ネタ作り開始後3分、1組目がBOXから飛び出した。
「え〜っと、モネールシリーズ、いきま〜す。・・・まず初めに〜、『飛躍』を歌うモネール。」
俗に言う『一発芸』で、イチかバチか勝負をかけてきたようだ。
アドリブに近いネタは、やはりキレもなくおもしろくはない。
BOXの中の若手たちも、ステージ上のネタを見て呆れたり苦笑いしたりしている。
次に出たコンビが『PK』をネタにしたショートコントを披露すると、BOXの中で慌て始めるコンビが2組。
PKはネタにしやすいため、かぶる可能性が高い。
そういうことも計算に入れてネタを作らないといけないのか。なかなかおもしろい企画だな。
諦めてかぶってしまったネタをそのままやるコンビもあり、また一からネタを作り直すコンビもあり。
『ボビダリ』は・・・まだじっくりネタを練っている。表情には余裕すら窺える。
最後から2組目になってようやくBOXから出てきたボビダリ。
「ボビー&ダーリンのショートコント〜。」
「コイントス。」
なるほど、コイントスとはよく考えた。
テーマの隙間をうまく突いていて、ネタも他のコンビと
かぶっていない。
審判役の村上くんが空にコインを投げ手の甲で受けるゼスチャー。
横から選手役の安岡くんが「表!」と答える。
村上くんが覆い被せていた手をゆっくりと退ける。
「え〜っと・・・和同開珎ってどっちが表?」
「そんなもん使うなよ!」
村上くんのボケに安岡くんがつっこんだ途端、客席からドッと笑いが起こる。
これまでのコンビはスベり気味だったが、彼らのネタはウケている。
俺も初めて彼らのネタを見たが、なかなかにおもしろい。