*大嫌い!!




「惚れてんだろ?俺に。」

「惚れてません。」

「惚れてるって。」

「・・・惚れてないって。自惚れんな。」

惚れて堪るか。その思いとは裏腹に、奥田の距離が私に近づくにつれ、心臓がバクバクと高鳴り出す。

「じゃあ何で俺と視線が合う度に顔を真っ赤にすんだよ。俺が他の子と話してると何で辛そうな表情すんだよ。いい加減認めろよ、俺に対する気持ちをさ。今だってこんなに真っ赤になっちゃってるクセに。」

「しっ知らないわよ、そんな事。みっ認めないからね、絶対絶対。」

「俺さぁ、気づいちゃったんだよね。」

「・・・何をよ。」

「お前がさ、俺の事嫌いって言うのって「好き」の裏返しなんだよな。っつう事はあれだろ?『大嫌い』だから本当は『大好き』って事だよなぁ?」

そう言いながら近づいてきたヤツとの距離は、いつの間にか顔を少し動かせば唇が重なってしまうほどになっていた。

「なっ?!うっ自惚れないでって言ってるでしょ?私はあんたの事なんて大っ・・・!!」

「大好き?」

最後の言葉を奥田に取られ、唇を奪われた。

啄ばむようなキスを繰り返されて、次第に私の脳がぼぅっ。と白く霞んでくる。

時折、ちゅっ。と音を立てながら私の唇に自分の唇を重ね、指先を頬から首筋に、首筋を通って耳の裏側に、と移動を繰り返す。

奥田の指が移動するたび、さわさわっといった感覚が体中を走り抜ける。

「襲わないって・・・言ったじゃない。」

「事と次第による・・・っつったろ?」

キスの合間に言葉を交わし、奥田の視線と絡み合う。真っ直ぐに見つめられるヤツの視線に私の中から愛しさがこみ上げてくる。

私・・・奥田の事が好きだったんだ。

今更ながらに自分の気持ちに気が付く。

あの公園で奥田にキスされた時に気づけばよかった。ううん、もっと前から好きだったクセに気づけなかったんだ。こんなにも奥田は私の事を想ってくれてたのに・・・。

私、ずっとずっと奥田に酷い事を言ってきたよね?『大ッ嫌い』とかって。

「もう止まんねぇからな。1年も我慢したんだ。今日はおもっきりヤらせてもらうからな!!」

「えっ?!ちょっ・・うぁっ!!」

奥田は唇を離して、私の体を抱き上げるとそのまま隣りの部屋に入っていく。

・・・・・寝室?

「ちょっと・・・奥田!!」

「止まんねぇけど・・・今なら止めてやるぞ?本気で嫌なら思いっきり俺を突き飛ばせ。そうじゃないなら俺はお前を抱く。」

そう言いながら、奥田は私の体をベッドに下ろすとその上に覆いかぶさってくる。

私の顔にかかった髪の毛を脇に避けながら、嫌か?って聞かれたから、私は小さく横に首を振った。

それを合図に奥田の唇が私の唇に重なり、舌先で唇を割ると中に入ってくる。最初は舌先だけを絡み合わせ、次第に奥深くで絡み合わせる。

「・・はんっ・・・んっ・・。」

キスの合間に私の口から甘い吐息が漏れ始め、奥田の首にまわした手で彼の髪を梳く。

奥田はキスを繰り返しながら、私のブラウスのボタンを外しブラと一緒に体から取り去る。

露になった自分の胸を恥ずかしくて両腕で隠したら、即座に脇によけられた。

「隠したら見えねぇだろ?」

「見ないでよ、恥ずかしいでしょ!!」

「クスクス。そっか?すっげぇ美乳だけど?」

「・・・・・変態・・やっぁん!!」

真っ赤に顔を染めて奥田を睨むと、嬉しそうに微笑みながらきゅっ。と胸に唇をつけて吸い上げられる。

途端に仰け反る私の体。

舌先で胸の輪郭をなぞり、蕾をコロコロっと弄び、もう片方の胸の蕾も指先で転がしながら時折きゅっ。と摘みあげる。

「もうこんなに濡らしちゃって・・・準備万端じゃん。そんなに俺が欲しい?」

「もぉっ変な事言わないでよ!!」

奥田はショーツの上から敏感な部分を撫でながら耳元で囁いてくる。

そんな事、わざわざ耳元で意地悪く言われなくっても自分でも分かってるわよ。キスと胸への愛撫だけで、今までこんな風になった事なんてないのに奥田が欲しくてたまらない。

・・・2年のブランクのせいかしら。それとも奥田・・・だから?



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