そんなことを思ったところで、また弁慶は白い光に包まれた。
そして、目を開けば、さっきまでとは全く違う景色が広がっていた。
街の中。
そして多分、ここは京の街。
帰ってきたのだろうか? あたりを見回したが、木々が紅葉している様子はない。
残念ながら、まだ別の時空の中にいるようだ。
けれど、熊野や鎌倉と違って、京なら土地勘がある。
土地勘というのは何より重要だ。
これさえあれば、まず迷わない、情報を集めるにも効率が違う、
なにより敵に襲われても逃げることができる。
武器を持たない今の弁慶にはそれはとても重要だった。
と、荒法師だったり軍師だったり薬師だったり、八葉だったりと色々な顔をもつ弁慶は思った。
そして、強いて言うならば、
A 薬師が一番いいかな、人を救う仕事ですからね
B なんだかんだで軍師の自分も……嫌いじゃないですよ
C でも僕、結構器用だからなんでもこなせるんじゃないかな? 九郎みたいに大将はできないかもしれないですけど)