東に向かううちに、五条大橋までやってきた。
すると途端、弁慶先生! と彼を慕ってくれる人々に話しかけられた。
薬を持っていないからなにもできない。
なのにそれでもいいと人々か彼の救いを求める。
それは嬉しいことでもあり、辛く悲しいことでもあった。
けれど、どっちにしろ、弁慶もよくわからぬ世界にいる以上、長居はできない。
弁慶は困り顔になりながら、
A また今度来ますから、と、手持ちの薬を手渡しながら断った
B 荒法師時代の自分を思い出して言葉を詰まらせている間にすっかり囲まれてしまった
C なんかもうカモメになって飛んで行きたい