開け放たれた雪見障子の先から月の光が射し込んでいる。
シンと静まり返った月夜。
辺りからは虫の声しか聞こえない。

「……ん、んんんっ……」

唇を貪られ、合間に漏れる自分の喘ぎ声と、
クチュっという情事の音だけが静寂の中に響く。


シュウさんの右手が浴衣の袷から忍び込み、
胸の赤い飾りを、焦らす様に何度も掠める。

「……あっ!」

その一瞬一瞬に思わず声が漏れる。

「ユヅキのここ、硬く膨らんでますよ?」

僕の耳に息を吹き込むように、掠れた声で囁く。

抗議したいのに、意地悪いその声にすらブルッと身震いしてしまって、
うまく言葉が出てこない。

いつの間にか浴衣の紐は解かれてしまい、腕も袖から
抜かれてしまって、僕はボクサーパンツ1枚の格好だ。

……恥ずかしい……

僕が余りの恥ずかしさに少しでも体を隠そうとジタバタしていると、
シュウさんは一旦起き上がり、手早く自分が着ていた物を
全て脱ぎ捨てる。
そして再度僕に覆い被さると、これで恥ずかしくないでしょう?と
笑って僕の額にキスをした。


シュウさんはずるい。
僕に意地悪をした後、必ず優しくしてくれる。
これじゃあ文句も言えないし、逆に僕を夢中にするだけだ。


愛撫を再開したシュウさんは、今度は胸の飾りを舌で転がし、
僕が抵抗する力をなくしてしまうのを見計らって、
一気に下着を取り去ってしまった。
もう一度唇を重ねられ、僕は夢中でシュウさんの舌を追う。
そうしながら、シュウさんは既に勃ち上がっていた僕自身を優しく
握り、柔々と上下に扱く。

「ほら、もう雫が溢れてますよ……」

「……や…やだ……んっ」

唇を塞がれたまま、生まれて初めてのその感触に、
恥ずかしいのと気持ちいいのと全てがごちゃ混ぜになって、
ただただ意味のわからない喘ぎが漏れる……


シュウさんに翻弄されるまま、
僕は一度目の精をシュウさんの右手に放ってしまった。

……何て事をしてしまったんだろうと、焦って身体を起こそうとした
僕の眼を炎のような眼で見詰めて制しながら、
その右手に付着した僕の精を舌で舐め取っていく。
その淫靡な行為に、先程までの直接的な気持ち良さとは違う、
足元から湧き上がるような快感を感じた。



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