そう、弁慶が不満に思った時だった。
さっきは光らなかった鱗が今度は白く光って、弁慶はまた白の中に放り込まれる。
一体そこがどうなっているのか気になって、眩しさをこらえ垣間見ようともしたけれど、あまりにも白くて結局、また目を閉じてしまった。
光が止み、ゆっくりと瞼をあげれば、今度は京にいた。
「……戻ってきた?」
でもすぐに違うと気がついた。
目の前にある見事な紅葉の葉が少しも赤くなかったのだ。
今までと違って、京にいるのに皆がいなくてひとりきり。
それに、なんとも言えずに不可解な気持ちになった。
とりあえず歩いてみなければはじまらない。
弁慶は腹をくくる。
A 北に行くことにした
B 東に行くことにした
C 南に行くことにした
D 西に行くことにした