*大嫌い!!




「んっ…たかし…あっ…待っ…」

「無理…時間も余裕もねえから…」


隆志の気迫に押されるように、病院からそれほど遠くないラブホテルへとやってきて。

部屋に入るなり体を壁に押し付けられて唇を奪われた。

先ほどの車の中での貪るようなキスと同じように激しいものではあったけれど、逆に今はその荒々しさが体を一気に熱くさせる。

お互いの唇を吸いあう音が、いやらしく部屋に響く。

お互いの口から漏れる吐息が、色っぽくそれに混じる。

いつの間にか私の腕は隆志の首の後ろにまわっていて、隆志もまた私の脚の間に体を割って入るように立ち、その片脚を抱え持つような体勢になっていた。

徐々に気分が高ぶってくる。

押さえ込んでいたものが、次第に頭を擡げ始める。

私が隆志の首にまわした腕に力を入れて抱き寄せ、隆志が体全体で私の体を壁に押し付けるように体重をかけてくる。

互いが互いの体を求め合うように、体を密着させて唇を貪っていた。


「…激しくしないんじゃなかったの?」

「キスぐらい好きにさせろよ…」


少し唇を離し、視線を絡めあわせながら言葉を交わす。

その視線から隆志のモードが切り替わったのが窺い知れた。

それをじっと至近距離で見つめながら、きっと、私もそうなっているだろうなと思った。

自分でも分かるから――――私の体が隆志を欲してる…って。

だからもう、私には隆志を止めることはできない。


再び重なる唇。

今度は熱くまったりと。

隆志の舌が私の舌に添って奥深くに入り込み、まるで別の生き物のように絡みついてくる。

舌が動く度に溢れ出しそうになるものを飲み込み、私も隆志の口内へと舌を滑り込ませた。

舌を優しく吸われる。

唇を甘噛みされる。

少しずつの刺激が脳に伝わり、やがて大きな欲望へと駆り立てる。

隆志の体が動く度に、抱え上げられた片脚のせいで秘部を隆志の硬いものが掠めていく。

それは下着の上からでも充分な刺激だった。

それだけでもう、自分の中から熱い蜜が溢れ出し、濡れていくのが感じられる。

無意識に自らも誘うように腰が少しずつ動きだしていたらしい。


「優里…あんま誘うなよ…」

そんな掠れた色っぽい声と共に、隆志がグッと私の腰を引き寄せる。

それによってまた先ほどよりも強く隆志のモノが秘部に当たった。

「んっ…隆志っ…」

「マジで余裕ねえし、俺。そんなに誘われるとすぐにでも入れたくなんだろ?」

そう囁き、私の首元に顔を埋めると再びグッと腰を押し付けてくる。

同時にキュッと私の中が反応した気がした。

「まだお前の体も堪能してねえのに…」

「…だって…私だって隆志が欲しいもん」

「優里…」

「久し振り…だから…」

こんな時にまで意地を張っても仕方ないって思ったから。

いや、むしろ。意地を張る前に口から出ていたと言ったほうが正しいのかもしれないけれど。

私の口は、素直にそう言っていた。

「優里…」

隆志は顔をあげてそう名前を呼ぶと、すぐに唇を塞いでくる。

唇が重なる直前に見えた隆志の顔は、嬉しそうに綻んでいるように見えた。

舌を絡めあわせながら、隆志は私のパンストと下着を一気に下にずりおろす。

途中でパンストがビリッと言った気がしたけど…とりあえず気にしない。

自分の穿いているものもずらし、もう一度私の片脚を抱えあげ、自身を私の秘部にあてがうと、隆志はゆっくりと中に押し進んできた。

いつものように、一気に中を衝きあげてこなかったのは、自分の体のことを気にしてか、それとも傷が少し痛むのか…私にはわからなかったけど、久々の感覚にこの刺激は大きかった。


「あっ…んっ…すごっぃ…」

ゆっくり内壁をかきわけながら中に入ってくるその感覚に、思わず言葉が漏れてしまう。

「はぁっ…クッ…すごい?そりゃ、ギンギンに勃ってるからなぁ…つーか、お前の中もすごいんだけど…俺を待ってましたって…すげっ…締まるっ…」

「バカ…んっ!!」

「はぁ…すげ…気持ちい……抜いてねえから一発目早そ…」

隆志はゆっくりと、グラインドさせるように腰を押し付けてくる。

いつもとは違う、このゆっくりとした刺激は、脳を刺激するというより体全体に痺れを走らせる。

クチュッ…クチュッ…と、繋がった部分から漏れるスローテンポな水音。

これはこれで気持ちいいんだけど…少し物足りないと思うのは、隆志のハイテンポな刺激に慣れてしまったせいだろうか。

それはチョット問題アリな気がするけれど…

「一発目って…あんっ…ダメ、よ…今日は…この1回で…」

「終わりたくないって思うように…お前だけギリギリのところで止めてやる」

「なにっ…言って…ダメよ…軽くって言ったじゃない…」

「だから、俺らしくなく軽くしてるだろ?この程度なら2回でも問題ねえって。物足りねえだろ、お前にはこの刺激。クスクス…1回でやめられる?」

「なによ、やめられ…」

「ねえよな?その顔…もっと激しく衝いて!って顔してるけど?」

「……………」

してない!とは言い切れなかった。

自分の中をやんわりと刺激されて、気分が高ぶっている中、そう思ってることを否定できなかったから。

「ちょっとだけ…その期待に応えてやろうか?」

そう言って、ニヤリとした笑みを見せたかと思いきや、突然隆志はグッと私の体を抱きしめると激しく中を衝きあげてくる。

「えっ…ちょっ…あっ…やっ…あぁああっ!!」

途端に、ビリビリッと脳天を突き上げられるような刺激が私を襲う。

肌が痺れ、体全体が震えるような感覚に覆われる。

これこそが私の求めていたもの…と、体に悦びを感じながらも、まだ僅かに残る理性が働いた。

「あぁぁっ!いやああっ…たかしっ…ダメっ…いいっ…やめてっ…お願いっ…激しくなくていいからっ!」

「無理っ…ヤベ…どツボ…止まんねえっ…」

「なっ!?バカッ…あぁっ…いあぁぁあっ!!」

「あぁっ…もっ、イクっ!…マジで…すげ、早いんだけどっ…くぁっ…」

「たかしっ…たかしっ!」

「優里っ…わりぃっ…先、イクわ…あとで一緒にイカせてやるからっ…今はマジでもうっ、無理っ!!
あっ、くっ、あぁっ」

ぎゅっと力強く体を抱きしめられ、壁に体を押し付けられながら激しく中を衝かれ、そんな切なげな隆志の声と共に彼の熱いしぶきが放たれるのを感じた。


お互いに荒く息を吐き出しながら暫く見つめあったあと、ズルズルと2人してその場に崩れ落ちる。

「もっ…何考えてんのよ。激しくしないって…言ったじゃない」

「仕方ねえだろ…ちょっとした悪戯心が本気になっちまったんだからよ…」

「信っじらんない!もしこれでどうにかなったらどうするの?」

「なってねえから、どーもしねえよ」

この男…

「とか言うお前だって、激しくしてって顔してたじゃねえか」

いっ…痛いところを…

あのときは…どうかしてたのよ。

久し振りだから自制が利かなかったっていうかなんていうか?…苦しい言い訳だわね…

「ぅっ…し、してない」

「自分で自分の顔は見れねえからなぁ?」

「………うっさい!」

「あはははっ!まあ、いいや…。次はちゃんと軽くするから、な?」

「次はって…本気で言ってんの?」

「あたり前だろ。次いつできるかわかんねえのに、このチャンスを俺が逃すと思うか?しかも、まだお前をイカせてやれてねえし」

「わっ、私のことはいいの!もう充分でしょ?病院帰ろうよ…」

「お前がよくても俺がよくねえんだよ…あんなマジですぐイクなんて思ってねえし。男としてのプライドがだなぁ…」

そう言いながら隆志は私の腕を取って一緒に立ち上がると、ベッドまで半ば強引に私を連れた。

そしてギュッと私の体を抱きしめると、そっと耳元に囁いてくる。

「もう無茶はしねえから…もう一回だけ抱かせろよ…」

「隆志…」

「まだ、お前の肌に触れられてねえし…」

そう言って少し体を離すと、隆志は病院でつけた首筋にある紅い痕をそっと指先で撫でる。

私も弱いなぁって思った。

懇願するような視線を向けられ、絶対にダメ!って言えなかった。

本当は止めるべきなのかもしれないけれど、やっぱり私にはできなかった。

私だって、隆志の温もりを直に感じたいって思ってしまっていたから。

暫く黙ったあと、私は短く息を吐いた。

「……絶対に無茶はしないで」

「あぁ、約束する」

その言葉を合図に、隆志が唇を重ねてくる。

着ているものを1枚ずつ脱がされ、少しずつ肌が露になっていく。

隆志が着ているものを脱いだとき、左胸の下あたりに貼ってあるガーゼが目に入って少し先を躊躇ったけど、絶対に無茶はしないから。と、真剣な眼差しで言う隆志の言葉を信じることにした。

隆志の唇が首筋を通って肌を滑り始めると、瞬く間に体が火照りはじめる。

ゆっくりと、丁寧に…隆志は肌の隅々を堪能するように舌を這わせ唇を滑らせる。

いつも以上に濃密なんじゃないかって思った。

何度イカされたかわからないってくらいに隆志の指でイカされて

耳元で何度も、『愛してる』と囁かれ

耳元に何度も、『愛してる』と囁き返す。

甘い甘い2人だけの空間。

約束どおり、緩やかなゆっくりとした刺激だったけど、それでも2人は一緒に高波へと攫われていった。





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