地獄の果ては恋路の末路

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ツイッターで頂いたお題!!!

「Tバック履いて虎徹さんに見せ付ける兎さん」

 

そして。

どうしてこうなった!!!

なんというか、方向性が間違いすぎて収集つかないことに...。

すまん...もう何がなにやら...orz

午後10時。
シュテルンビルトは夜に沈み、夜景の影をいっそう濃くする時間。
時間ぴったりに、虎徹は通いなれた部屋へのチャイムを押した。
返事はない。
だが、それはいつものことなのでお構いなしに開くドアの向こうへと入り込む。
生活感を一切排除した何もない部屋。
それが、虎徹の相棒であるバーナビー・ブルックスjr.の部屋の状況である。
一枚の巨大な窓近くに、彼の気に入りのチェアがある。
その手元にはPCと幾許かの酒。
間接照明しか灯さない部屋はいつも薄暗い。
「...バニー、来たぞ...」
トレードマークのハンチングを握り締めて、虎徹は振り絞るように声をかけた。
「知ってますよ、おじさん。」
バーナビーは忍び込むように入ってきた虎徹に目を合わすことはない。
チェアに深く腰掛けて、シュテルンビルトの夜景を楽しんでいるようだ。
「貴方も、律儀な人ですね。」
虎徹は、バーナビーとある罰ゲームを交わした。
現場でミスをする度に1回。
それがどんな些細なミスであろうとも1回。
セックスをさせろという要求を飲むこと。
 
(―あぁ、可愛そうに、そんなに震えて...)
 
虎徹のハンチングを握り締める手が、小刻みに震えている。
痛ましいほどの恐怖が、バーナビーにもじわりと伝わってくるようで、酷く心地いい。
でも、その虎徹の恐怖に流されてしまってはバーナビーの目的は果たせない。
「おじさん。僕の愛しいおじさん、こちらへ。」
バーナビーはチェアに腰掛けたまま虎徹を呼び寄せる。

『貴方が好きです、おじさん。』

バーナビーはちゃんと虎徹に告白した。
嗜虐心を煽る彼の存在がとてつもなく愛しいのだと。
だが、虎徹はそんなバーナビーを信じられないと言った。

(馬鹿な人だ...)

『好きなら、虐めたいほど愛してるってねぇだろ...。』
今にも泣き出しそうな顔でそう言ったのはどこの誰だ。
ありったけの罵声に、そしてバーナビーを殴りでもすれば諦めてやってもよかった。
言い換えれば。
『そんな愛され方はありえない。』
と言っているようなものだと本人は気付いてないらしい。
だったら、とバーナビーが思いついたのがこの罰ゲーム。

(貴方を僕の虜にしてみせますよ)

戦々恐々と近付く虎徹の足音が、バーナビーの鼓動を高鳴らせる。
がたがたと震える足音が、やがてバーナビーの前で止まる。
虎徹が今見ているのは、チェアに尊大に腰掛け脚を組んだほぼ全裸のバーナビーだった。
浮き出るような肌の白さが、間接照明と相俟って幻想的な美しさすら感じさせる。
「な、バニー...。」
今にも、止めようぜ、という言葉が聞こえてきそうだが。
「この前も、あんなに愛し合ったでしょう?」
怯える虎徹の体を開いて、快楽の果てにバーナビーを受け入れさせた。
決して無理なことはしていない。
本当にダメなようなら止めることも考えていた。
だが彼は受け入れた。
「あ...愛し合った...って...。」
虎徹はどうしても認めたくないらしい。
「貴方も頑固な人ですね。」
本気で嫌だというなら、律儀に時間ぴったりに来ることはしないだろう。
どんな葛藤があるにせよ、約束を守ってここにくるのだから虎徹が拒否を言う筋合いはない。
「...頑固って...なンだよ...。」
未だにハンチングを握り締めたまま。
どうにか震えを止めるために、ガチガチに強張ったままでいる片手はそれでも震えていた。
「わからないなら、いいですよ。」
仕方のない人だとでもいいたげに彼は組んでいた足を解き、虎徹の目の前に立つ。
白い肌に均整の取れた肢体は美しい筋肉で覆われている。
だが。
「...ちょ...おま、え...それ...。」
虎徹の手からハンチングが落ちる。
男性的な肢体に不釣合いなそれがバーナビーの股間を包んでいた。
「あぁ、キレイでしょう?」
繊細なレースでのみ織られた純白の女性用のGストレングス。
「ファンの方がくれたんです。」
ふわりと笑ってはいるがどこか艶かしく、虎徹は息を飲んだ。
バーナビーの肌の色と合わさっては目立ちにくいのだが、レースから覗く金色の陰毛がやけに淫靡な雰囲気を醸している。
それに最小限度しか包まないせいか、不自然にバーナビーの陰嚢を隠しきれていない。
「...だぁっ...おま...それは...ない、だろ...」
見ているほうが恥ずかしい。
バーナビーがあまりに堂々と付けているため、虎徹のほうが顔を赤くする。
「だったら、脱がせてくださいよ。」
見下すような視線を向けて、バーナビーは虎徹に命令する。
「...え...でも...。」
虎徹は躊躇うが。
バーナビーに逆らうという選択肢はない。
おずおずと手を伸ばし、その下着を取ろうとするが。
「手は使わないで、口だけでお願いしますよ、おじさん。」
虎徹の手がぴたりと止まる。
本気でそんなことを言っているのか確かめるように虎徹の視線がバーナビーの顔を見上げた。
自信たっぷりに笑っていた。
どうせお前は逆らわないのだと。
それは真実だった。
虎徹はバーナビーには決して逆らえない。
否、逆らわない。
初めて体を開かれたとき以前から気付いた感情がある。
その感情は虎徹から、逆らうという意識を根こそぎ奪った。
認めるわけにはいかないが、その感情を知ってしまった今、虎徹にはバーナビーの命令に従わざるをえない。
「...あ...ぅ...」
唇でショーツの端を掴む。
そろりと下へ移動しようにも、バーナビーの鎌首を擡げた欲望が邪魔をする。
口だけで脱がすなら、ひっかかりを作ったその欲望の部分をどうにかするしかない。
荒い息を零しつつ、虎徹は欲望に触れないようにショーツを唇で掴もうとする。
しかし、繊細なレースは滑りがよく巧く咥えることが出来ない。
かたかたと体を震わせながら必死で脱がそうとするものの、巧くできないことにもどかしさが募る。
そうしているうちに、バーナビーの欲望がはっきりとした姿を現す。
間近で見るその欲望が、一度でも自分に中に入ったのかと思うと。
背中に形容し難い戦慄が走る。
理性が焼き切れそうな程に、興奮していた。
完全ではないにしろ勃起したバーナビーの欲望がレースを押し上げていた。
虎徹は躊躇いも忘れて、押し上げる欲望とレースの隙間に舌を入れる。
そして、慎重にレースを歯列で掴んだ。
あとは、下へと移動するだけ。
虎徹の唇がバーナビーの欲望を上から下へと余すことなく這う。
鼻腔に雄の匂いを感じて、脳裏がクラクラとする。
ずるずると足元まで引き下げると、まるでバーナビーに屈服するような姿だった。
「よくできました。」
両膝をついてゆっくり立ち上がろうとする虎徹の顎に手を伸ばす。
半開きになった口からは、ゆっくりと唾液が零れていた。
その唾液を舐めとり、バーナビーは熱に浮かされたような虚ろな表情をした虎徹に口付ける。
上唇に吸い付き、下を口腔内へと差し込む。
歯列はだらしなく隙間を開け、暖かい中への侵入を許す。
そこへ、迎え入れるように虎徹の舌がバーナビーの舌に絡む。
互いの舌を味わうように、交わっては離れ再び交わる。
濃厚なキスが、2人の間で静かに交わされる。
充分に味わうと、荒い呼吸を残して離れた。
「ね、おじさん。ソレ、おじさんも履いてみてください。」
酷い要求に、虎徹の血の気が下がる。
突然に現実に戻ったようで、硬直した表情が笑うバーナビーに向けられた。
「...冗談、は...。」
虎徹の表情が引き攣る。
「冗談じゃないですよ。」
だが、バーナビーは容赦がなかった。
チェアに再び座りつつ、冷ややかな声で命令する。
虎徹は静かにベルトに手をかける。
トラウザーズの前を寛げると、自然と下に落ちていった。
細身のトラウザーズに合わせたローライズのボクサーパンツに手を掛け、静かに脱ぎ落とす。
虎徹の欲望はまだ僅かにしか反応してないようだった。
脱ぎ捨てられたショーツを手に取り、広げ、左足を上げる。
頼りないほどのレースを、虎徹はずりあげていく。
己の股間が納まるように、そっとレースを肌に置いた。
「...冷てぇ...。」
バーナビーが零したであろう先走りの染みが虎徹の欲望に冷たく触れた。
じわりと湿った感覚が酷く虎徹を煽る。
程よく日に焼けた肌に純白のレースは美しく映える。
濃い茶の陰毛とのコントラストは見ているバーナビーの目を楽しませた。
「履いた、ぞ...。」
羞恥に顔を紅く染めた虎徹の視線が彷徨う。
バーナビーの視線に耐え切れず、虎徹はこの地獄のような状況に一層の恐怖とありえないほどの興奮の渦中にいた。
「少し勃ってきましたね。」
否定しようにも、虎徹の欲望は僅かに大きくなっている。
「おじさん、どれだけ変態なんですか」
この状況にしたのはバーナビー本人だが、虎徹の思考はすでに普段通りには回っていない。
「...うる...せぇ...」
ガタガタと音がするぐらい体が震えている。
歯列は恐怖とも言えない羞恥で噛み合わない。
「シミ、ついてますよ。」
くすくすとバーナビーは笑いながら、体液により色の変わった部分をなぞる。
「...お、お前の、だろ...」
最初にこの染みをつけたのは確かにバーナビーだ。
だが、じわじわと硬くなりつつある虎徹の欲望が染みをつけるのも時間の問題だろう。
バーナビーの指先が、レース越しに虎徹の欲望を辿る。
「...ふぁ...あッ...あ...」
覚えこまされた快感に抗えず、虎徹はその場に崩れ落ちる。
だが、バーナビーがそれをさせない。
虎徹の体を支え、チェアに両手を着かせる。
自然と、バーナビーと向き合う形になったせいか。
薄く笑った男の顔が虎徹に迫る。
「いい顔ですね、おじさん。」
ぐっと虎徹の欲望を握られ、強かに擦られる。
「ひっ...あっ...あ...」
ガクガクと虎徹の膝が笑う。
逃げようにも逃げられない状態で、虎徹は喘いだ。
完全に勃起した欲望は解放を求めてバーナビーの手の中で脈打つ。
痛いほどの快感が虎徹の体を駆け抜ける。
腕に力を入れることが出来ず、虎徹はとうとう本格的にその場に崩れ落ちた。
バーナビーの脚に縋るようにしている姿は、扇情的ですらある。
「我慢もできないなんて、お仕置きが必要ですか?」
静かに立ち上がったバーナビーは虎徹の背後に移動し肩を床に押さえ込む。
まるで、バーナビーに尻を差し出すような姿となった虎徹は逃げようとするものの。
ギリリと尻の割れ目に食い込むはずの細い部分を持ち上げられて、欲望どころか陰嚢までも押さえつけられ挫かれる。
ヒクリと反応する虎徹の後腔がバーナビーの眼前に晒されていた。
ぐいぐいと持ち上げられ、押さえつけれられた感触が戦慄となって虎徹を支配する。
と、突然手が離され、レースがぱちんと後腔に当たる。
「あひぃッ!!!」
虎徹はみっともない声で啼いた。
何度か押し開かれた後腔は、その衝撃にすら耐えられない。
サイドテーブルに周到に用意していたであろうローションの感触が尻の割れ目に零れる。
ぬるりと入ってくるのはバーナビーの2本の指。
「すごいな、最初から2本入っても大丈夫なんて。」
ぬぷぬぷと音をさせて、2本の指が虎徹の中に入っては出て行く。
「ふ...あ...んッ...」
1度その大きさを知ってしまうと、忘れられなかった。
「たの、む...指じゃなく...て...」
決して受け入れるはずの場所ではないが、押し開かれた感覚は虎徹を狂わせた。
「...おまえ、の...が...ほし、ひっ...」
懇願するように、虎徹の内側がバーナビーの指を締め付ける。
「しかたないですね。」
乱暴に指を引き抜き、レースがずらされる。
後腔の出口に熱い肉塊の鈴口が触れれば。
ぞわぞわと、虎徹の背中に快感が走り抜ける。
ぐっと押し付けられ、何の抵抗もなく虎徹の中へずぶずぶとバーナビーは侵入を果たす。
「うぁっ...あぁぁあッ...」
狭隘な内側を埋められる感覚は、虎徹をいとも簡単に頂点へと誘った。
ぱたぱたと虎徹の精液が床に零れ落ちる。
だが、虎徹の欲望は萎える様子はなく、硬さを保持したままでいる。
「我慢もできないなんて、悪いおじさんだ。」
ずんっ、とバーナビーの腰が虎徹を突き上げた。
容赦のない力が虎徹の中に衝撃を伝える。
「...あぁッ...あっ...あん...」
自分のものとは思えない嬌声が、部屋に充満した。
その声が他人のものであるように、虎徹は願わずにいられない。

(―俺...何やってるんだよ...)

虎徹の中に芽生えた感情。
どんな理由があってもその感情は認めるわけにはいかない。
その感情を認めてしまえば、虎徹は途方もなく大きなものを、失わせてしまう。

(は、は...女もンのパンティ履いてよ...突っ込まれて...)

気持ちいいと思ってしまった自分に罪悪感を擦り付けた。
この行為は正常ではないのだ。

―今、だけだ。
こんな関係。
いつか、俺に飽きて離れていく。
そうか、離れていくのか。
俺はまた置き去りか。
いいさ、置き去りにされるのは慣れてる、慣れてるよ。
友恵も、お前も、俺を置き去りにして行け。

置き去りにされる辛さは、俺一人で十分受け止められるさ。

どん底の恐怖などたかが知れているとでも言うように、虎徹はこの享楽に溺れる。
溺れてしまえば、何も感じずにすむ。
「余計なこと、考えているでしょう?」
どこか冷めた声が虎徹に降りかかる。
「快楽に溺れたフリして逃げるつもりですか、おじさん。」
強かに腰を打ち付けられ、虎徹の脳天に電流が奔る。
「...あぁっ!!!」
だが、解放には程遠く、虎徹は体を僅かばかり震わせただけだった。
「言いましたよね、貴方が好きだと。」
まっすぐに虎徹を見据えたエメラルドの瞳はそう言った。
それを簡単に信じられるほど虎徹は若くはない。
そして、芽生えた感情を認められるほどにも若くはない。
「俺は...お前の...未来を、奪う、ぞ...」
恨みがましく虎徹は告白した。
それが精一杯の告白だった。
男である虎徹が、まだ若いバーナビーに何を残せるというのだ。
「馬鹿ですね、本当に。」
バーナビーは虎徹に耳打ちする。
「僕の未来を奪うというなら、それは。貴方の居ない明日だ。」

だから、雁字搦めに僕という鎖で縛って、手も足も折って、どこへも行けなくしてあげます。

行き過ぎた束縛の宣言だったが、虎徹にとってはそれぐらいがいいのかもしれない。
腹を括る覚悟が出来た。
縛れるものなら縛ってみろ。
その前に俺がお前に縛られてやる。
未だに打ち付けられ、内側を乱暴に擦られる動きに合わせて虎徹の腰が揺らめく。
もう、バーナビーの未来を奪うという危惧に怯えなくてもいい。
「...あっ...はっ...んぅッ...」
じくりじくりと膿んだように、快感が迫る。
虎徹が確実に反応を示す部分をバーナビーは的確に責めていく。
「ふ...あんっ...」
ぐちゅりといやらしい音が響いては、虎徹の中が掻き混ぜられる。
「...は...バー...なびぃ...」
虎徹は、バーナビーを呼んだ。
どこか甘い響きをもって、虎徹の声はしきりにバーナビーを呼ぶ。
バーナビーの腰の動きが激しさを増す。
何度も何度も虎徹の中に突き入り、そして出て行く。
「...んっ...んぅ...あぅっ...」
2度目の限界が近い。
虎徹の内側がバーナビーを強かに締め付け、背が弓なりに撓る。
「んあぁ...も...ダメぇ...」
ビクビクと虎徹の体が震えると同時に、バーナビーも奥を目指して限界まで突き入った。
「あぁんっッッ!!!」
体全身を痙攣させて虎徹は絶頂を迎え入れる。
その虎徹の中にバーナビーはたっぷりの精液を流し込んだ。
「くっ...どこまで、搾り取る気です、か...。」
流れ込む精液の感触に、虎徹は痙攣を止められない。
だが、満ち足りたような充足感が残った。
萎える様子のないバーナビーの欲望が一旦引き抜かれる。
「...続きは、ベッドでしましょう。」
欲情の色を隠すことのない雄の顔をしたバーナビーに。
虎徹は初めて己からキスをしてみせた。

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