夢書きさんに10のお題

文字打ちリハビリ中。
お題を借りて、短文に挑戦。
DF団長中編トリップ夢の。
元の世界に帰ること選択した版。


● 分かれる前日の夜。

 長い永い口付けの後。
 イグラシオはNoNameの黒い瞳を捉えて口を開く。

「いいか。私から手を放してやるのはこれ1回っきりだ。
 おまえの人生だ、すべておまえが決めろ。
 おまえが私を選んでここに戻ってきたのなら、二度と手放してはやらんから、覚悟しておけ」

 青い炎を宿した瞳に迷いはない。
 言葉通り、NoNameが『ここ』を選ぶなら、彼の横で一生過ごせるのだろう。
 逆に、NoNameが『元の場所』を選んだとしても、彼はその選択を責めるつもりも否定するつもりもないのだ。

 全てを、NoNameの望むままに。

「……イグラシオさんのソレがプロポーズだってわかる子、そうそういませんよ」

 くすっと笑い声を洩らし、NoNameは頬を緩める。
 潔すぎて脅迫にも聞こえる『プロポーズ』であったが、NoNameにとっては最上の言葉だった。

 ――――――本当は、ほんの少しでも引き止めて欲しかったのだが。

 愛する男に引きとめられたなら、一度きりの機会を逃した『フリ』をして『ここ』に残ることを自分は選択しただろう。
 けれど、彼はそうしなかった。
 おそらくはNoNameの思惑など知っていたであろうに。
 愛で縛りつけて自分の元へ置くことよりも、NoNameを愛する家族の元へ返すことを選んだ。
 元々出会うはずのなかった2人が、元の正常な状態に戻るだけだ。

 ほんの少し―――否、かなり―――の喪失感は埋められないが。
 
 厳しくも優しい男を愛したのは、NoNameなのだから。
 
 
 
 明日の朝、男は騎士として師団を率いて城をでる。
 NoNameはそれについてはいかない。
 ここまで彼を追って従軍してきたが、これからは違う。
 彼の居ない世界へと『帰る』のだ。

 離れた唇が物悲しく、もう一度、と口付けをねだりたくなる。
 が、NoNameは唇を引き締めてイグラシオを見上げた。

 心から愛した男の面影を、目に焼き付けるために。


配布元:Abandon
お題としては3番目のタイトル。

このお題でリハビリ企画(企画だったのか)、普段の書き方と違ってタイトルを見て浮かんだネタをガリガリ打ってるんですが……そのせいか、ぱっと書けるのはDFネタばっかで。
どうせDFネタだらけなら、DFの20題やった方が建設的じゃあ……?
とか思って20題を覗いてみたんだけど、無理だった。
あれ、私が埋めるの無理。
もしくは、文で埋めるの激ムズ。
お題というより単語が主なので、絵なら簡単そうなんですが。

そんなわけで、諦めてみた。