ゆっくりと、だが確実に、愛してもいない男の欲望が胎内に埋めこまれる光景は残酷だ。
「やだ……許して、もう……抜いてぇ……!」
思わず男の肩に爪を立て、マリアは何度も首を振るが、アルベルトはそんな彼女にあやすように髪を撫ぜるだけで陵辱を止めてはくれなかった。
「……逃がすわけがなかろう?」
耳朶に直接そそがれた吐息は熱く、アルベルトのひそやかな昂揚が伝わってくる。
ほとんど表情を動かさない、感情の読めない男だが、こうして密着するといろいろなことがわかる。熱に浮かされた頭の片隅で、マリアはそれを場違いに不思議に思った。
その間にも、長大な楔は引くことなくマリアの乙女の部分を突き広げ――
やがて未通の部分を通り抜けると、無垢だった深みに一気にもぐりこんできた。
「ああ!? ッ……ん……!」
何かが切れる音が頭の中で響き、マリアは悲鳴を上げる。
すでにだいぶ潤んでおり、秘薬まで塗りこめられたとはいえ、破華の衝撃は深く重かった。
のしかかってくるアルベルトの重みもつらくて身をよじると、彼の茂みに密着した花びらがこすれて淡い疼きを感じてしまう。こわごわ視線を落とせば、マリアの中にたっぷりと満ちた淫蜜に助けられて、男の熱く硬いものは根元まで彼女を貫いていた。
「や……あ……ッああああ!?」
無惨に純潔を散らされたことに涙ぐんだとき、アルベルトがふいに腰を引いた。
蜜壷の浅い部分にまでいったん引き戻すと、今度は勢いをつけてマリアを貫く。
「ッう……あ……!」
ずん、という衝撃が胎内から全身へと響いた。初めての熱さと圧迫感が、マリアの奥深くに生々しく刻みつけられ、頭の中が真っ白になる。
「完全には痛みを消せなかったか……。悪いが少しだけ我慢しろよ」
アルベルトに交わりやすいよう脚を抱えられても、マリアはろくに反応できなかった。
虚ろになった目からは、秘部からにじむ形容しがたい痛みと、敵の男を受け入れさせられた悲しみによる涙がこぼれつづけているが、思考がまるでまとまらない。
まるで羽切りされた鳥のように、無力にたたずむばかりだ。
「マリア」
ささやき、唇を奪われる感覚で、マリアは現実に引き戻される。
泣き濡れたマリアを見下ろすアルベルトの顔には、かすかな笑みがあった。欲した女を支配したという残酷な愉悦と、ようやく身体を結べたことに陶酔する少年の面影が調和していて、奇妙に魅力的で――憎いはずなのに、マリアは心ならずも見惚れてしまう。
唇を離したアルベルトは、欲望をにじませた声でささやいた。
「ぼんやりするなよ。――ここからは、一緒に楽しむ時間だ」
「……ッあぅ!?」
嫌だという暇も与えられず、アルベルトは乙女の狭隘を広げるように腰を動かす。
開かれたばかりの胎内のひだを逆撫でされ、圧迫感にマリアは息を詰めた。
戸惑う彼女をよそに、アルベルトはゆっくりとした律動を始める。ひくつく腰や揺れる乳房に淫靡に手を這わせながら、兇悪な質量をあらわにした逸物を引き出しては、再び少女の胎内に突き入れていった。
「あぁッ……んん――や……だめぇ……」
長大なものによる蹂躙に、マリアは切ない悲鳴を上げる。嫌なのに、血まじりの蜜で濡れ光るものが自分の中に入ったり退いたりを繰り返している光景から、なぜか目が離せない。
逃れようと腰をひねるだけで圧迫感が身を侵し、楔の張り出した部分に内側のひだをかき乱されて息が詰まった。だが処女地を食い荒らされる苦痛は、しみこんだ秘薬により軽減され、急速に恍惚感へとすり変えられていく。
「ん……あ、あぁ……あ!」
「……思ったよりも早く効いてきたな」
アルベルトは感心したようにつぶやくと、抱え上げたマリアの脛にキスしながら、狭い胎内のざわめきを堪能した。
悲鳴のような甘い声にも現れているように、秘薬に酔ったマリアの身体はアルベルトの責め苦で蕩けはじめていた。破華のつらさを散らしてやるために、ふくれた花芯を指の腹でそっと愛でれば、細い腰が敏感に痙攣する。そのたびに豊かな乳房が揺れるのが目の毒だ。
――どこもかしこも可愛らしくて、何から貪ればいいのか迷ってしまう。
想像以上の心地よさ。
そして自分で予想していたよりも強く、このフォーゼ族の少女に魅了されている。
「んッ、ん……あ、あん――はぁ……あ……!」
アルベルトの楔で蜜壷をこね回され、重く深い刺激にあえぐ少女の手が、シーツの上をあてどなくさまよいだす。アルベルトはすぐにその手をとり、自分の首に回させた。
敵の男にすがりつくことを恥じてか、マリアは慌てて腕を引こうとするが、押しつけた腰で淫らな花全体を刺激してやると、彼のもくろみどおり強くしがみついてきた。
隙間などないように強く抱き合えば、一体感と愉悦がさらに増す。
「ぅ……ッんん、あ……?」
マリアは瞳を揺らした。律動がゆるやかになったと思ったらアルベルトは、甘噛みされるとたまらない心地になる乳房の先端に、その整った顔を寄せていた。
小さな果実を強く吸い立てられ、マリアはのけぞりながら彼の黒髪をかき混ぜる。
「ふあ……ッ、ん……んん!」
アルベルトの傲慢な宣告どおり、甘い疼きは破華の痛みをどんどん塗り潰していた。
幾度も胎内を出入りする楔の、熱く硬い圧迫感に混乱しながらも、マリアの熟しきらない秘部は男の与える感覚に酔いはじめている。誇りを踏みにじられる苦痛から逃れたい心が、ひと時の快楽に救いを求めているのだろうか。
無数のひだを貪る動きに、再びあふれだした蜜が楔のすべりをよくして、アルベルトにより激しい蹂躙を促した。淫猥な動きで胎内をかき回されながら、奥を小突かれるたびに、マリアは深く強い悦楽の波に巻きこまれていく。
「あ、はぁ……ッんん……あう……!」
マリアの肌に口づけながら、アルベルトがひときわ苛烈に突きこんできた。
蜜壷の一番深くに楔の先端を叩きつけられた刹那、マリアの身体がびくりと大きく跳ねる。
「はぁッ……あ……ッ……?」
軽く達したのだが、それはあまりに中途半端で、絶頂と言うには程遠かった。
物足りなさを感じてしまったマリアの体内で、性感が異常なくらい高まっていく。
慣れない異物感に満たされた下腹部を中心として、淫らな熱がほとばしるように渦を巻いた。