*一回だけでいいから!






――――私も先生が欲しいもん



大胆な事言っちゃったなぁ…。

頭の片隅でちょっと恥ずかしく思いながらも、それは本心からで嘘じゃないから。

私にとって今が一番大切な時期だって事も分かってるけど、やっぱりこういう時間も大切にしたい。

先生と肌を重ねる時間…先生からの愛をいつも以上に感じられる時間を。

だから、ほんのちょっとだけ…少しの時間だけこの為に割いてもいいよね?

あとでちゃんと勉強するから。

先生から出されるたっぷりの問題集ってのがちょっと怖いけど……

何度も角度を変えながら浴びせられる先生からのキス。

私はそれを受け止めながら、彼のTシャツをたくし上げる。

「千鶴…勉強は?」

「……先生からご褒美貰ったら頑張れる」

「こら…順序が逆でしょ?」

なんて笑って言いながらも、素直に脱がされる先生。

ちょっと自分でも笑ってしまう…可愛いなぁ先生って。なんて、言ったら怒られそうだけど…

小さくクスクスと笑っていると、ちょっとバツが悪そうにずれたメガネを直しながら、俺も弱いなぁ。と、先生が小さく呟く。

「そういう先生、大好き」

「千鶴のえっちぃ」

「先生の方がえっちだもん」

「じゃぁお互い様という事で…」

そう言って先生は優しく微笑むと、今度は先生が私の服を脱がせて行く。

お互いに一糸纏わぬ姿になり、また私は先生の膝の上に跨るように座って唇を重ねる。

舌が行き交う音と、時折キスの合間に漏れる私の鼻から抜けるような甘い声。

先生の綺麗な指が私の体をなぞり始めると、きゅん。と自分の中心が熱くなる。

「千鶴…胸、大きくなった?」

先生は私の胸を包み込み、親指の平で蕾を転がしながらそう呟く。

「んっ…そ、かなぁ…あんまり気にした事ないけど、そう言われればそうかもしれない。先生は大きい方が好きなの?」

「ううん。そういう意味じゃないけど…ちょっとそう思ったから」

先生は、クスっと少し満足げに笑って、俺のせいかな。と呟いてから蕾を口に含む。

ん?先生のせいって?

ちょっと疑問に思ったけど、すぐにそれはかき消され、先生から与えられる快感だけに酔いしれて行く。

「はっ…ん…センセっ…んっあんっ!」

「気持ちいい?…千鶴」

先生は胸から少しだけ唇を離し、それが蕾に触れるように話す。

もう片方の胸を指先で弄り、あいた片方の指先でもう既に充分なほど潤っている秘部に触れる。

くちゅっと音を立てて中に入ってくる先生の指先。

少し指先の方向を変えて動かれるだけで、自分の体が敏感に反応を示す。

「あっ…やっ…センセっ!」

「千鶴?こういう時は先生って呼ばないでって言ったでしょ?」

「ごめっ…恭一さん…でも、あっ、あっ…ダメ…んっ!」

「ここら辺が気持ちいいの?千鶴」

先生はワザと敏感に反応する部分を避けるように、その周辺を指で擦ってくる。

「いじ…わるっん!」

「千鶴が可愛いからね?意地悪したくなっちゃうの」

焦らされて、自然に自分の一番感じる場所へと導こうと腰が動いてしまう。

いつからこんなエッチになっちゃったのかしら…

そう恥ずかしく思っても、知ってしまった快感を無意識に体が求めてしまう。

私の腰が動く度、先生の反り返ったモノが内腿を掠め、指で刺激されながらも、彼自身を求めてる自分がいた。

先生と早く一つになりたくて、訴えるように彼の瞳を見つめ、彼自身が当たるように腰を落とす。

「恭一さん…もっ…」

「千鶴…待って…まだ着けてないから…まだ…取って来るから…ね、千鶴?」

先生が少し慌てるように秘部から指を抜き、私の腰を両手で掴む。

「んん…ダメぇ…離れちゃやだぁ」

「困らせないで?千鶴…ね、すぐだから…ちづ…んっ」

私の体を押して離れようとする先生の首にしがみつき、離さないでと唇を重ねる。

いつからこんな大胆に彼を求めるようになったんだろう…

いつからこんなにも自分は淫らな子になっちゃったんだろう…

いつから…なんて愚問だよね。

先生が好きだから…先生しか考えられないから…先生にもっともっと愛して欲しいから…だからどんどん私は変わって行く。

これから先もずっと。

先生は離れそうにない事に観念したのか私からのキスを受け止めながら、腰を掴んでいた手の力を弛めると、愛しく体を撫でてくれる。

「千鶴…もうすぐ生理だったよね?」

「……ん」

先生は少し唇を離して、私からの返事を確認すると、真っ直ぐ視線を捉えたまま、色っぽくかけていたメガネを外し、ソファの背もたれの上に乗せる。

そして、少し意地悪な笑みを見せてから、きゅっと私を抱き寄せて耳元で囁いてくる。

「千鶴をイカせてあげられないかもしれないよ?」

「……え?あっん!!」

「早めに出なきゃいけないか…ら、んっ!!」

そう、少し掠れた声を響かせながら、先生は充分に潤っている秘部に彼自身をあてがい、ゆっくりと中に這入ってくる。

「はぁっん!あっ…あんっ…恭一さんっ…」

「やっぱり、そのままは…ヤバイ。すぐにイッちゃいそ…」

色っぽい先生の声。

それだけでも、ビクンと自分の体が反応し、無意識に先生を締め付ける。

先生は私の体をソファに押し倒し、大きく足を押し広げて出入りを繰り返し、徐々に律動の速度を早めてくる。

「あっ…あんっ…いいっ…恭一さんっ…き…もち、いいっ…」

「俺も、すごく気持ちいいよ…千鶴の中が凄く俺に絡み付いてくるっ…ホント…そんな、持たないかも…ごめんね、千鶴っ」

先生は優しく頬を撫でてきてから、グッと体を折って距離を縮めると、唇を重ねて口内深くで舌を絡ませる。

腰をグラインドさせる曲線的な攻めと、激しい直線的な攻め。

今までに感じた事のないようなあらゆる角度からの攻めを繰り返し、私を徐々に高波へと導いていく。

「あんっ…やっ!もっ…ダメっ…恭一さんっ…いやっ…いやんっ…」

「いや、じゃなくて、いい、でしょ?…ぅっく…あ…も、俺もダメ…かも」

切なくて、それでいて凄く色っぽい先生の声。

思わずそれに身を捩り、先生の熱い息がかかる耳元から、全身に痺れが走る。

先生は私の頭の両脇に手をつくと、体を起こして艶っぽい表情で私を見下ろし、激しく中を攻め立ててくる。

「あっあっ!んぁっ…きょっ…きょいちさっ…ダメ…だめだめぇっ!あっあんっ!!」

「んぁっ…ち…づるっ」

「いいっ…あっ…やっ…もっ…あっあぁぁぁんっ!!」

彼は腰を落として奥深くまで激しく攻め立て、私が絶頂を迎えるのを確かめてから、素早く体を引き抜き色っぽい息と共に私のお腹の上に熱いものを吐き出した。




「…一回のキスだけのはずだったのになぁ」

先生に体を綺麗に拭いてもらい、お互いに服を着てから再び彼の腕の中に納まってる私。

先生は腕の中の私の頭を優しく撫でながら、そんな事をボソっと呟く。

「先生が意地悪して短いキスしかしてくれなかったからこうなったんだよ?」

「長いキスをしたらこうなっちゃうからって思って短いキスをしたんだけどね?」

「じゃあ、どっちにしたってこうなっちゃうって事だよ」

なんて、意地悪く笑って先生を見上げると、苦笑交じりに先生が笑う。

「千鶴には敵わないね。いつからこ〜んな、えっちな子になっちゃったんだろうね?」

「ん?それは先生がエッチだから、こうなっちゃったんだもん」

「あ、それって俺のせいって言いたいわけ?」

「うん、そう。先生のせい」

「酷いなぁ、それ。誘ったのは千鶴の方なんだけどなぁー」

「その誘いに乗ったのは先生だから、やっぱり先生のせい」

「まぁ…そういう事にしといてあげようかな」

クスクス。と笑いながら、頬に軽くキスをしてくると、さて。と、今度は先生が意地悪い笑みを浮かべて私を見る。

……ん?なに、そんな笑い方して。

「さーてと、千鶴にはいっぱい愛情を込めたご褒美をあげたから、今度はた〜っぷりと問題集を解いてもらおうかな?約束だったもんねぇ?」

「あ゛」

幸せな気分に浸ってて、すっかりとその事を忘れてた。

「門限まではまだもう少しあるからね?それまでしっかり頑張ろうね、千鶴」

「あ゛ーぅ゛ー…」

先生の腕の中で、急激に現実世界に引き戻されて、落胆のため息を漏らす私。

そんな私に更に追い討ちをかけるように、先生はニッコリと笑って一言。

「あ、そうそう。家に帰ってからも頑張れるように、いっぱい用意してあるから、忘れずに持って帰ってね」

………………忘れたいかもしれない。

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