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一同、ぞろぞろとボウリング場のカウンターに向かう。

「え?靴、履き替えないといけないんですか?」

常識外れな女性陣の言葉に店のスタッフも戸惑い気味だ。

「えぇ、レンタルになっておりますが・・・」
「レンタル、ですかぁ・・・」

チョイス失敗、といったムードが女性陣を包む。

「あっ、ほらっ、けどやってみたら楽しい、と思います、よ?」
村上が女性陣を宥め賺して、与えられたレーンへ。

未経験の女性陣は後回しにして、先に男性陣が先に投げることに。
順を決め、画面入力しゲーム開始。

「じゃ、俺行きます!」

村上が手を挙げ、重そうな真っ黒なボールに指を入れる。
そして足を揃えて胸の前にボールを構え、踏み込んだ。

綺麗なフォームで放たれたボールはレーンのど真ん中を高速で滑り、全てのピンを豪快に薙ぎ倒した。
村上は両手でダブルピース(ダサい)を作り、ニカッと笑って振り返る。

きゃぁっ!

俄かに盛り上がる女性陣。
スポーツ万能の男子に惚れる女子たちのように、すっかり目がハートになっている。

格好良いか?あれが?

次のヤツは9本の後、スペア。
その次のヤツは1投目8本を倒し、残った2本は両端でスプリッドになったが、うまく1本に当て、そのピンのバウンドでもう1本を倒してスペア。

そして俺の番。
ルールなどはテレビなどで見たことあるからわかっているのだが、実はボウリング初体験。

運動は結構得意な方だし、ストライクなんざ簡単に取れる!

・・・と思っていた。

俺が投げたボールは、ピンに届くどころか、溝に向かって一直線・・・ガーターだ・・・
スコアを表示するモニタに、忌々しい「G」の文字。

「・・・ぬぉぅ・・・」

2投目。
落ち着け。まっすぐ投げるんだ、まっすぐ。
まっすぐ投げることに意識しすぎて、ぎこちなくなるフォーム。
あ、れ?足が合わん。が、スペース的にもう投げないとやばい。

「でぇぁっ!」

どでん、とレーンの真ん中に大きな落ちたボールは、ゆっくりとピンの方へと向かいながらも少しずつカーブしていき・・・

がごん。

またまたガーター。「G」の横に「−」が表記され、その下段には「0」が点滅した。

その後、投げても投げても、ストライクどころかスペアすら獲れなかった。
村上が女性陣に投げ方をレクチャーする合間に俺にも投げ方をアドバイスしてくる始末。
あまりの不甲斐なさにアタマに血が昇ってしまい、第2フレーム以降はよく覚えていない。

「二度とするもんか!」と思っていたが、女性陣はボウリングの楽しさにハマったらしく、村上に「また一緒にボウリングしましょう!」などと強請っていた。


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