「怨霊!?」
薙刀はない、それでも荒法師として名を馳せていた弁慶だ、全く無力な訳ではない。
だから構えて振り返ったのに……けれどそこには何もいなかった。
「……よかった」
けれど同時に、どっと疲れを感じてしまった。
こんなとき、もう少し法力を身につけていれば何かが違ったのだろうか?
それを嘆いた事はあまりなかったが、やはり高位の僧に比べれば力の劣るのは自覚している。
以前の八葉には高い霊力を持った者もいたという。
だけど、自分の性格で霊力を高め清浄な心を持つべく苦行に耐えられたかといえば、話は別だ。
A 昔から興味のないことには飽きっぽいと怒られていた気がしますからね
B でも、薬師としては結構評判いいんですよ、僕