Dies irae,
dies illa,
solvet
saeculum
in
favilla:
Teste
David cum
Sibylla.






―――マナ。


アレンはんだ。ありったけの想いを込めて。からっぽのアレンのなかに、唯一残されていた名を。それが誰なのかなんて、どうでもよかった。ただ狂おしいほどの望みがあった。


―――逢いたい。マナに逢いたい。


もう一度逢えることができたのならば、きっとこの喪失感の意味も知れるだろうと思った、、、、、、、、、、、、、、、、、、、のだ。

無断で持ち出した魔導式ボディ。アレンの声に応えて呼び戻された魂が宿る。逆五芒星のもとに浮かび上がる文字。


「ア...レ...ン」


“マナ”が自分に返事してくれた___歓喜するアレンを、地を這うような低い言葉が打ちのめす。


「よくも」 左眼とおぼしき場所から、黒い筋が流れ出た。涙のように。


「アクマにしたな...」


「呪うぞ」
そうしてアレンを襲ったのは、灼熱感と激痛と___埋められない喪失感に対する絶望だった。

 

 

 

 

(その日こそ怒りの日。世のすべては灰燼に帰す、ダヴィデとシビラが預言したように。)