Fullmoon Lovers (4)〜香澄〜 「さあ、立て」 天使は美奈萌に背を向けると、隅で膝を抱え込み、体を丸める香澄に声をかける。 「……」 香澄は天使の方を見ようとせずに、無言で駄々っ子の様に首を横に振る。 天使は右手を香澄の脇に差し入れ、香澄を立たせる。 まるで香澄は手をだらりとさせたまま、意志のない人形のような様相を見せた。 「お前は望まぬのか、私との交合を」 「当り前よ。あなたはまひるじゃないもの」 視線を下に向けたまま、力なく呟く。 「まひると、か『ねぇ、あたしずっと前からこんなふうにしたかったんだ』」 天使は後ろから抱きしめるように腕を回し、香澄のブラウスのボタンを一つ一つ外していく。 わざと、まひるのしゃべり口調を真似て愛を囁く。 「『本当は期待してたんでしょ、シャンプーの香りがする』」 香澄の長い髪に顔をうずめる。優しい愛情表現。が、次には天使の舌は香澄の首筋を舐めあげ、 耳朶を味わい始める。スカートの裾に右手を入れ無造作に下着をひきずりおろす。 あの夜、かつてまひるであったものは天使に変貌を遂げた。その圧倒的な力の差に抗う術は無 く、三人はその純潔の証をたやすく貫かれ、その体に自堕落な快楽を覚えこまされた。 「こんなの望んでなんか……ん、やだ」 天使の指が秘裂を緩やかになぞる。囁きを添えながら。 「じきに思い出すだろう、あの夜、最後に自分がどれほど愚かになっていたか」 その動きに香澄は呼び覚まされそうになる、自分の中の淫らな生き物を。 「どんなに自分から乱れる事を望んだか」 「だ、駄目、指、入れないで、いや、こんなの」 必死に吐息を漏らすのをこらえながら、香澄が言う。 「嫌なら、何故今ここにお前はいる。逃げもせずに」 「あなたが、逃げるのなら他の者には容赦しないと言っていたから……」 背後から乳房を掴む右手の指先で乳首を弄る。 「お前は頭のいい女だ…気付いているのだろう? 自分自身がついている嘘に」 「嘘、なんて……」 香澄の股間はじきに蜜に溢れ、男の物を膣内に迎え入れる準備がなされる。 たとえ、逞しい天使の物であっても受け入れられる程に入り口は熱く、ほとび。 「おや、違ったか」 このまま入れようとすれば香澄の蜜壷はたやすく奥まで咥えこみ離さないだろう事を天使は 知っていた。 実際、香澄は太腿に当てられた天使の熱い棒を無意識に腰をうごめかし、こすりつけ、自分 のほうに導こうとする。 しかし天使は焦らすように香澄の言葉を間に受けた振りをしてみせる。 「ならばもっと感じさせねばいけないのか」 乳房を揉んでいた両の手がゆっくりと香澄の脇の下をなぞり、腰を撫ぜながら、下に降り 太腿をつかむ。天使が再びまひるの声色を使う。 「『キスするね、香澄の可愛いおまんこに』」 「や……駄目!」 反射的に逃げようとするのを天使が許す筈もなく、香澄の太腿をしっかり掴み――爪が食い 込むほどに強く――顔を香澄の秘所に近づける。 「嘘、そんなの前は……しなかった……」 自分にかかる熱い息に身を震わせ、弱々しい声を洩らす。 「……」 唇が愛液を啜るために吸い付き、舌が更に香澄の秘所を潤ませようと中をえぐっていく。 「あ、う、あ………や、すごい」 快感に力が抜けた香澄は前の壁に手をつく、意識的でないにせよ尻が天使の方に突き出され た形になる。 いくら啜ろうと、溢れ出る蜜はきりがない、いくら達しようと更に快楽を求める淫婦にそれ はたとえられるかもしれない。 「駄目よ、こんなの……こんな」 ぴちゃぴちゃと部屋に響く卑猥な音は香澄を昂ぶらせ、吐く息を荒くさせる。 「頃合いか」 天使は立ち上がると香澄の尻にあてがいながら言う。 「お前もそろそろ味わいたいのだろう、これを…この中に」
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