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(! や……やだ……)
 マリアは本能的に、自分の身体に完全に火がついてしまったことを直感した。
 熱く燃えるマリアの内壁が、身を犯す猛々しいものに、きゅうっと絡みつく。
 兇暴な楔を味わうように蠕動しはじめた内壁に、アルベルトが目を細めた。
「よくなってきたようだな、お姫様」
「! ち、ちが……あぅぁ、ああ……!」
 かぶりを振るマリアを責めるように、アルベルトの律動が勢いを増す。強烈すぎる刺激に、マリアは息も絶え絶えにあえいだ。荒々しい抜き差しに蹂躙される蜜壷は歓喜にざわめき、男の欲望に絡みついては快楽を深めていく。
「あぁ……も、やめ、てッ……もうだめ……んん!?」
 フォーゼ族のことも彼が敵だということも戦争のことも、何も考えられなかった。
 楔による蹂躙に勝手にこたえ、悦楽を追求する自分の肉体にマリアはほんろうされる。
「やだ――だめ、そんなにしないで……!」
「そんなに、と言われてもな……おまえこそ、そんなに締めつけるな」
 のけぞるマリアをきつく抱きしめながら、アルベルトは楔で彼女の開かれたばかりの蜜壷を繰り返し押し広げ、重なるひだを楔のくびれで散々にかき乱し、最奥をいたぶるように小突きつづける。そのたびにマリアは悲鳴じみた嬌声を上げた。
「あぅ……んんッ……!」
「……いい具合に壊れてきたようだな」
 アルベルトはマリアの膝を抱えたまま上体を倒し、彼女を半ば押さえこむようにしながら律動を繰り出しはじめた。深々と容赦なく貫かれたかと思ったら、根元まで楔を突き入れたまま腰を揺らされて最奥をぐりぐりと刺激され、また力強い抜き差しを与えられる。
 マリアの無数のひだはその激しい蹂躙にこたえるように淫靡にざわめき、あふれた蜜は彼女とアルベルトの茂みをも滴るほどに濡らした。
 甘く残酷な形で進められる行為に、悦楽の狭間でマリアは涙を止められない。
 ――《黎明の翼》の戦士として過ごしてはいても、自分がいつか出逢う愛する人のことを夢に見なかったわけではない。
 なのに現実は――好き合った者同士でも恥ずかしかったに違いない初めての行為を、こんな手酷い形で強いられているのだ。それも、望まぬ快楽とともに。
 身を焦がす悦楽の炎は、アルベルトが彼女の身体を押し開くたびに強くなる。抵抗を封じられた状態とはいえ、彼の動きに合わせて揺れる自分の身体が恥ずかしくてたまらない。
 そんな無意識の媚態が、アルベルトの瞳に宿る野性的な炎をあおるのも知らずに。
「……気に入ったか?」
 疼く蜜壷がアルベルトを悦ばせているのは、彼の声のかすれ具合で生々しく伝わる。
 何が気に入ったのかと戸惑い、一瞬後に気づいて羞恥に襲われた。
「気に入るわけ、ない……!」
「強情だな」
 まあいい、とアルベルトはひときわ嗜虐的な笑みを浮かべる。
 抱えた彼女の脚に軽く噛みつき、忘れられなくなるような深い声音でささやいた。
「今夜のことを覚えておけ。おまえはもう俺から離れられない」
「そんなこと、ない……ッ」
「――終わった後にも同じことが言えるのか、楽しみだな」
 実に楽しみだ、とつぶやくアルベルトの瞳のぎらつきが恐ろしくて、マリアは身を縮める。
 そうしながらも、彼はマリアを犯す動きを少しも休めていないのだ。
 秘薬のせいか蜜壷の浅めの場所で早くも目覚めつつある快楽の源への刺激と、奥を突き上げられては響く深く重い疼きが、入り乱れてマリアを襲う。
「……ッ、ふ、あぅ……ああ、ぁん――!」
 マリアの身体を貪る男は、自身の欲望を解放することよりも、彼女を堕落させるのに情熱をそそいでいるように思えた。単調な抜き差しにマリアが慣れてきたと見ると、蜜壷を抉る腰の動きを変え、指で花芯をこね回し、乳房への愛撫や口づけで彼女を翻弄する。時には、後ろの蕾をまさぐることさえあった。
 全身の性感を暴き立てられるマリアには、惨めな現実から目をそむける暇すらない。
「ふ……あぁ、んん……あつ、い……きゃあう!」
 隠しようもなく桃色に染まったマリアのあえぎに、より卑猥で激しくなった水音が重なる。
 火照るマリアの肌にキスの痕を残しながら、アルベルトは彼女を揺さぶる動きをじわじわと激しくしていった。
「俺のものになってしまえ。……マリア」
 少女の熱を帯びた身体から得られる快楽は、アルベルトを夢見心地にさせる。
 肌の甘い香り、やわらかな肢体の感触。秘薬の効果以上に、猛る楔を逃がすまいと幾重ものひだを絡みつかせる淫らな蜜壷。唇を貪りながら、蜜でぬるつく奥を楔で執拗にまさぐれば、熱い雫で先端からにじみ、少し痛いほどの快楽でアルベルトを歓迎してくれる。
「あ……あんッ、も……むり……!」
 だがもっとも興奮をあおるのは、素直な身体とは裏腹に、未だに苦悩を残しているマリアの媚態だ。甘いあえぎの合間にもれる切ない声。
 涙ぐみ、熱く蕩けた瞳で見上げられるたびに、もっと快楽に酔わせてやりたくなる。
 再びシーツの上をさまよいだした少女の手をつかまえると、指を絡めて握り合わせた。
「いい子だ……。出してやるから、すべて受けとめろよ」
「!」
 そのひと言で、ほとんど快楽漬けになっていたマリアは我に返った。
 妊娠という最悪の可能性が今さら頭の中に大きく浮かび上がり、目の前が暗くなる。
「――だ、め……いや、ぅああ……!」
「嫌と言うわりには、よく絡みついてくるが、な……ッ」
 青ざめたときにはすでに遅く、アルベルトがひときわ深く楔を突きこんできた。
 脳天まで刺し貫かれたかのような衝撃とともに、胎内で楔がびくんと大きく脈打つ。
 ねっとりとした熱いものが最奥に放たれるのを感じたのと同時に、激しい悦楽の波がマリアの身体を突き上げた。あらがう間もなく絶頂を強いられる。それまで最後の意地で抑えていた何かが崩され、全身で男にこたえてしまった。
「やッ、ああん……!」
 涙色の悲鳴が、寝台の上の闇を震わせた。
 マリアの脚はひとりでにアルベルトの腰に絡みつき、無秩序な痙攣で楔を愛し、与えられた肉の歓喜を余さず味わい尽くそうとする。アルベルトも彼女の身体を強く抱きすくめるから、子宮を突き上げられる感覚に眩暈さえ感じた。
「! あ、あぁッ――だめ……え……」
 胎内で荒々しく楔が脈動するのがわかる。精の奔流はすぐには終わらず、二度、三度と幹が震えるたびに、愛する者の子種を受けるべき深奥に熱いものが叩きつけられていった。欲情をあおられたマリアの蜜壷はそれを一滴残らず呑みこんでいく。
 アルベルトのすべてを受け入れてしまったマリアの瞳の端から、涙が伝い落ちる。
 それを見たアルベルトは、汗で貼りついた前髪をかき上げると、マリアの濡れた頬にそっと手を添えた。やがて男の薄い唇は、少女の瞳の端にふれ、涙をすくいとる。
 やさしい仕草だが、マリアには、身体だけではなく涙まで奪われるのかという絶望しかもたらさなかった。
「俺のものになるな?」
「……いや……」
 最後の意地で首を振るが、マリアの脳裡では大事な人たちの面影がぼやけはじめている。
 こんなことになっては、もはやラウラや《黎明の翼》の戦士たちに合わせる顔はない。
 だがそれでも、敵の男に魂まで明け渡したくなかった。
「思ったよりも強情だな。……こっちはうれしそうに俺に吸いついてきてるのに」
「……ッ!」
 冷ややかに言うアルベルトの手に恥丘を撫ぜられれば、望まぬ子種を存分に呑みほした胎内のことを残酷に思い出させられる。未だに小刻みに震える自分の腰からは目をそらせても、楔に満たされた胎内の感覚は消せないのが、マリアにはつらい。
 腕の中で凍りついてしまった少女を抱え直し、アルベルトが熱っぽい声でささやいた。
「そう恥じるな。……俺とて、欲情が止められないのは同じだ」
「……え?」
 不穏な言葉に焦って目を開けるのと同時に、腰を打ち合わせる濡れた音が響く。
「ッああ!?」
 混乱するマリアをよそに、アルベルトは密着した腰で淫らな花をぬめぬめとこすり、ふくれたままの花芯を絶妙に刺激する。



2011.1.9 up.

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