"Europa Universalis II"というゲームがあります。
スウェーデンのParadox社が開発した、1419年から1819年までの「ほぼ全世界」を舞台にした極めてスケールの大きい歴史シミュレーションゲームで、「中央集権国家の成立」と「欧州の覇権の確立」の時期を、一気に体験することができます。
選択できる国は、スペイン・イングランド・ロシア(ゲーム初期はモスクワ公国)といった史実の覇権大国から、独伊の小都市・小領主(例:ケルン・ブレーメン・ミラノ・教皇領)、トルコの圧迫に苦しむ東欧諸国(例:ボスニア・アルバニア・ヴァラキア)、果てはモンゴル帝国の残骸(キプチャク汗国・シビル汗国)、侵略者の襲来を知らずまどろむ新大陸の諸勢力(例:アステカ帝国・インカ帝国・チェロキー・ダコタ)、さらにはアフリカやインドや中央アジアの聞いたことも無いような土着政権まで。
国産のゲームで言えば『チンギスハーン・蒼き狼と白き牡鹿』を思いっきりスケールアップしてリアルにしたような感じでしょうか。
『蒼き狼と白き牡鹿』のようにお手軽に征服プレイをしようとすると――
・開戦理由なく宣戦布告すると安定度が下がって、反乱リスクUP・収入DOWN
・長い間戦争をしていると、戦時疲弊で反乱リスクUP
・占領地は講和するまで自国領にならない。3州占領して2州返すなんてのはザラ
・軽々しく他国を滅亡させたりしていると、周辺国との友好度激減、悪評(BadBoyRate)激増
・異なる文化や宗教を持つ州は、自領にしても、収入が少なく、反乱リスクが高い
・たくさん州を持っている大国より、小国の方が技術競争に有利
・そもそも大軍を保有する維持費の負担が大きい。外交とか施設建設とかどうしよう
などという泣きたくなるような仕打ちが待っています。
軍事的拡大は不可能ではありませんが、細心の注意を持って行い、戦後の対応もきちんとしなければならないのです。
領土の拡張を行いたいのならば、ほかのゲームでは滅多に見られない『海外殖民』という方法もあり、「空白地」に入植者を送り、自国領にしていくことができます。これも(必ずしも友好的とは限らない)原住民をどうするかという選択を迫られるのですが――
このように、極めて大きなスケールと、歴史のリアリズムを踏まえた上での大胆な簡略化、そして(プレイヤーの力量次第で)高い自由度が、「Europa Universalis II」の魅力です。
日本語版は2つ発売されています。
2004年3月に発売されたのが、キッズステーション(に買収されたメディアクエスト)の、アジア・チャプターズ。オリジナルの英語版よりも、アジアのマップがより細かく区切られ、歴史イベントなども追加されているのですが、元になった英語版のバージョンが古くてバランスがよくなかったり、翻訳や、一部のマップデータがボロボロだったりするので、あまり評判がよくありません。バグも多いです。
だからかどうか知りませんが、オリジナルの英語版をそのまま翻訳移植したものが、2006年12月、サイバーフロント社から発売されました。拡張版の後にオリジナルが移植されるってどうよ、という気はしますが。
こちらは、ユーザーが作ったMODを適応することも可能なようです。
また、アメリカのダウンロードゲームサイト"GamersGates"から英語版をダウンロード販売で購入することもできます。有志のパッチで日本語化(全てのイベントが日本語化できているわけではないけれど)することも可能です。
詳しくは、Europa Universalis II Wikiを参照してください。
私ははじめ、メディアクエスト版のアジア・チャプターズをプレイしていましたが、バグが気になるので英語版に移りました。
虚構史学研究所“所長”ShoemakerのEUIIのリプレイの記念すべき第1回(第2回以降があるかは謎)のテーマは、『ポーランドでドイツに目にもの見せてやること』。
ゲーム本体は英語版最新のVer1.9(2006年1月時点)を用い、小勢力の数と歴史イベントを増やしたAGCEEPという有志作成シナリオでプレイします。
なお、画像や解説はあまり充実していません。ご了承ください。
(現在1520年頃まで。中途)
戻る