サイト乗っ取りが流行中

□ 補編

学校教育と乗っ取り

 非常に残念ではありますが、学校の授業が温床になっていると考えられなくもない状況があります(先生の知識や考え方のレベルにかなりばらつきがあるのに授業はしなくてはならない状況がある)。

  • 発表したいような自前の情報を持っていない生徒にサイトを作らせる授業をしている
    • 中身がないと格好がつかないのでパクる
    • 成績の良いクラスメイトのテストを自分の名前に書き換えるような気分でパクる
    • htmlの基本を知らずに「絵が出るタグ」などとして他人のサイトのurlまでをタグとする(=直リン)
    • 「ネットではフリーの画像が〜」など自分に都合のよい部分しか聞かない
  • 監督すべき教職員が情報発信の責任・マナー・著作権など、サイト作成時に注意すべきことを理解していない
    • イントラネットとインターネットの区別がついていない
    • 著作権と教育に関する例外規定など知らない・知ろうとしない
    • 訴えられなければ問題ない

 最後の部分、愕然とするほど情けないと思います。ですが、これは単に2ちゃんねらーが「どーせ先生なんてそんなもんだろ」と放言しているものではなく、(社)著作権情報センターの企画で(社)日本教育工学振興会が実施した学校関係者に対する「学校における著作権教育アンケート」調査というアンケートの回答にあるものです。

 このアンケート結果を受けて、2004年12月3日(金)の Yahoo! ニュースで読売新聞と産経新聞がこの問題を取り上げていることが報じられていました。タイトルはそれぞれ 【著作権の例外規定「知っている教員いる」1割だけ】 【著作権軽視 学校は“無法地帯”!? 過半数は無研修/「重要ではない」25%】 です。

 これからどう風向きが変わるでしょう? コンピュータやネットワークに詳しい先生が増えていったり、そういう「事情通」の先生とネットワークのことなどわからなくても人間同士の付き合いには豊かな経験のある先生が連携することで「ネットでは何をしてもいいと思った」などという厨房が少しでも減ってくれるといいと思います。

身近に教育関係者がいるが「理解できない」として退けられる

とびだせ学級クラブ ←先生向けのサイトです。
コンテンツに教育現場を念頭においた著作権の講座(ふりがなつき)あり。理解できないも何もこれでダメならもう……

 次項、おすすめ書籍もどうぞ


おすすめ書籍

 パソコン・IT授業が始まった子供を持つ親御さん向けに書かれた本から、読んで良かったな、という本を私見で紹介してみます。

 この二冊の本は2004年6月の佐世保事件の後に書かれています。そのためか、二冊とも「子供が被害者になる」ケースだけでなく、「不本意にも子供が加害者になる」ケースにも一項割いて注意を促しています。

 また、どちらの本でも繰り返し「この本を読めば(与えれば)それでよい訳ではない」「パソコンをきっかけにコミュニケーションをとって」としています。どちらの本もそれぞれかなり広い範囲を平易な表現でさらっていて項目によっては入口を紹介している印象のものもあります。頭から尻まで目で追うだけでなく、そこから先をゆっくり考えるべきものなのでしょう。

 尚、いずれの本も「子供が学校の授業でパソコン・インターネット始めたけれど自分の方がイマイチわかっていない」という人を対象に書かれていますが、「子供はパソコンやインターネットをザクザク使いこなしているようだが、自分は使いこなせるか自信がない、子供に聞くのはなんだかイヤだ」という人や、「慣れてきたつもりだけど、もしかして私が覚えたのはローカルルール?」というような人の復習用にもなかなか良さそうだと思われます。

 「身内が教育関係者だけどわかってなさそうだよ」「そろそろ甥っ子姪っ子が習い始めるらしいよ」という方、入学・進級祝いに一つどうですか?

お母さんが安心して子どもにパソコンを使わせる本
著者名 山田あゆみ 伊東知代子
出版社 すばる舎
価格 定価 1,470円(税込み)
ISBN 4-88399-368-X
2004年6月30日 第1刷発行
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親と子のインターネット&ケータイ安心教室
著者名 野間俊彦 矢沢久雄
出版社 日経BP社
価格 定価 1,260円(税込み)
ISBN 4-8222-2126-1
2004年7月12日 第1版第1刷発行
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