いえね。
旦那と2人でぶっ通しで見たワケなんですよ、タイバニ。
文句ナシに面白かったです!!!
なんといっても虎徹。
いやもうお前、可愛いわ!!!
ということで、えんえん2人の情事が脳内再生されるので発散しようと思います。
書いてる途中で、
「虎徹に何を言わせようとしてんだ?」
とか、
「バーナビーに余裕がないとかwwwww」
とか...。
もう、どうしろと。
そして、アホみたいに長すぎw
ま、ドMおっさんへたれ受を書けて幸せです!!!
「お姫様抱っこ...好きだよなぁ?」
チャーハンが乗っていた皿を片付けながら、なんとはなしに相棒に話掛けてみた。
『家でゴロゴロするお父さんってかっこよくない!!!』
と娘に言われ、また暇を持て余していたということもあって2部リーグに返り咲いた虎徹ではあったが。
まさかのまさか。
1部でも充分にやっていける相棒が1部リーグではなく2部リーグに。
更にワイルドタイガーの相棒として戻ってくるとは思いもよらない出来事があったのが数時間前。
「...虎徹さんが丁度のところに落ちてくるんですよ。」
嫌味とも取れないバーナビーの言葉ではあるが、
「そう?俺ってばグッドタイミング?」
と明後日の方向の返答を虎徹はマジメに本気で返した。
その返答にバーナビーが軽い溜息をつくが、虎徹自身は「そうか、そうか」と妙な納得をしてキッチンへと一旦消える。
「まったく、あの人は...。」
その明後日の反応に苦笑だけではない笑みを零して、皿を片付けに行った虎徹の姿を視線で追いかける。
虎徹のワイルドタイガー復帰をいち早く教えてくれたのは、彼が懇意にしているベン・ジャクソン氏。
あまりの突然ぶりだったが、きっと戻ってくるという確信がバーナビーにはあった。
困っている人がいる限り見て見ぬふりをすることは出来ない
酷く泥臭いというか、青いというかそんな信条の人だがバーナビーはそれがかえって好ましく感じた。
突き詰めればヒーローの存在というのは、まさしくその信条に尽きるような気がする。
「なぁ、よく俺が戻ってくることわかったな。」
不揃いのコーヒーカップを両手にして戻ってくると、片方をバーナビーに差し出す。
「えぇ、戻ってくることを教えてくれた人がいますから。」
差し出されたコーヒーカップを受け取り、一口飲み込むと虎徹好みの甘いコーヒーと知れる。
「あー、あぁ、ベンさんか。」
心当たりにヒットして、虎徹は照れたような笑いを浮かべた。
「あの人、心配性なんだもんなぁ...。」
ワイルドタイガーの売りであった能力はもう1分しかもたない。
それでも、虎徹はワイルドタイガーとして戻った。
きっと、ベン氏がそんな虎徹を心配してバーナビーを呼び寄せたのだと思う。
「ありがとう、バニー。」
真顔で素直に礼を言うのは、虎徹の美徳だった。
本当は。
確かにベン氏も心配をしていた。
それ以上に心配していたのはバーナビーのほうだった。
この、危なっかしくて、一瞬たりとも目の離せないトラブルメーカーを。
1人にしておくのは気が遠くなるほど嫌だった。
「いいえ、どういたしまして。」
戻ってきてくれたことが心底嬉しい。
そう読める虎徹の笑顔を前にして、バーナビーは自覚した感情を押さえ込むことを放棄した。
「お礼に、キスしてもらえますか?」
あくまで真顔で。
その言葉をようやく飲み込んだ虎徹は、
「はぁ?」
と何とも言えない驚いた表情で固まっている。
「だから、キス、ですよ。」
何の悪びれたふうもなく、当たり前のようにバーナビーは言う。
「いや、だから、キスって...。」
何を慌てているのか、虎徹はおたおたとバーナビーの顔を伺っている。
「えぇ、キスですよ?」
虎徹からしてみれば、決して嫌がらせでも何でもなく、眼鏡の奥の柔らかい眼差しも普段と代わり映えがないからこそバーナビーの思考がどこかでぶっ飛んだのではないかという心配さえ湧き上がってくる。
「いや、どうしたんだよ、バニー?何を言ってるかわかってる?」
困ったときに浮かべるいつもの笑みが少しだけ引き攣る。
「バニー。キスの前に、俺たち男同士だぞ?」
珍しくまともな方向からの返答がきて、バーナビーは腹の底から笑ってしまった。
「あはははっ...わかってますよ、虎徹さん。」
最初から虎徹にはバーナビーの傍から離れるという選択肢がないのをバーナビーは知っている。
多分、9割を冗談だと思っているに違いないと見当をつけて。
「戻ってきてくれてよかった。」
挨拶をするかのように流れる動作で。
抱擁を求めるかのように見せかければ。
なんだ、冗談かというような困った笑みが零れて、その抱擁に見せかけた動作に虎徹は簡単に罠にかかってしまう。
「え、あれ?」
抱擁するはずだったのに、バーナビーの顔が近い。
「冗談じゃないですよ。」
その言葉を残して、虎徹の唇に触れる。
虎徹がバーナビーを引き剥がそうとするが。
「能力使っても無駄ですよ。1分しかもたないんですから。」
と釘を刺されてしまう。
能力が減退したのは虎徹ばかりで、バーナビーはしっかり5分能力がもつ。
どう考えても勝てないことを納得したのか。
虎徹は大人しく、バーナビーのキスを受け入れる。
「...ん...ふ...」
既婚者というか一児の父らしく、行為には手馴れているようではあるが。
品行方正で道を踏み外すことなどないと思われているバーナビーからの誘惑で動揺しているのか妙にぎこちない。
バーナビーのほうも女を知らないという初心な年齢でもないため、一般的なエロ本で言うところの「蹂躙する」ことを思い切り楽しんではいる。
が、ふとたどり着いた答えは、亡くなった奥さんとはとても穏やかな関係だったことに他ならない。
亡くなった奥さんとの経緯を小耳に挟むにあたり、みっともなくも故人に嫉妬したりのバーナビーだったが。
どこか勝ち誇ったような気分がしないでもない。
ぬるりとした感触が酷く熱いし、しつこく纏わりつけば観念したように応える。
相手の中へ侵入すると、どうすればいいのかわかっているから戸惑うように吸い上げてくる。
道を踏み外すことにおいて葛藤がなかったわけではない。
だが。
その葛藤以上に、鏑木・T・虎徹という人物に対しどうしようもないほどの恋慕があったのは確かだ。
そして、その恋慕の前に立ちはだかるいくつもの壁。
既婚者で、亡くなった奥さんがいて、11歳になる娘がいる。
それ以上にどうしようもなく彼は男だった。
それでも半端な誘惑にせず、至って真面目に「キスを礼としてさせろ」と言えば。
観念したように、同じく道を踏み外すという意外な行動に出てくれたのは、バーナビーにとっては僥幸中の僥幸と言ってもいい。
ゆっくりと、それでいて穏やかではないキスは、バーナビーの心を躍らせた。
いい加減、長いキスにもういいだろうと虎徹が離れる。
「気は済んだか、バニー。」
睨む目は潤み、頬が赤くなっているのは気のせいではない。
落ち着けと諭す声音だった。
だが、これで落ち着ければバーナビーだって苦労はしない。
その声に、聞き逃せないほどの熱が燻っていた。
その熱を逃がすほど、逃がせるほどバーナビーには余裕がなかった。
「えぇ。でも、ココはそうは言ってませんよ?」
自分でもどうかしているとは思った。
その熱を逃がしたくないなんて。
抱き寄せたことをいいことに、虎徹の体の中心にぐっと腿を寄せる。
案の定、キスにさんざん反応して硬さを保持しはじめた熱の中心があった。
「え、いや、これは...」
言い訳できないほどになっておきながら、虎徹は言葉を濁しながらバーナビーの抱擁からなんとか逃げ出そうと試みる。
最初は冗談だと思っていた。
それでも切羽詰ったバーナビーの顔が迫ったとき、冗談ではなく本気として受け入れることを覚悟した。
まさか、自分自身が男同士のキスで舞い上がるなんてことがあるはずがなかった。
なのに。
ここまで反応した自分に裏切られたような、なんとも言えない気分になってしまった。
「その、なんだ...」
男だからよ、という言葉を口の中だけに留めるように、言い訳のように放つ。
機嫌の悪い子供のように、顔ごと視線を逸らすが、耳まで赤くなっていることが動揺や羞恥などを全て語っている。
「わかったら...放せよ、バニー。」
突き放すように訴えるが。
バーナビーにそんな選択肢はない。
「嫌ですよ。」
短く、強く、この状況を崩すつもりがないことを告げて。
縺れるように、床に倒れこむ。
「ちょい、バニーっ、放せって!!!」
尚も虎徹は拒否するが。
バーナビーが首筋に噛み付けば、何を悟ったのか、身を竦める。
「なぁ、おい、ヤメようぜ...」
軽薄な笑顔が瞬間で凍りつく。
バーナビーはさも慣れていると言わんばかりに、虎徹がインナーとして着ていたTシャツを捲り上げると。
着け慣れた男物のベルトを外し、スラックスの止め具とチャックを下ろす。
「ほら、こんなになってますよ。」
余韻が残っていたというべきか。
それとも、何か理由があったというべきか。
未だに熱が燻っている。
下着越しにバーナビーの少し冷たい指が輪郭をなぞる。
「ひぁっ!!!」
男に触れられるなど、病院の泌尿器科にかかったときぐらいにしか考えたことがない。
それをまさか。
信頼する相棒に、何の躊躇いもなく、むしろ誘惑されるかたちで触れられるなど思ってみないことだった。
「虎徹さん、ほら、少し腰上げて?」
バーナビーの意図に気付かず、虎徹は素直に腰を上げる。
今、目前にいるバーナビーは虎徹の知るバーナビーではないと、そう思いたかった。
そうでなければ、少しだけ冷たい空気が下半身に触れている説明がつかない。
「楽にしてあげますよ。」
何を楽にするというのか。
思い当たることは1つしかなく、それでも触れられることに抵抗があるわけだが、逃げようにも能力を使われれば逃げられず、虎徹の思考はどんどん深みへと嵌っていく。
バーナビーの左手が虎徹の両手を戒め、右手が容赦なく触れる。
最初は指先がそろそろと根元から先を這う。
「やめ、やめろって...」
虎徹の背中に寒気に似た何かが走り去る。
知っているはずだが、認めたくはないその感覚。
柔らかく握られると、まるで心臓を掴まれているかのように全身にぞわぞわと広がっていくその感覚。
ゆっくり、ゆっくりと刺激を与えられ、忘れたはずの感覚が虎徹の中に蘇ってくる。
妻を亡くして、もう何年になるか。
枯れ果てたと思っていたその感覚は、虎徹の意識を無視して熱となって襲い掛かってきた。
「...ふ...ぅっ...あ...」
ぞくりと走るのは甘い痺れ。
だが、決定的に違うことに気付いて、虎徹はどうしようもないぐらいに怖くなった。
「...違う...ちが...う...」
掠れた声は、微かに誰かを呼んだ。
夫として、男として、妻を抱いたはずの過去。
だが。
今あるのは、夫としてでもなく、男としてでもない。
「...バニー...やめて...くれ...」
終には虎徹は泣いていた。
簡単に認められるほど過去は短くない。
「嫌だ、と言ったはずです。」
決してバーナビーは虎徹に与える刺激を緩めることはなく、ただ真摯に向き合う。
「貴方を手に入れることができるなら、僕は何だってしますよ。」
バーナビーは酷く穏やかだと、虎徹は思った。
真摯の見つめ返す瞳はいつものように虎徹を映している。
「あなたを愛しているんです、虎徹さん。」
穏やかだった過去と激しい現在。
二度目など存在しなかった。
もう、二度と、と誓った。
なのに、目の前に存在する激しい感情をぶつけられて虎徹は何処かで納得する。
穏やかなときもあれば、荒れ狂うこともあるものなのだと。
「バニー...」
何もかも忘れていればよかったかといえば、そうではないと思う。
バーナビーの感触を丸ごと受け止めれば、それが当たり前にある存在で。
己の半身であることに間違いはない。
そう気付いてしまえば、どうして己の半身を拒絶する理由もなく。
虎徹はその感触に身を委ねる。
「...ん...あっ...あぁっ...」
欲情という生々しい感覚だが、どうしようもないほどに愛おしくなってしまうと頂に上り詰めるのはすぐだった。
「...あっ...あ...ひっ...い...くっ...」
不自然に腰が浮き上がり、がたがたと膝が笑う。
のたうつように、体が跳ねればバーナビーが有無を言わさず追い詰めるように虎徹の熱を引き上げる。
先走った体液がとろとろと零れるが、バーナビーは手が汚れることを意に介することなく。
むしろいやらしい音さえさせて、虎徹の張り詰めた欲情を強く扱きあげた。
「...ふぁ...あ...あぁ...」
掠れた声だけを残して、虎徹は頂に果てる。
久しぶりだったせいか、他人の手によるせいなのか。
勢いのあった白い体液が、己の腹にじわりと広がる感覚だけが生々しい。
青年になる前の頃を思い浮かべるようで、気恥ずかしさとやってしまったという後悔が虎徹の中にあった。
「は......ふ.........な、バニー。」
呼吸を整えつつ、生々しい行為を穏やかにやってのけた相棒を呼ぶ。
「やるんだったら、ベッドへ行こうぜ?腰、痛いっての。」
観念したのではなく、受け入れたのだといつものように笑ってみせる。
それに気付いて、バーナビーは虎徹の戒めを解く。
と、虎徹は静かにバーナビーに口付ける。
逃げないという意味だったが、もっと違う意味のほうが強い。
「えぇ、そうですね。」
一頻りの口付けがひどく甘いのは気のせいではない。
起き上がるのにも苦労している虎徹を見て、バーナビーは何も言わずとも抱え上げる。
「好きでしょ、お姫様抱っこ。」
穏やかに笑っているが、全くもって穏やかじゃない。
虎徹が覚悟を決めたと理解しているからこその笑みであって、「ベッドへ行こう」と大きく出たものの。
果たして男同士のセックスがどんなものかなんてのも想像がつかない。
それでも思ってしまったのだ。
バーナビーの感触が気持ちがいいと。
ベッドへ抱え込まれ、再びバーナビーに口付けされる。
受け入れるのに精一杯になるほど情熱的で、その間にもバーナビーが自分の着ている服を脱ぎ落としていくのも気付けないほどに深い。
口付けから解放されれば、バーナビーが圧し掛かってくる。
「あ、汚れ...」
「かまいませんよ。」
体液を拭ってもいないのにと思うが、バーナビーは気にすることもなく虎徹と肌を合わせる。
その温かな感触は生々しいはずなのに、それでも虎徹は抗うことをしなかった。
知っているようで知らない感触。
虎徹の首筋をバーナビーの唇が辿り、ふいにちりりと熱さが点る。
強く吸われているのだと知れるが、その熱さがじわりと体に染み込むことがとてつもなく心地いい。
「ん...あ...」
素直になってしまえば、甘い痺れは虎徹の全身を支配する。
そろりと体をなぞるバーナビーの指に酷く反応して、触れられる場所に艶やかな声を零していく。
首筋を堪能したバーナビーの唇は、虎徹が受け入れたことをいいことに快楽に膨らんだ乳首を獲物にする。
「...あぁん...あっ...あっ...」
じわりと舐めれば、面白いように先が強張る。
ゆっくりと乳輪を舐め、唇で甘く噛めば、虎徹はただただ乱れていった。
その乱れようにバーナビーも興奮を高めていく。
「...どれだけ溜まってたんですか、虎徹さん。」
熱に抗うことなく先ほど以上に硬さをもった虎徹の欲情を柔らかく握る。
「...ん...あ...うるせ...ぇ...」
溜まっていた、というより無理矢理忘れていたのだ。
妻であった友恵を亡くしたあの日から。
誰もが虎徹を置いていく。
虎徹を置いて遠いところへ行く。
ただ一人残された虎徹は追いかけることも、まして縋ることもせず。
臆病な子供のように、その場で泣きじゃくるばかり。
そこに現れたのが、バーナビーだった。
彼も置いていかれた子供のはずだった。
だが、決定的に虎徹とは違った。
追いかけて、縋って、必死で探し回って。
似たような境遇だからなのかもしれない。
それでも彼は虎徹に思い出させた。
置いていかれるばかりではなかったことを。
「...バニー...だって...」
遠慮がちにだが、己の太腿をバーナビーの腰に押し付ける。
姿を認識すれば、バーナビーが枯れかけた自分に興奮しているのだと思うと僅かな余裕も生まれる。
世間的には許されたことではない。
まして、娘もいるような男が、信頼する相棒に抱かれるなど。
スキャンダルとして徹底的に追放されるようなことだが、娘に対しても後ろ暗いことではあるが。
もう、止められることではなかった。
「...もう、逃がせませんからね...」
体液に未だ塗れた欲情を握っていた手が後ろへと伸びる。
ぬるぬるとした感触を塗りこめられて、つぷりと虎徹の中へバーナビーの指が入ってくる。
「...んぁ...ぁ...」
ほぐすようにゆっくりと、かと思えば陵辱するように乱暴に。
じわりと入る異物感に虎徹は時折息を詰めるが、バーナビーはタイミングよく虎徹が感じやすい部分に触れる。
「...ふ...んっ...」
ぐちゅり、ぐちゅりと指が入るたびにいやらしい音が響く。
慣れない異物感だったが、やがては深く奥へと突き刺さり、内側を擦られると初めての感覚が腹の底に湧き上がる。
「...ん...あぁ...んん...」
今、指で蹂躙されている部分にもし、もっと大きいものが入ってきたら。
そう思うと、ぞくぞくとした戦慄が心地よく走る。
「...そんなに、もの欲しそうな顔...しないでくださいよ...」
熱に浮かされたような荒い息と、羞恥を追い越した気持ちよさに上気した頬。
じっとりと浮かぶ汗が筋肉の上で玉を結び、シーツへと零れ落ちていく。
見上げればぞっとするような男の色気を、隠す気もないバーナビーが虎徹を見ている。
虎徹はたまらなくなってキスを強請る。
ぬるりとした舌が虎徹の中で思う様に動く。
呼吸することも忘れて貪る。
ぐっと脚を抱えあげられ、指が中から引き抜かれると何故か名残惜しい。
だが、その後に控えた熱を感じれば、中を突き上げられる感覚がどんなものかを期待してしまう。
熱が、そろりと静かに突き入る。
「...ん...んんっ...あ...」
比べ物にならないほどの大きさではあったが、充足感があった。
決して無理なことはしないが、確実に入ってくるバーナビーの雄に内側を擦られ痛み以上の快感が呼び起こされる。
「...あっ...あん...っ...」
キスから解放されれば、虎徹はただ甘い声を上げる。
「...全部...入りましたよ...」
ぴたりと密着するほど、バーナビーを受け入れたはずなのに、内側はそれだけでは足りないと疼く。
「...あ...バニ...バニー...っ...」
バーナビーの名を呼べば。
ゆっくりとバーナビーの腰が蠢く。
ダイレクトに内側を擦られる感覚。
脳天を突き抜ける快感は、虎徹の理性を奪いつくし蹂躙されることを喜びへと変える。
「あっ...あんっ...あぁ...」
ゆっくりであればあるほど、バーナビーの存在を確かに受け取り熱が膨れ上がる。
突き上げるスピードがじわじわと速くなる。
打ち付けられる肉の音、奥へと広がる衝撃。
「...あ...くっ...いぃ...いいっ...」
生々しいこの感覚はかつてないほどに、虎徹を苛む。
だが、その感覚はどん底まで堕ちてもかまわないと思わせる。
「...俺も...ですよ...」
少し余裕のない顔をバーナビーが見せる。
「...ん。」
虎徹も余裕がないクセをしておいて、それでもバーナビーに微笑んでみせる。
「...虎徹...さんっ...」
一際大きくバーナビーが動く。
「...ひぃっ...」
バナービーにずっと我慢をさせていたんだと思う。
触れようと思えばいくらでも触れられる距離。
いろいろな柵抱えて、どうしようもなく男で、どうしようもなく父親だった。
それを解き放った今、バーナビーは思う存分虎徹に触れられる。
少しでも、少しでもバーナビーの心を軽くできれば。
それだけで良かった。
「...ひぁっ...あんっ...あっ...」
「...は...虎徹さん...虎徹さ...んっ...」
激しくなるだけの突き上げに、喘ぎと虎徹を呼ぶ声が混じる。
「...んぁっ...あ...」
虎徹の脳内は白で埋め尽くされていく。
ただ与えられる快楽を受け取り、少しでもバーナビーに返そうと自らの腰を揺らめかせる。
「...愛して...る...バ...ニー...」
初めて虎徹から施した口付けに乗せたのは。
この思い唯一つ。
「...俺も...です...」
焼け付くような白さに支配され、求めた温もりと共にただ上へと上り詰める。
「...ク...イクッ...」
がくがくと震えて、中のバーナビーを締め上げる。
「...ふ...あ...中...中に...出しますよ...」
一際中のバーナビーが大きく膨れる。
全てを引き抜かれ、強く強く突き入れられれば。
稲妻のような衝撃が走り、堰をきったように快楽が溢れる。
「んぁあぁぁっ!!!」
バーナビーの放つ精を受け止めると、虎徹も溜まらずに精を放つ。
快感がずるずるとあとを引くように燻り、やがては何事もなかったように消えていく。
2人して肩で息をしているが、バーナビーは決して離さないとばかりに虎徹の手を握っている。
「...虎徹さん。」
「...なんだ、バニー。」
その先の言葉はない。
呼びかける者がいて、応える者がいる。
それがどうしようもない幸せなのは、虎徹だって知っている。
「...呼び出しくらって何かあったら...オマエの所為だからな...。」
虎徹は笑ってバーナビーを見た。
酷く腰が重く痛みがある。
「えぇ、そうですね、俺の所為ですね。」
バナービーが屈託のない笑顔を向けて、どちらからともなく口付けを交わした。
これから先のことなど誰も解りはしない。
ならば与えられた今を精一杯過ごすだけ。
いつかの話なんて、そのときにすればいい。
触れられる温もりに、かつて忘れた幸せを思い出して、バーナビーの指に己の指を絡めた。
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