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ボクは今、どこかの街を歩いており。

どうやら、ここはどこかの大学の前だと思われ。

学舎からはアコースティックなギターの音色と歌声が漏れていて。
その歌声に強く惹かれ、学内に入ってみようと思いついたワケで。

門にたどり着くと、そこには俗に言うバリケードと呼ばれるものが築かれ、中に入ることはできなくなっており。
けれど無性に中に入りたくなったボクは、そこを乗り越えようとしたワケで。

「よ・・・いしょっ、と。・・・何とか入れたな。」

「おい!お前何してる?!」

ヘルメットを被り、口元をタオルで隠している男に首根っこを引っ掴まれており。
あまりの剣幕におののいたボクは抵抗することもできず・・・

そのままどこかへと連れて行かれたワケで・・・

 

ヘルメットの男に連れて来られたのは、大学内の講義室で。

「侵入者を発見したであります!」

講義室の中には20人ほどの男がおり。
ボクは、教壇の前に陣取って静かに目を瞑っていた男の前に放り出されたワケで。

「うわっ・・・とっ・・・!」

思いっきりつんのめって転んだボクの気配を感じたのか、教壇の前にいた男がゆっくりと目を開き。

「君、何?随分と変わった格好してるけど。」

そう言う男も、随分変わった格好をしているワケで。

ブーツカット・・・いや、たしかベルボトムとかいう裾の広がったジーンズ。
派手な柄シャツの上から茶色いバックスキンのベストを着て、ノッポさんが被っていたような帽子を被っており。

さっきのヘルメットの男も、髪を肩まで伸ばして、同じようなベルボトムを履いていて。
周りの男たちも一様に同じような格好をしており。

はっきり言って・・・そんな彼らに服のことをとやかく言われる筋合いは全くないと思われ・・・。

横に立っていたヘルメットの男は口を覆っていたタオルを外すと、またボクの首の付け根を掴み。

「お前・・・まさか警察か?!」
「い、いやいや!違いますよ!こんな警察いるワケないじゃないですか!」
「ホントにホントだな?!」
「痛い痛い!だから違いますってば!」

「酒井、もう離してやれば?たぶんその子、嘘はついてないと思うよ?」

教壇の前の男が、酒井さんというロン毛の男に言ってくれ。

「・・・わかりましたよ・・・」

酒井さんはやっと手を離してくれたワケで。
どうやらこの男がこの集団の中心人物だと思われ。


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