景時の家に向かいながら、弁慶は少し考える。
どうして今自分はいきなり鎌倉にいるのだろう?
あの白い光が白龍の力なのはわかった、時間や時を超えているだろうことも想像はつく。
でも、だからって何にもなくこの鎌倉へ来る、その理由がなにかあるのではないか?
呼ばれたのか、もしくは弁慶が望んだのか?
……けれど、どちらにしても心当たりは全くなかった。

考えているうちに梶原の家の前についた。
おおよそ静かで、八葉が皆揃っている気配はない。
九郎も多分いないだろう。彼がいるなら屋敷の前に馬なり従者なりがいると思える。
家主である景時がいるかどうかは分からない。


けれど弁慶は、

A 呼ばれているのではないかと判断して屋敷の門をくぐった
B 呼ばれていると思いこむのは安易だ、と、そこを離れ様子を伺うことにした