課題B 間違ったBL
『ハイスクールはヴェサメレム〜チョ』
教えて、恋ってどんな色?
窓の向こう、小さな青に光の粒が無数に弾けた。
ここは私立海洋学園。 海を見下ろす丘の上、創立60年の歴史を誇る、金持ちと馬鹿とホモしかいない、
蔦の絡まる赤レンガも淫靡な素敵学園。 オレ、河村ジュリアンは小中高の、今、二年まで、
たっぷりここでぬるま湯に浸り、身も心も海洋ナイズされた、ヤッテお得なリヴァーシブル。
ここ数年、偏差値とモラルなら、ダウ平均株価より下落の一途だぜ!
数字念仏ティーチャ―橋野が、なんだかタルタル遣っている中、前の席の喜多見アモレが
ぐるりと振り返って、火みたいに囁く。
「なぁ、この後フケようぜ・・」
言うだけじゃねぇ。 シャーペンを握るオレの指をはがし、細く白い自慢の指先を、
奴は尖った舌でチロリと舐めた。 その舌は今朝方間で、オレのチンコを隈無く舐め上げ、
オレの指は、艶かしく撥ねる奴の身体の隅々を辿り、ベタベタのヌルヌルで上になり下になり、
穴とチンコをヒリヒリさせて、貴重な睡眠時間をすり減らした。
泣きボクロのある、常に欲情中な、アモレのスケベ顔がまた、こう、ソソルんだなぁ。
「お前も、好きな・・・ホント、」
「人の事言える? ジュリアン。」
覗き込む華奢な顎を捉え、薄く開いた唇を、ついと、掠めるキスをした。
「ほら、そこの発情コンビ!! 遣るんなら別んとこでヤッテくれ!・・これ、終わったらな。」
「うぅ〜ん、喜多見ィ! あやかりたいよう!!」
「憎いね、ジュリアン! このやろ、テクニシャンめが!!」
やべぇ、橋野センセはカンカンだ。 しかも、クラスの奴ら、好き放題言いやがって!
うわぁ・・一之瀬がえらく怨念込めて睨んでる!!
「ゴメンね、センセ!続きはお薦めスポット視聴覚室でヤリますから!!」
アモレが余計な挑発をする。 瞬間、青になり、赤になり、口篭もるのはティーチャ―橋野。
センセ、詰めが甘いよ、バレバレだって、視聴覚室はセンセと
現国の臣センセの逢引スポットだって事!
オレとアモレは去年の文化祭で芝居に出た。
「渡る世間はホモばかり〜ツゥ!〜」オレが演じるオカクラ亭主がムラムラして、
嫁ぎ先のラーメン屋コウラクでひでぇ目に遭ってるらしい、娘(アモレ)を厨房で押し倒し、
立ちバックで攻めるってな、ドメスティックハードロマンだった。
勿論大受けだ。 以来、オレとアモレは公私ともに、突っ込み場所満載な関係となり、
それはまぁ、潤ってイイとして、兼ねてよりアモレのセフレだった一之瀬が、激しくオレを恨むようになる。
恨まれたってよう、てめぇはオレよか粗チンで、オレよか緩々だったってそんだけじゃん。
何しろ、オレ、親父はイタリア人だし、タラシで粋なの親譲りだろ?
華やかなナリはお袋酷似、栗色の髪は天然ウェーブ、薄い瞳が琥珀みたいと、
ガキの頃からちやほや育ち。
若様面の、一之瀬だって、そうそう悪かぁないルックスだが、
言っちゃなんだが俺のが上だ。
そんな風に、うれしハズカシ楽しく遣ってく筈だった。 筈だったのに、奴がイキナリ、とっ掻き回した。
奴の名は、越谷ミッシェル。
悪魔みたいな、綺麗なオトコ。
* * ポイント
どこが間違ってるとか、き、聞くなぁっ!!!!
実は好きだ。 こう云うの。
次!!
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