SNSのキリリクネタです。
>【将臣→譲←景時】
> 譲がどっちに転ぶかはお任せします!
‥‥と言われてました。
で。
書きました!!
決まりません!!(イイ笑顔)
究極の選択一歩手前。
さて皆様、今の気分は、どっち!?
全てが終わって、元の時空に戻れる日がやってきた。
「譲くんは、どうするの?」
景時さんが静かに問う。
そんな瞳で見つめないでください‥‥わかっている癖に。
俺は、貴方の傍を離れる気は。
「聞くまでもねぇだろ。ほら、帰るぞ、譲」
一瞬、思考が停止した。
先輩から何かを言われることは予想してたけど、まさか兄さんが‥‥?
アリエナイ。
俺のことを『世界一』気にかけていない存在。
なんで、今ごろ。
なんで、今さら。
一瞬で干からびて俺の言葉を奪った喉が、不条理な現実を叩きつけてくる。
本当ハ、止メテホシカッタ。
アナタニ、止メテホシカッタ。
これが望み通りの展開だなんて、死んでも認めたくないけど。
俺を止めるのは兄さんじゃなきゃダメだって、心の何処かで決めていた。
先輩に引き止められたら、また大人びた顔をして嘘を付かなきゃならない。俺自身の望みじゃなくて、なにか別のイイワケを探して‥‥大切な人を傷つけなきゃならない。
「俺は俺の都合で、ここに残ると決めたから」
はっきりと言葉を落とす。
兄さん相手なら、本音が言えるって‥‥これは、信頼なんだろうか。
違う。違う。傷つけるのが怖くない相手だからだっ。そんな特別な情なんか抱いてたまるか、ふざけんな。
苦しい。
苦しい。
まだ音に乗せることもない本音に、身を裂かれるような幻覚を見る。
「そんじゃ質問を替えるぜ。‥‥お前、どっちを取るんだ?」
どっちを?
「そうだね、その方が判りやすいよ。このさい時空なんか関係ない。君が帰りたいなら、俺が着いていくしね?‥‥君が俺を望んでくれるなら」
なんだか変な雲行きになってきた。
「そうだな。俺もどっちでもいいぜ?‥‥京が気に入ったなら、無理して戻ることもねぇ。ま、あっちに戻ると色々と面倒だしな。お前と居るには」
いつの間にか追い詰められて、言い訳の一つも許されない展開になる。
「なんで‥‥‥そんな‥‥」
二人が自分の世界を捨てるなんて、おかしすぎる。
俺の為に?
どうして。俺は何も持ってないのに。
「聞くな、バカ。‥‥言わせたいのか?」
「ちょっとちょっと〜、それはないんじゃない? 元はと言えば、信じられないような薄情なオニイチャンを続けてきた君の責任なんだから」
景時さん‥‥。
「お前に何か判るのか?」
「ワカンナイよ〜。だけどね、俺の大事な人をバカ呼ばわりするなんて、ちょっと許せないかな。‥‥‥おいで、譲くん」
差し伸べられた腕は、俺を甘やかすことにばかり達者だ。
いつだって、苦しい時は‥‥俺自身さえ気付かないような心まで、大切に拾い上げて撫でてくれる。
怖いよね。それが正常なんだよ。
麻痺してない。それが譲くんの強さだから、そのままでいい。‥‥そのままでいて?
悪夢に魘されて飛び起きた夜も、子守歌のような低い囁きが眠りを運んでくれた。生まれて初めて、誰かに守られてる気がした。
今思えば、俺の寝返りで起きてしまうほど、景時さんの眠りは浅かったんだって‥‥それほど追い詰められて生きていたんだって、解るのに。
だから。今度こそ。
俺が貴方を守りたいのに。
その優しい引力にフラフラと吸い寄せられた俺を、強い腕が引き寄せる。
「‥‥‥行くな、譲」
絞り出すような気弱な声に、胸の奥が締め付けられる。
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さて、譲はどちらに傾くでしょうか。