困った彼で10のお題 02

 誰にでも優しい









 それは、いい事だと思う。
 うん。いい事だ。
 いい事なのだが、心のどこかでヤキモチを焼いている。
 奥州筆頭・独眼竜と怖れられるこの俺が。
 口が裂けても言えない。
 情けなくて溜息が出る。
 ほったらかされているここの所、小十郎から香るのは、お日様の香りと汗と土の匂い。

「せめて普通に人間に焼かせてくれ‥‥‥‥」


 




 誰にでも何にでも優しい