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「……獅紅……獅紅……」

翻弄され続けながら、口は勝手に獅紅の名を呼び続ける。
こんなに誰かを好きになるなんて。
どうしたらいいんだかわからない位に獅紅が好きで、こんなに
傍にいていつも手を伸ばせば触れられる場所にいるのに、それ
でももっと与えて欲しいと求めずにはいられないなんて……

サラサラと僕に降りかかっている獅紅の赤い髪をきつく掴んだ。
すると獅紅が僕に覆い被さりながら、今までとは別人のように
優しいキスをしてくれる。
そのキスに胸が締め付けられた。
……獅紅が好きで好きで堪らない……

「……えっ…えっ……」

突然与えられた優しいキスにどうにもならないほど心を揺さ
振られて、思わず嗚咽が漏れた。
獅紅は何度も何度も僕の顔中にキスを落としていく。

「……光鬼……これ以上我を狂わせるな……
 これ以上欲するといつか誠にお前を壊してしまう……」

その言葉にハッとした。
……もしかしたら獅紅も僕と同じなのかもしれない。
獅紅も僕と同じ様に好きになる心を止められないのかも
しれない……

獅紅の首にしがみついて、今度は僕が獅紅の顔中に
キスをしていく。

「……獅紅……僕が獅紅を求めるのと同じ様に、
 もっともっと僕を求めて……
 壊れてもいい……!
 獅紅が僕を求めてくれるなら壊れたっていいから!
 だからお願い……僕を獅紅だけでもっともっと
 いっぱいにして……!」

ギュッと目を閉じた獅紅の周りで、紅蓮の炎のような
オーラが渦を巻いている。
獅紅の心が渦巻いて、銀色の角からは銀の粉が舞い
散っていた。

この荒神の腕の中で狂い死ぬのもいいかもしれない……

そう思った瞬間目を開けた獅紅の瞳がゆらりと揺れ、両膝が
胸に付くほど折り曲げられて、いきなり獅紅の熱く猛った
モノに最奥まで貫かれた。

「ああああっっっ!!」

体が目一杯仰け反って、首にしがみついていた腕が
外れてしまう。
獅紅はそのまま僕の腰を掴んで、激しく抽挿を繰り返した。
触れられているわけでもないのに、僕のモノはその度ごとに
ビクビクと反応をしている。
獅紅と繋がっている場所が、焼けただれたように熱い。
そしてその熱さが指先の隅々までを襲い、獅紅の熱さ全てが
体中に流れ込んでいるような錯覚に襲われた。

獅紅はまだ着物を着たまま。
だけど僕は直接獅紅の肌を感じながら抱き締めてほしかった。

「……脱……いで……っ!」

着物の裾をかろうじて掴むと、獅紅は一旦動きを止めて自分の
帯も引き千切って全てを脱ぎ捨てる。
そして僕が望んでいた以上にきつくきつく抱き締めてくれた。

「光鬼が以前の様に姿を消してしまえば、
 我は我ではなくなってしまう。
 我を止められるのは最早お前だけだ。
 ……二度と離さぬ。
 光鬼が望もうと望むまいと……もう二度と……」

息が止まりそうなほど強く抱き締めてくるその背中を、震える腕で
精一杯の力を込めて抱き締め返す。
ドクンドクンと脈打っている獅紅の鼓動が、触れている肌から直接
感じられた。

……こんなにも僕を求めてくれている。
こんなに余裕を無くすほど僕を求め、愛してくれている……

強靭な精神力や霊力を持ち、膨大な数の鬼達に傅かれ、何度も
一緒に飛んで見せてくれた広大な獅紋領を治めるこの鬼神が、
たかが僕一人の為にこんなに余裕を無くし、我を失うほど僕を
求めてくれている。
荒ぶるその魂を普段はひた隠しにしながらも、やはりその激しさを
常に内包している獅紅がこんなに感情を剥き出しにして嫉妬を
してくれるのも、全て僕を思ってくれているから。
自分の好きな人にこれ以上ないっていう位激しく求めてもらえる
僕って、なんてなんて幸せなんだろう……

「……僕がいたいのは獅紅のいる場所だけだよ。
 僕には獅紅が全てだから。
 もう二度と獅紅のいない場所になんか行きたくない。
 だから……」

獅紅が腕を緩めてゆっくりと顔を上げ、大好きな燃える
瞳で見下ろしてくる。
首を伸ばして獅紅の唇にキスをした。

「だから、いっぱい抱い……」

その先の言葉は獅紅の口中に消えていった。
でも、いい。
獅紅にはもう僕の気持ちは伝わってる。
だからこれ以上言葉は必要ない……


先程とは違い、ゆっくりと動き出す獅紅。
けれどそれとは反対に息をつぐ暇もなく落とされる激しいキス。
もう頭の芯まで蕩けてしまって、何が何だかわからなくなり
そうだった。
そのキスに懸命に答えながら、合間に唇を離して耐え切れない
喘ぎ声を上げ続け、最後が近付いて来ているのが自分でも
わかった。

「獅紅…っ!」

叫びながら必死で獅紅の背中にしがみつくと、そのままグッと
奥まで突き上げられる。

「ぁああっ……っ!」

獅紅はそのまま何度も何度も激しく突き上げ、顔にも首にも
耳にも次から次へと噛み付くようなキスを落とし、そして
耳元に低い声で囁いた。

「……光鬼、我を受け止めよ……」

その言葉と同時に最奥まで貫かれ、ギュッと前を扱かれる。
僕は背中を仰け反らせ、自分でもよくわからない声をあげて
ビクビクと白濁液を吐き出した。
獅紅も幾度か抽挿を繰り返した後に僕の中に熱いモノを
吐き出す。
その燃えるような感覚に全身が痺れたようになり、獅紅に
力強く抱き締められながら意識を手放した。