わたしってば、なんて運動音痴なんでしょう。
わたしの高校には体育の授業に「乗馬」という選択科目があるのですが、この科目をとったのがそもそも間違いの始まりでした。
やっぱり、お馬さんがかわいいって言うだけじゃ、乗馬は出来ないんですね……
クスン。
おかげで今日も居残りです。
はぁ……なんだか憂鬱です。
大好きなお馬さんと一緒にいられるのは嬉しいんですけどね。
それにしても……先生遅いです……
体操着を着てコースで待っていろとおっしゃったからこうしてまってるのに……
何故乗馬用の服と指定しなかったのでしょうか?
でも、いつも乗馬の時に着る服はなんだか動きにくいので、こっちのほうが身軽でいい感じです。
……なるほど。先生はわたしが少しでもうまく乗れるようにわざわざ動きやすい服装を指定してくださったのですね。
ジーン
先生の優しさが心に染みてきます。
あっ、先生が来ました。
あれ?先生が引いているお馬さん……いつもと違うお馬さんです。
いつもは栗毛の優しそうなお馬さんなのに、先生に引かれているお馬さんは白っぽい毛色のぼけーっとしたお馬さんです。
あんなお馬さん、この学園にはいなかったはずです。
一体どうしたのでしょう?
「よっ。遅くなってすまなかったな」
「先生、そのお馬さんは?」
「ああ、こいつか?こいつは新顔だ」
「新顔?」
「まぁ、手っ取り早くいうと競馬界からリストラされてうちにやってきたってわけだ」
「へぇ。そうなんですか。それでお馬さんの毛色も白っぽくなっちゃったんですか?」
「ん?ああ、こいつは元々芦毛(あしげ)だから。心配して髪が真っ白になるなんて、お前じゃあるまいし」
「そ、そうですよね。ごめんなさい」
またひとつ、恥をかいてしまいました。
でも、恥はかきすてって言いますし、聞くは一時の損、聞かぬは一生の損とも言いますしね。
このような毛色は芦毛っていうんですか。
またひとつ、物知りさんになりました。
先生はお馬さんを柱につないでます。
「これが競争馬ですか……凄く立派な体格ですね」
わたしはそのお馬さんを近くでじっと観察しました。
風格あふれる馬体。
夕陽を浴びて輝いている毛艶。
なんともいえない愛敬のある表情。
このお馬さんが競馬場のターフを走っているところを想像するだけで、なんだか風になったような気分になれます。
「どうだ?気に入ったか?」
「はい!とってもかわいらしい牝馬ですね」
「牝馬?」
先生は一瞬顔を歪めましたが、途端に笑い出しました。
「???」
わたしには何がなんだかさっぱりわかりません。
なにかおかしなことをいったでしょうか?
「先生?」
「いやぁ、すまんすまん。姫宮があまりにもおもしろいこと言うもんだから」
先生は私の横にくると、肩をポンと叩きます。
「こいつは、牝馬じゃなくってせん馬なんだ」
「せん馬?せん馬ってなんですか?」
「なんだ?そんなことも知らないのか?」
「は、はい……」
先生は困ったような顔をなさっています。
本当、何も知らない自分が情けなくなります。
「せん馬っていうのはだな、去勢された牡馬(ぼば)のことを言うんだ」
「去勢??えーっと……」
「まさか、去勢も知らないなんて言い出すんじゃないだろうな?」
「えーっと、そ、その……あはははは……ごめんなさい」
ガクッ
難しい単語を言われても、意味が理解できません……
もっとちゃんと、本を沢山読むようにしないとイケナイですね。
「はぁ……」
先生は呆れているのか、ため息をついています。
「いいか?去勢っていうのは、その、なんだ……」
「?」
「つまり、男性のシンボルを取ってしまうことだ」
「男性のシンボル?」
「わかりやすく言うと、おチンチンをとってしまうことだ」
「え〜!?そ、そんなことして痛くないんですか!?」
「痛いに決まってるだろーが!!」
「そ、それじゃあ、どうしてそんな酷いことを?」
「そりゃきまってるだろ。馬の能力を高めるため、即ち競争成績を上げるためだ」
がああああああああああああん!
わたしは今、このお馬さんの知られざる秘密を知ってしまいました。
すっごくとぼけたような顔をして、実はものすごい過去をもっていたのですね。
なんだか同情してしまいます。
とても凄いお馬さんのように思えてきました。
「去勢することで気性が丸くなるからな」
「そうなんですか……競争馬って大変なんですね」
「そういうことだ。ところで、姫宮」
「はい?」
「お前もせん馬になって性格が丸くなっちゃったのかな?」
「え?それはどーゆー……キャ!!」
突然、先生の右手がわたしのブルマーの中にはいってきました。
そしてゆっくりと、股のあたりを撫で始めます。
「あ、あの、先生……」
「ん?どうした?姫宮、やっぱりお前去勢されたんだな」
「きょ、去勢なんかされていません!」
「だって、ホラ、ついてるものがついてないぞ」
「わたし、女の子ですからおチンチンなんかついてないです!!」
「嘘はよくないなぁ。本当に女の子かどうか、テストしてみないと」
「て、テストって……ひゃあん!!」
先生の指先はショーツの中に侵入してきました。
動きが一段とはやくなります。
「どうした姫宮?発汗か?」
「や、やめて下さい、先生……」
「やめる?どうして?」
「そ、そんなことしないで……」
「駄目だ。姫宮がウソツキか確かめる必要があるからな」
「わ、わたし、ウソなんか……」
「そんなにヤメテほしいのなら体育の成績1にしちゃうけど、それでもいいのか?」
「そ、そんな!!」
「どうした?このまま続けてもいいんだな?」
「は、はい……」
「声が小さい。やりなおし!」
「は、ハイ!!」
うう……我慢です。
体育の成績が1になることだけは避けなければなりません。
1、それは落第を意味します。
もしそんなことになれば、アオくん達と一緒に卒業できません。
そんな哀しいこと、絶対にイヤです!!
だから今は、我慢ですっ!
「ううっ……」
「大分興奮してきたようだな。嘘がばれるんじゃないかって内心おどおどしてるんだろ?」
「で、ですから、わたし嘘なんか……」
「そうか?じゃあ、この穴はなんなんだ?」
「ひっ!!」
先生は人差し指でその場所を触りました。
「そ、そこは……」
「去勢した手術痕だろ?駄目だよ嘘ついちゃ」
「ち、違います!!」
「違うかどうかは、確かめてみないとな」
「そ、そんな!!ひぃぃぃ!!」
先生の指先は、ためらうことなく侵入してきました。
身体の中に異物が侵入してきたようで、なんだか変な気分です。
「どうした?これでもまだウソだって言うのか?」
「は……はぁん……」
クチュクチュクチュ
小さな音がわたしの耳にも聞えてきます。
「なかなか強情なヤツだな」
「あ、ああん……や、やめてください……」
「やめた場合は成績は1だぞ?」
「あっあっ……そ、それだけは……はぁん……」
「口答えした罰だ」
先生の指先の動きが激しさを増して速くなりました。
「あ、ああん!!」
どうしたことでしょう。
気持ち悪いはずなのに……なんだかどんどん気持ちよくなっていくような気がします。
どうして?
もう、正常に物事を考えられません。
「あっあっあっ!!」
「姫宮、気持ちいいのか?」
「あっあっ……は、はい……」
「お前って、とってもエッチなヤツだったんだな」
「そ、そんなこと、ない……です……」
「いいや、お前はウソツキなうえにスケベだ。変態だな」
「そ、そんな……ああん!!」
「どうだ?認めるか?」
「せ、先生、そ、それ以上激しく……」
「激しく、なんだ?」
「激しく……しない……あああああっ!!」
突然、頭の中が真っ白になりました。
とても心地よい気分がわたしを包み込みます。
なんでしょう、この気持ちは。
いつまでも浸っていたいような、とっても気持ちいい感覚……
「イッたのか?」
気がつくと先生が既にわたしのショーツの中から手を抜き取っていました。
その指先には白くねっとりとしたものが付着しています。
「はぁはぁ……せ、先生、わたし……」
「いやぁ、スマン。姫宮は正真正銘、立派な女の子だったよ」
「えっ、そ、それじゃあ!!」
「うむ、成績は10……と言いたいところだが……」
「な、なにか……」
「おもらししちゃってるからなぁ……高校生にあるまじき行為ってことで、8にしておこう」
「えっ!?」
おもらしって……ああっ!!
いつのまにか、ブルマーがぐっしょり濡れています。
わたし、おもらしなんかした覚えないのに……
病院に行った方がいいのでしょうか?
「ほら、もう遅いから早く帰った方がいいぞ」
「あっ、はい」
クシュン!
先生に言われたそばからくしゃみをしてしまいます。
風邪引かないうちに、早く着替えてお家に帰った方がよさそうですね。
でもよかった……
これで落第せずにすみそうです。