原稿もやらずに何してるんだか!
差し出されたパッケージを見て、バーナビー・ブルックスJr.は片眉を上げた。
女の子らしい可愛らしいピンクのラッピング。
それだけならパッケージを差し出した彼の娘の好意と分かるが。
シックなモノトーンの箱がもう一つ、とあった。
「これは?」
尋ねれば少し目元を朱くして。
「いや、普段の礼、みたいな?」
決まりの悪そうな表情で、目を泳がせる。
「たいしたもンじゃねぇし、その、よければ、さ。」
困ったように笑う顔が、少しだけ淋しそうなのは気の所為でないことぐらい。
バーナビーも承知している。
本来の仕事を終えて、会社で一汗流せるのはヒーローである彼らの特権だった。
広くはないが、しっかりした設備なので仕事終りに遠慮なく使っている。
出動を終えて早速、虎徹はアンダースーツを脱ぎ捨ててシャワールームに入った。
遅れてバーナビーも入る。
「ねぇ、虎徹さん。」
お湯のカランをひねろうとする虎徹をバーナビーは呼ぶ。
「なんだー?」
警戒心の欠片もないのんびりとした返事が返ってくるのみ。
「返事を、と思いまして。」
無防備なままの虎徹の体を壁に追い詰める。
「返事?」
何の返事だ、と問うてきそうな目が揺れていた。
「そう、返事です。」
壁に追い詰めた体に、己の体を寄せる。
ぴたりと体が重なった。
太腿、腹、胸、そして、股間。
「あ、あの...バーナビー、さん?」
あまりの近さ、否、密着に顔ごと虎徹は視線を逸らした。
「近すぎや、しませんか?」
あくまで戯けていようという虎徹の魂胆だが。
「貴方、冗談にしてうやむやにするでしょう?」
と、バーナビーに読まれてしまっている。
ぐ、とバーナビーの腰が突き上げるように動いた。
「ひ!」
動きに驚いた悲鳴が零れる。
だが、逃げる気配はない。
グイグイと腰を押し付け、ゆっくりと確実に反応していくペニスを擦り付ければ。
「...くふ...ぅ...」
声を上げまいと、歯を食いしばる虎徹の頬が。
見事に朱で染められていた。
少し逃げ腰なのは。
太腿の内側に力を込めて隠そうとしているからかもしれない。
バーナビーは性的な動きを止めずに片脚を掬い上げる。
「ひゃ!...やめ...」
力を入れる場所を失い、隠そうとした場所を露わにされれば。
反応した彼のペニスが姿を見せる。
その虎徹のペニス目掛けて、バーナビーは己のペニスを滑らせる。
片手にソープを取り、虎徹のペニスごと握る。
ぬる、ぬる、とまるで内側を犯すような動きで互いのペニスを滑らせる。
「...あ...あぁっ...いぁ...」
甘ったるい喘ぎ声。
虎徹から普段の礼にと貰ったチョコレートより、甘い。
裏筋を合わせて、擦る。
気持ちよさに熱が震える。
荒い吐息と甘い喘ぎが響いていた。
「ばに...やめ...あ...あ...」
やめて欲しいと言うなら、逃げればいいのに。
なのに逃げる気配はない。
涙を浮かべた瞳が、欲情を映す。
ゾクゾクと背中がわなないた。
一口入れたのは。
甘さを控えた生チョコレート。
不揃いの、手の込んでない。
「...あ、あ...やめ...いや...」
何が"普段の礼"だ。
手作りの甘くなくて、甘い生チョコレート。
「...ひ...」
がくりと虎徹の体が崩れるのを支え。
ぶるりと背中が震える。
あぁ、中に入りたい。
強く、突き上げれば。
虎徹の肌に精液をぶちまける。
「いあぁッ!」
体を仰け反らせて、虎徹も熱を弾けさせた。
二人の精液が肌を濡らす。
吐精したのに落ち着かないのは。
ビクビクと震える虎徹の所為。
「なんで...こんなこと...」
泣きそうな声が、バーナビーを問い詰める。
「そう思うなら、逃げればいいじゃないですか。」
未だに体を震わせたままで、虎徹は俯いてしまう。
言葉を失くしたままで、それでも泣くまいと。
「こんなことをするぐらいには。」
彼の体を腕にして。
「貴方を愛しているんですよ。」
耳元でこっそり囁く。
そうすれば耳まで朱くして。
委ねるように体を寄せる。
素直に好きだと言えないから。
だから、手作りのチョコレートを普段の礼にして。
どうしようもなく、かわいいと思えばじわりと熱が上がる。
再び硬さを取り戻した感触に、彼は目線だけを上げて。
「その...先もするの?」
と聞いてくるから始末に負えない。
だから。
「ひゃぁ!」
太腿の間に手を伸ばして、その先を辿り。
僕を受け容れるはずの、硬く閉ざされた場所に指先だけを沈めて。
「ここをしっかり解してからです。」
と、口付けた。
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