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「……ん……」

再び口腔を這い回る麒白様の舌。
丁寧に歯列をなぞられ、僅かに開いていたそこから長い舌が忍び込み、緊張で縮こまっている私の舌を宥めるようにそっと触れ合わせて来る。
先程よりもずっと進みがゆっくりなので少しずつ緊張も解れていき、いつの間にか口を大きく開けて麒白様の舌の動きを受け止めていた。

普段ほとんど意識する事がない、ポーン……ポーン……という人界と鬼界が共鳴しあう音が何故か妙に耳に響いている。
いつの間にか帯は解かれ、着物の前は肌蹴られ、あられもない姿だというのに深いキスでボーっとしている頭には思考力がなく、ただされるがままに身を任せるだけだった。


「ぁ……ん……ッ」

右耳の下に唇を這わされ、声が漏れるのと同時に右半身に一気に鳥肌が立つ。
自分の声とは思えない甘い声が恥ずかしく、顔を逸らしながら唇を噛み締めた。

「……私の愛する白桜の声を聞かせてくれないのかい……?」

首筋に舌を這わされながら麒白様の声でそう囁かれると、途端に顔が火照り全身に甘い痺れが走るような気がする。
そのまま袖から腕を抜かれ、体の下から着物を引き抜かれてしまうと本当に何一つ身に纏っていない状態になり、とても心許なく、また緊張と不安とで体が強張り始めた。
するとそれに気付いた麒白様に 『大丈夫だよ』 と耳元で囁かれ、軽く抱き締めてキスをされると、ようやくまた少しずつ体の力が抜けていく。


「っぁ…や……」

少しずつ下におりて行った麒白様に胸の飾りを口に含まれ、太腿を大きな手でゆっくりと何度も撫で上げられ、勝手に声が漏れていく。
麒白様の着物がさらさらと肌を掠める度に、それにすらも鳥肌を立ててしまう自分も、自分一人だけ何も身に纏っていないのも恥ずかしく、思わずキュッと着物の端を握った。
麒白様は苦笑されながらその手をゆっくりと優しく引き剥がし、掌にキスを落とした。

「私が脱ぐのはもう少し待ってくれ。
 さすがに着物を脱いでしまったら、優しくして
 やれる自信がないからね。」

そう言って再び赤い飾りを舐めるように口に含まれ、私自身に手を伸ばされたので、驚きのあまり焦って腰を引く。
けれど麒白様はそのまま私自身を大きな手で包み込み、ゆるゆると上下に扱きながら顔にも耳にも首筋にも唇を落とし始めた。

「や…あぁっ……」

自分でもそんな風にした経験がなかったので、今まで感じた事がない感覚に怖くて堪らず、勝手に声が漏れるまま必死で麒白様にしがみつく。
『大丈夫だから私に身を任せなさい』
麒白様はそう言われながら私の脚を割って間に入り、突然私自身を口に含んだ。

「…ぁ…っ…!」

先程の手とは全然違う温かい口腔に包まれ、形通りに舌を這わされ、少しずつ強くなっていく動きに反応してその部分に急激に血が集まる変な感じと、腰の辺りにうずうずと溜まっていく未知の感覚に思わず腰が跳ね上がる。

―…怖い……

「……キ…ハク……様…っ!」

何かに押し上げられていくような感覚が怖く、麒白様の方に必死で手を伸ばすと、麒白様はその手を握ってくれながら更に勢いを増した。
何が何だかわからないまま必死でその手にすがりつき、ただひたすら麒白様を信じて身を任せ、翻弄され続ける。

「ぁ…っ!あ、ぁ……っ!」

その時、急激に全身に電気が走ったような感覚が突き抜け、同時に麒白様の口に含まれている私自身が脈打ちながら何かを放出していくのがわかった。
麒白様が咽喉を鳴らしながらそれを飲み込んでいく。
がくがくと体が震える、あまりの刺激に頭が真っ白になりながら、自然と目尻から涙が零れていった。


……何だったんだろう……
麒白様は袖でぐいと口を拭われてから着物を脱ぎ始めた。
目の焦点が合わない放心状態のまま真っ白なオーラで包まれた空間に呆然と視線を向けていると、肌と肌が直接触れ合う何ともいえない心地よい感覚がし、着物を全て脱ぎ捨てた麒白様が微笑まれながら私に覆い被さって頬にキスをしてくださった。

「気持ち良かっただろう?」

……あれが気持ちいいという感覚なのかは良くわからないけれど、確かにあられもない姿で声をあげてしまったのは事実……
先程までの自分を思い出して急激に頬が熱くなり、恥ずかしくて落ち着かなくて顔を逸らした。
すると麒白様はクスクスと笑いながら私の顎を掴んで顔を戻させると、そのまま優しく唇にキスを落とす。
そして 『まだまだこれからだよ』 と言われたので、『まだ…ですか…?』 と眉根を寄せながら尋ねると苦笑をしながら頷き、今度は私の顎を手で押し下げ、そのまま舌を挿し込んで来た。
キスはどんどん深くなり、先程までの良くわからない感覚がよみがえってきて足元から震えが湧き上がる。
麒白様を心から信頼してはいるけれど、この後に何が起こるのかわからないのがやはり少しだけ怖くて、逞しい背中に縋り付くようにそっとしがみ付く。
すると耳元に静かに囁く麒白様の声が響いた。


「白桜……私を受け入れてくれ……」


※次は18禁※苦手な方はご注意を