ファンタジスタの人生 《9》 曲がりくねった彼の足跡
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10月9日 木曜日
今日の麻生君弁当はモダン焼きだった。 こういうの初めて食べたけど結構美味しい。
でも上にはソースだけで、マヨネーズはいらないなと思ったんだけど、そんなの邪道だって麻生君がカンカンに怒ったからかけた。
ムキになる麻生君もステキ☆
*広島 「焼き衛門」 の駅ビル出店をアプローチ。 資金面での支援がどこまで有効か・・
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お好み焼き界の名店『焼き衛門』の東京進出はそう、この頃だった。
それもそこの駅前。
どんだけ支援したんだよ、レベル違い過ぎてコエエよ……
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10月4日 土曜日
麻生君と一緒に、駅ビルとヨドバシに行った。 ゆう、こういうところで買い物するの初めて。
でもちょっと一人にしてたら、変な女の子にナンパされててムッカー!
その子、ゆうが麻生君引っ張ったら 「今からトモダチ呼ぶんでどうですかぁ?」 だって。 バカみたい!
ショッピングは楽しかったけど、麻生君なかなか買わないんだよね。 何でも買ってあげるよ? ってゆうは言ったんだけど、
「何バブリーな親父みたいなこといってんの?」 って、ぜんぜん本気にしてくれない。
ゆうは本気なのに。
結局麻生君はヨドバシでゲームソフトを一つと、ぎゅって押すと牛がゲロを吐く携帯ストラップを駅ビルで買った。
確かに、三越にこれはないな。
* 麻生は押しに弱い(妙な女に言い寄られても断れない)→ガード強化
* 麻生の好み(面白グッズ・キワモノ可)リサーチ・買い付け→ 原
* 無双シリーズ(好きらしい) 次作に麻生の意見を取り入れられないか検討
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逆ナンにバカみたいってお前、ニコニコあしらっといてそれはないだろう?
結構可愛かったのに、世の野郎どもに刺されるぞ?
押しに弱いって、ほっとけよ。
だいたい薄型テレビとか見てて、買ってやる言われてもな…… しかも同級生のダチに、
そんな価値観の違いが、擦れ違いを生むのだ。
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10月2日 木曜日
ゆうのお弁当当番日。 美味しいねって言われたら嬉しくって、そのあと麻生君と一緒にお昼寝しちゃいました(きゃ〜)。
麻生君の寝顔にドッキドキ!! 綺麗だなぁ、可愛いなぁ、しゃべらない麻生君は白薔薇のお姫様みたいです☆
でも、酷いんだよ。 麻生君、ゆうの口が伸びる伸びるって、指で(きゃぁ〜)その指を今度は自分のに!(きゃぁ〜)。
ねぇ、それって間接キス? うわ〜恥ずかしいよう!!
それに麻生君…・・・ ヤろうヤろうだなんて言っちゃ駄目、すっごいダイタン。
ダメダメ、絶対他の人にそんなの言っちゃ駄目!
でもゴメンネ、ゆうに拳骨は無理みたい。 頑張ったんだけど。
* 至急、口腔外科予約 噛み合せに支障アリ
* 無自覚は恐い。 己の限界を感じる。 周辺のガードを。
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悪い事をしたとは思っているが、コイツも、もーなんか涌いてるんじゃないだろうかと不安だ。
けどもなぁ、まさか医者に掛かるほどだとは、ごめんよ、けども、あんまし反省したくないのも事実だと言っておこう。
つーか限界ってナニ? 無自覚って、なに? 知りたくないから言わなくてイイけども。
ともあれ、金持ちは限度を知らないから困る。
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10月29日 月曜日
麻生君とジャグジーにはいったよッ!! きゃーきゃー子供みたいに大はしゃぎで可愛い!
攻撃ッなんて、ゆうに飛びついてきて、濡れた素肌が・・・・・・うわーもう、心臓バクバクしちゃう!
でも麻生君、ゆうの事ジロジロ見るから恥ずかしいっ! あーあ ゆうも麻生君みたくトランクス型にしとけば良かった。
だけど、麻生君てば 「いや、それで正解! トランクスやばいッ、泡が横からチンコ直撃ですっ! 超やばい!」 だって。
もーそういうこと言わないで! デリカシーないなぁ……
でも好き。
* 予想以上にキた。 当分ジャグジーは禁忌。 自己鍛錬続行。
→ 貸切可能な室内プールを検討 スライダー取り付け工事可能か?
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あああアレは、アレだった、ジャグジー最高だった。
だけど、途中で小泉がのぼせて鼻血噴いてお湯が真っ赤に染まる惨事があって、その理由は一生知りたくないけども、
いや、だってあいつ、気合の競泳用穿いてきてるしさ、そこは見るだろう男のサガっていうの?
でかいしさ。 おぉすげぇ! って。
そういやそのあと、知り合いのとこだからって室内プール連れてってくれたよなぁ・・・・
普通のプールなのに何故かスライダーが一機ついてる奴。
それ、お前、
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10月25日 木曜日
今日はゆう、一生忘れないよ。 お弁当は麻生君の日で、麻生君、オムライスを作ってくれた。
前のがあるから、こっそり事前に整腸剤と胃薬を飲んどいたけど、ゴメンネ、疑っちゃったんだ。
でも、今回は違う。 綺麗な大きなオムライス。
ケチャップで、ゆういちって書いてくれた! 横っちょにハートもついてるんだよ!!
好き好き、麻生君大好き! こんなの、食べたことない。 こんなの誰も、ゆうに作ってくれなかった。
ゆうは全然気にしないけども、麻生君いつも、不味いだろ? もっと頑張る!
って努力してくれる。 麻生君がすごく頑張ってたの、ゆう知ってるよ。
でも、美味しいお弁当って、味とか料理の技術だけじゃないんだって、麻生君はわかってるのかな?
ゆうにとって、麻生君のが一番。 ゆうのために作ってくれたんだもの。
また作ってね。 また名前書いて欲しいなぁ。
* 東海フーズから、寺内の引き抜きを検討。 彼の鯖味噌煮が絶品らしい。
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ほら見ろ、小泉 『食に関する幼少トラウマ説』 !
俺の読みはあながち間違っていなかった。
そして学食の寺内さん・・・・この時点で魔の手がもう。
けど、改めてこんなに手放しで好き好き大絶賛されてるのを見ると、俺はどんだけの事をしたのだろうと自分でもただ戸惑う。
たいしたことではない。
けど、きっとそれは小泉にとって意味あることだったのだろう。
その評価が妥当なのかどうか、それは恐らく、小泉本人にしかわからない。
他人が見たら、くだらないことなのだ。
そう、何でも、他人からすればくだらない。
たいした事じゃぁなくて、つまらない事。
だけど、どうなんだろう?
じゃ、くだらなくない事って何?
小泉は俺だけを考え、俺だけのために動く。
それは馬鹿馬鹿しくて間抜けで、時には病的なくらいの情熱で麻生君、麻生君、麻生君。
どこを取っても俺のことばかりだ。
でも、それはくだらない?
つまらない?
そうじゃないんだ、
なんでだろな? なぁ小泉、なんで?
俺なんかさ、だって俺なんかたいした事ないのにさ。
俺なんか、お前みたいなのに比べたら十派一絡げなのに、だけど、小泉は見ている。
見ていて喜んでくれる、考えてくれる、心配してくれる。
まぁ、大抵は見当違いだけど。
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9月22日 月曜日
麻生君が火傷をしていた。
よく見ると、指に何箇所も小さな切り傷があってカットバンを貼っている。
どうしたのか訊いたけど 「いつまでもメシマズな俺だと思うなよ?」 とか言ってて、教えてくれない。
でも、麻生君のお母さんが教えてくれた。 麻生君、料理の練習してるんだって。
料理下手だから、ゆうに美味しいお弁当食べさせてやろうって、猛練習してるんだって。
鍋が三つも駄目になったってお母さんはカンカンだったけど、ゆうは嬉しいよ。 嬉しくて、泣いちゃう。
* ル・クルーゼ社及びティファール社のカタログ請求至急 → 岸 麻生母へ(町内福引を企画)
加えて、当社負担で五年間無料保証をつけてみるのはどうか?
9月18日 木曜日
昨日のこと思いだすと、うわぁー照れちゃう!! 無自覚って罪。
だからちゃんとモーニングコールしてあげてるけども、麻生君て寝起き凄い 『ツン』 だよう・・・・・・
でも、ちゃんと目が覚めたらゴメンねぇ〜って可愛いからゆるす!
はぁっ・・・・・・それもこれも、無自覚がいけない・・・・・今までどうしてたか考えると、ゆう、胃が痛くなっちゃう。
今日も四時おきでお弁当を作った。 でも、全然大変じゃないんだ。
麻生君がなんでも喜んで食べてくれるから。 湯葉、気に入ったかな? お取り寄せして良かった!
* 京都御ばん屋の板長を短期召喚 → 召喚OK 松方に徹底習得させる (フレンチの出だから和モノにいまいち弱い)
9月17日 水曜日
麻生君、意外に手先が器用。 ゆうも得意な筈なんだけど、でもあんなのはフェイント。
駄目だよ、麻生君はちゃんとしなきゃイケナイ! あんな、あんな、もうもうもうっ!
自分を知らな過ぎるから困るんだよね。 白い肌がちらちらしてボタンどころじゃないよ、目の遣り場に困っちゃう!
何か間違いがあってからじゃ遅いんだから、駄目だよって怒ったけど、あんまりピンときてないみたい。
やっぱり、ゆうが守ってあげなきゃ駄目だ。 無防備過ぎるから。
でも、ギュウッてしてくれたのは嬉しい。 ほそぉ〜い! 良い匂い!
うっとりしちゃったから、麻生君が何か言ってたけどウンウン言っちゃったんだ。 ゴメンネ。
* 七時のモーニングコールを実施 確実に!!
* 指定シャツの生地を、厚めに設定してみてはどうか(特に胸元)? 或いは、デザインにて改良は可能か?
ベスト着用を義務化? → 理事に提案
* 身辺警護を継続。
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そうだ、このあたりから俺は、毎朝小泉のモーニングコールで起きる様になったのだ。
自慢じゃないが寝起きが非常に悪い俺だから、三回に二回はとっても柄が悪くなっちゃって、優しい小泉に 『るせぇなッ!』 だの 『黙れ!』 だの恫喝してるっぽい気がする。
ま、お袋だったらココで鉄拳制裁だけども、でも、小泉は懲りないで掛け直して何度でも優しく起こしてくれる。
その甲斐あって俺は、転校以来の無遅刻を誇っているのだけど、けども小泉は俺に甘過ぎるのだ。
なのに、そんな優しい小泉は、こんな酷い目にも…… しかも俺のせいで。
ゴメン、そこまでそんなだとは俺だって、わざとではないし、普通に事故? 不慮の事故?
ていうかゴメンッ!
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9月13日 土曜日
遊びに来いよって言われたけど、断った。 行きたかったよう。
* 粥食から始めたが食後に鈍痛あり → 内服続行。 整腸剤は10日間、抗生剤は飲み切りと。
9月12日 金曜日
麻生君に集中出来なかった。 登下校して授業に出るだけでやっと。
ビデオ屋寄るっていう麻生君に付いて行くことも出来なかった。 悔しい。
* 下痢は治まったが吐き気が止まらない。 食事を受け付けないので、放課後、再び濱口の往診を依頼。 点滴を受ける。
9月11日 木曜日
今日は麻生君の、初めての手弁当を食べる! …… 何ていうか、色々独創的だった。
一口目で舌がビリッとして苦い? 何だったんだろう、香辛料? うぅん、でも、気持ち、気持ちの問題!
麻生君が朝早くから苦労してたのは知ってるから、だからゆうはすっごく嬉しくってすっごく幸せ!!
でも、食べて30分もしない内に酷い吐き気がして、お腹も下ってしまった。
午後の授業をパスして、何とか麻生君と帰れたけど、今も、なんだかすごく、悪い。
嫌だな、愛は勝つはずなのに。 あ、冷や汗掻いてきた……
* ドクター濱口の往診を依頼 胃洗浄後点滴を受ける 抗生剤と整腸剤、頓服で鎮痛剤を処方
* 麻生への愛を試されている気がする
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な? バカだ。
けど、けどさ。
相当悪かっただろうに、あいつ全然そんな風にしなかった。
俺に心配させないため? そんなに俺のこと?
でもだからッて、やっぱ普通にバカだと思う事もある。
あれ、そんなにショックだとは知らなかったんだよ、でもなぁ。
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9月10日 水曜日
麻生君は、ゆうが颯爽と救出! する筈だったんだけど計画成功のようなそうでもないような……。
だって麻生君、怖がらないんだもん。 すぐにお財布出して 『ゴメンネ、俺手持ちこんだけ。 庶民だから勘弁してよ?』
ってニコぉ〜って笑ったりするんだもん。
ダメダメ、その顔反則! エキストラの人たち、思い切りほだされちゃってるよ!
ほんとに駄目だよわかってないんだからッ、この状況でそういう笑顔は危険。
とりあえず何とか、ゆうが悪い人を追い払った感じになったけど、でも、まだ麻生君にとってお父さんなのかなぁ。
甘えてくれるのは嬉しいけど、でも、それは厭だなぁ。
* エキストラの人選に失敗 妻帯者をも惑わすとは…… 原には強く言っておかねば。
* 麻生は思いの他に肝が据わっている。 これも柔軟性か?
* 脱、父性 代案を!
9月8日 月曜日
図書館を気に入ってくれたのはいいけど、マンガ読み始めた麻生君は自分の世界に入っちゃうんだよね。
すごく喜んでくれてて嬉しいんだけど、でも、お父さんって…… ショックです。 ショックだよ。
* 父性で定着しては今後の展開に支障アリ →原と対策を練る
* **
あの日は珍しく駅裏を回ろうって小泉が言いだして、普段通らないルートで帰り道を急いだ。
なのに小泉の奴、急にコンビニに行くとか言って、すっげぇ暗い路地裏付近に俺を放置して居なくなっちゃって。
まァ、言われた通り待ったんだけど。
そしたら入れ替わり、いかにもなチンピラ君二人が来て、お金貸してよとかいうのな。 いわゆるカツアゲ?
ンな事言われたらアレだ、俺なんか払っちゃうんだよ。 揉め事嫌いだしさ。
だってどうせ、現金なんか二千円くらいしか持ってねぇもん。
二千円で怪我したらバカだろ?
ところがチンピラ君、俺が財布出したら 『仕舞ってッ! それ仕舞って下さい、早くッ、お願いッ・・財布仕舞って下さいッ!』
って小声で必死に訴えちゃって三白眼が泣きそうなの。
なんだよ、俺せっかく愛想良く 『オッシャルとおりですスマイル』 振りまいてんのに。
じゃ、どうしようかなぁって財布握って固まってたら、キョロキョロその辺見回して、今度はヤケッパチみたいな声で
『じゃーオニーサン俺らと付き合って貰おうかなぁッ!』 ってさァ。
変だろ? 俺払う言ってんのに、なにアンタたち人の話し聞いてんの?
ていうか俺ココにいんのに誰に向かって言ってんの?
だいたい付き合うって何よ、どこよ? 一緒に駅前のカラオケ館でも行けって?
で、 「あのー俺、連れいるんですけどもー」 とか話してたら 『何をしているッ?!』 って小泉君登場。
何って見りゃわかるじゃん、絡まれてるんだよ。
しかも、あの人コンビニ帰りなのに手ぶら。
で、特撮ヒーローみたいな立ち回り披露して、挙句の果て、チンピラ君がサヨナラしたあとヒシと抱擁
『あぁ、これだから君は目が離せない……』
ってお前だろ、お前が俺、ココに置いてったんだろう?
――― というのがヤラセだったっていうのは、ナルホドと思うけど、馬鹿過ぎてベタ過ぎてガッカリ。
内容からいえば普通にドン引きなんだけど。
けど、でもなんかさ、あいつさ、小泉がやってる事は、そういうのとも違くて。
上手く言えないけども、違うんだ。
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9月4日 木曜日
ふれあいランチは大成功、企画して良かった! 勿論、ゆうのお弁当は大好評。
早起きして頑張った甲斐があったよね! でも、今度は麻生君の番だよ? って言ったら青くなってた。
大丈夫、塩結びだって、麻生君が作ったなら御馳走なんだから!
放課後、トレーニング棟を案内したら、麻生君、ジャグジーに入りたそうにしてた。
えええじゃぁ、入ればいいのにっ!! ゆうも麻生君と入りたい! 入ろう入ろう言ったけど、またね? だって。
えー残念。 でも、またって言ったよね? 絶対言ったよね?
* ジャグジーは惜しかった → いつでも貸しきれるように管理委員会に一言打診しておく。 水着を常備。
麻生がいつでも入れるようにしておかねば (機を逸するな!)
9月2日 火曜日
麻生君に校内を案内する。 麻生君は方向音痴。 中庭で居なくなったときは焦った。
馬が好きみたい。 そのうちプレゼントしたいな。
* 校内表示の充実化・新たな案内板の設置 → さりげなく
* 麻生専用のおとなしい馬を、旭川の厩舎から取り寄せ検討。 子馬から育てるのも愉しいかもしれない。
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馬なんかいらねぇよ。 ていうか育てる自信もねぇし。
けれども、小泉のやる事を、全否定出来ない俺がいて。
嫌だと心底思えない俺がいて。
例えそれが、普通のそれと掛け離れていたとしても。
しょっぱなから、軸はズレッ放しだとしても。
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9月1日 月曜日
いよいよです! ゆうと麻生君のドキドキ学園生活が始まりました!!
リハは何度もしたけど、みんな上手くやってくれるかなぁって心臓がバクバクだったよ。
岸から最終ポイント通過の連絡が入ってすぐだったから、ゆうも心の準備が足りなかったみたい。
ホントにビックリしちゃったよ。 だって麻生君、スゴイ勢いでぶつかってくるし、怒ってるし。
ふふふ、憧れの子が、トースト齧りながら曲がり角でドカン…… 夢だったんだよね〜。
麻生君だって、そういうドラマティックな出逢いをしたらきっと、ゆうのこと意識する筈だもんっ!
しかも麻生君って凄いツンデレなんだ。 もう、ゆうの理想ピッタリ。
そんな麻生君と手をつないで学校に行けるだなんて幸せ。 細くて綺麗な手。
ゆうのほうが背が高いから、チラって上目遣いで最高!! これ、萌えっていうんだよね? 萌えっ!!
あれもしたいこれもしたい、嬉しい計画で頭の中パンパンになりそう!
でも、急な転校は不安だったんだね。 大丈夫かなぁって麻生君、急に泣きそうな顔するから、もう、ゆう、きゅんとしちゃったよ。
平気。 大丈夫。 麻生君は絶対ゆうが守るから! 絶対だよ!
そうそう、麻生君、滅茶苦茶身体柔らかくって、これにもビックリ。
ゆうの事も、力持ちだねぇってペタペタ触るし、ぶらさげてミロ〜ッて腕にしがみ付いたりするからドッキドキ☆
でもいきなり 『肩車!』 って飛び掛って来るの、それ、ストレッチじゃないってばぁ!
あと、ギャクエビッて捻られて、痛い事された。 泣いちゃうくらい痛かった。
なのに、麻生君、 ギブ?ギブッ? ッて凄く嬉しそうだった。
ギャクエビッて何?
麻生君って本当に、予想外。
* ストレッチを週間行事にしたのは短慮だったかも知れない。 予想以上に理性を試される。
* 初日ではあるが、新密度は上々。 だが、人懐っこ過ぎるのも考え物 (加えてドS。 最強。)
* 周辺警護の人選を再考出来れば既婚者、子供アリが好ましい ミイラ取りが、ミイラになっては堪らない。
* 岸は上出来。 寺内と子役はまずまず。 しかし、桂の演技力には驚いた(何らかの賞与を) 。
対して、松方には冷や冷やさせられたが、あの男には精一杯かも知れない。
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要するに、全部仕組まれてたってこってすよ。
ある意味印象深いと言うか、死ぬまで忘れないインパクト。
アレもコレもみんな ―― まんまと小泉プロジェクトの一環だった訳ですが。
だが、ここで日記は終っていた。
えッ? ここで?
*ファンタジスタの人生*9. 第10話に続く