弁慶はあたりを歩いてみることにした。
景色はどう見ても鎌倉だ。
冬なのまではいいとして、何年前の冬なのか、それが全く分からない。
弁慶は試しに頼朝のいる鎌倉御所へ行ってみることにした。
途中の街並みも、弁慶の知る鎌倉と全く同じだった。
その上、何人か見たことのある顔に声までかけられた。
「……弁慶殿、どうしてこちらに? 九郎殿も一緒ですか?」
彼は、弁慶を見て驚いていた。
……もしかしたら、この時空の弁慶は鎌倉にいてはいけないのだろうか?
うかつだった。思ったけれど、見つかってしまったのだから後の祭り。
弁慶はとりあえずこの場を切り抜ける。
A 「いえ、実は極秘裏に動いているんですよ」とごまかす
B 「鎌倉殿はお元気ですか?」と話題をすりかえる