そうこうしながら弁慶は陣の中から出て、闇にまぎれてあたりを探る。
その結果、どうやら九郎は少し離れた所で何かに集中しているという噂を耳にした。
向かってみようか、とも少し思ったけれど、そういう時の九郎に話しかけても、大抵まともなやりとりはできない。
やはりそのまま弁慶は森をさまようことにした。
けれど、目の前にふと景時が現れた。
景時は最初、気付いていなかったようで通りすぎた。
けれどすぐに驚いたのだろう、凄い勢いで振り返る。
「あれ、弁慶……?」
幸いなことに、それよりわずかに前に弁慶は木にその身を隠していた。
だからだろう、景時も錯覚だと思ったようで、
「まさかね」
と、肩をすくめて笑っている。
こうしていればそのまま立ち去りそうだが……


弁慶は、

A 景時がいなくなったのを見送りつつ、彼の後ろをついていくことにした
B 景時がいなくなったのを見送った後、彼とは別の方に歩きだした
C 面倒なことにならなければいいけど、と、天を仰いだ