exaudi orationem meam, ad te omnis caro veniet.

自分はじゅうぶんに尽くしただろう、とアレンは思う。どちらの神にも。

どちらの神にも、出来うるすべてをかけて服従してきたし、
貪欲に求める主に捧げるための供物を差し出してきた。


...200年だ。もう十分だろう。
これでもまだ足りぬというのならば、アレンは今度こそどちらの神にも叛旗を翻すつもりだった。

ただそれは、唯一の望みへと到る途を自ら閉ざすことであって、ほんとうにさいごの手段でもあった。

だがしかし、時は満ちて、己の願いは叶われつつある。今この時を、どんなにか心待ちにしたことか―――
あれほどの痛みを悦びと共に甘んじて受けることができたのも、すべてはただ、もたらされるその瞬間のため。

 

 

願わくば、かの愛しき人へと―――

 

 

 

 

(すべての肉なるものが向かう主よ、私の祈りを聞きたまえ。)