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吉例顔見世大歌舞伎 昼の部

『仮名手本忠臣蔵』の通しでした。

大序
口上人形と荘重な幕開き、竹本の語りで命を吹き込まれる役者、と言った様式美がすごく面白くて圧倒されました。チョン・チョンと言う鳴物に合わせて1色ずつドレープを作られて行く幕に見入ってしまいました。凄いなあ。口上人形も面白かったけど、絶妙に乗り出す斜め前のおばさんの頭で人形が隠れてしまって、3階B席の物悲しさを感じました(笑)。歌舞伎は役者だけじゃなくて、いろいろな仕事を受け持つ人の手で作られているのだなあと強く感じました。
続き
・富さんの師直がエロじじいで超かっこいい
・魁春の顔世の兜改めがちょうかわいい!特に「その兜は違う」という意味でふるふる首を振るところがかわいすぎてもう…!
・勘三郎の塩冶判官が素敵。大序の黄色い衣装は歌舞伎であまり見ない色な気がしますが、すごく似合っていました。
・若狭之助はいい部下を持ちすぎだろう
・仁左さんの右馬之丞、駆けつけた由良之助を呼び入れるところが超かっこいい!この人本当にこういう役が似合うなあ。
・イケメン赤穂若諸士が微笑ましかったです。声を揃えていろいろ言うとかとても楽しい。学ぶがいいよ、若人達よ…!
・錦吾さんの斧九太夫、考えてることがだだ漏れで超かわいい(笑)。明日観る七段目にも出るので楽しみだ!

幸四郎の由良之助、塩也判官の亡骸を整えてあげるところが、湿っぽくなくさらさらしていて、かえって情を感じました。初めて幸四郎の手をつくづく見た。大きくて骨張っていて素敵な手でした。しかし表門城明渡しの場ではめそめそし過ぎてうん…。やっぱり吉右衛門で観たいな…。とか思ってしまった。四段目の大星はキッチーか仁左さんが良さそうだなあ。キッチーが演ると絶対泣ける…!

道行
長い芝居の後舞踊があると「もういいから早く帰りたいよ」と思いがちですが、今回は本当に前の場が重くて長かったので、いい気分転換になりました。最近菊五郎の兄貴と時蔵さんってカップルを良く見る気がしますが、いかにも美男美女でお似合いです。