彼の後を追いかけた。そうして辿り着いたのは、彼の部屋だった。
いつ見ても殺風景な部屋だ、なんて、その時も思ったけれど、
彼はその部屋の真ん中で、背中を向けて立ち尽くしていた。
細身の、頼りない背中。藍色の瞳で、彼はいつも誰を追いかけているのだろう。
彼の事情を知らないから、何も言えなかった。
一体彼が、どんなふうに時を過ごしてきたのか、何にどのくらい支えられているのか、
何も知らない。知ることはできない。

声もかけず、呆然と立ち尽くしていたら、彼は急に振り向いた。
思わず身体を硬直させたが、彼はいつもよりうんと優しい顔で微笑んでいて。
さっきはごめん、ちゃんと謝るから。
僕が大人気なかったから。
そう言った。

何で、どうしていつも、彼はこんなふうに優しく微笑むことができるのだろう。
いつだって彼は、どんなに悲しいことがあっても、いつも微笑んでいる。
そして、言うのだ。向こうに非は無い、自分だけが悪い、と。
誰も傷つけまいとしているのか、そんな言葉は優しすぎるほど悲しかった。
もっと頼ってくれればいいのに   叶うはずもないのに、そう思う。


その後、彼は、リビングに戻り、かなり礼儀正しく、ロイに謝った。
ほんの少し時間を置いた後のロイは、ほんの少し冷静になっていて、
そんなに謝らなくても、別にもう怒ってない、と言った。


そして、ちゃんと、確認した。
恐る恐る、訊ねると。
彼は少し驚いた顔をした後、少し怒ったような顔をして、
そして、少し笑って、言った。
僕は、男だよ、と。




の片端
      page.4




「…………」

彼がロイにバケツを投げて、大嫌いと罵声を浴びせてから、一週間。
……記憶を失くしたらしい日からは、もう二週間、経っている。
あれからロイは、リビングのソファーで一人、ひたすら考え事をしていた。
記憶を失くしたらしい日からずっと、
彼が自分に不必要に近づこうとしないことにも、いい加減気づいている。

「…………」

何故彼は、あんなに怒ったのだろう。
あんな、あの見た目ならば、そこら辺でよくありそうな勘違いだったのに。
……男同士、だったから?
でも、それにしたって怒りすぎではないだろうか。
バケツを投げつけられて、大嫌いと叫ばれるなんて、いくらなんでも。

「……あー、くそっ!」

やがて考えることを放棄して、ロイはソファーにごろん、と寝転んだ。
頭の後ろで両腕を組み、大きく溜息をつく。
そもそもロイは考えることが嫌いだ。考えるだけの頭は持っているのだが。

「……何でだよ。……何で、あんなことで、大嫌い、なんて……。」

思わずぽつり、とこぼれた呟きは、おそらくは自分の本心からくる疑問だ。
その本心ですら、もしかしたら忘れてしまっているのかもしれない。
何を忘れたのかわからない。自分では至って正常のつもりなのだ。

だから、あの、青い髪の、あの人は。

「…………。」

今の自分には、ただの他人だ。   周囲が、どう言おうとも。
その他人のせいで、どうしてこんな気持ちになるのか、
忘れているけれど。

考えるのがつらくなって、ロイはソファーから起き上がった。
玄関には行かず、窓から屋敷の外に出る。
散歩でもすれば気も紛れるかと、目の前の問題から逃げるために。

それでも、どうしても。
頭の中では、忘れた人の青い色が、ちらつくのだけれど。




   ***


「やあ。久しぶりだな」
「え……」

門の周辺を掃除していた背中に声がかかり、彼は目をまるくしながら振り返った。
知っている、この声は。知り合いの声、そしてよく知っている顔。
ほんの少しの緊張が、彼の瞳から抜けて、彼はふんわりと微笑んだ。

赤い髪。背の高い、その姿は。

「エリウッドさん   

   エリウッド、だ。

その両腕に、何故か、大きな花束を抱えて。

「お久しぶりです……、……どうしたんですか?
 珍しいですね、誰にも連絡が無いなんて……、」
「ちょっと野暮用だよ。すまないな、いきなり尋ねて。
 お詫びも兼ねて、お前にプレゼントだ。受け取ってほしい」
「……え、……え? ……あの……」

にっこりと笑うと、エリウッドは両手に抱えていた花束を、
丁寧かつそれなりに強要する動作で彼に手渡した。
うっかり受け取ってしまったそれを、彼はびっくり顔でまじまじと見つめる。
……真紅の、バラの花束。それも、彼の両腕でやっと抱えられるくらいの量の。

街の中、これを持ち歩いていたのかと思わず尋ねたくなったが、
違和感が無いので何も言えない。

戸惑いを隠せない彼に、エリウッドは、まあいいからと微笑む。
それにほだされたのか、ありがとうございます、と素直に受け取る彼は、
花束を落とさないように抱えなおすと、エリウッドを見上げた。

「それで、どうしたんですか?」
「ああ。私の息子の具合はどうかと思ってだな。
 命に別状は無いとマリオ殿から聞いてはいるが、一応見舞いに、と思って。
 ……まあ、元気なんだろうとは思うが」
「…………」

そう言って、いつものように笑うエリウッドを見つめて。
彼は一瞬、ふ、と顔を曇らせる。

エリウッドが表情から微笑みを消して、彼の顔を覗いた。

「……どうした?」
「え……。……あ、いえ、何でも……。
 ……ロイは、元気、です。……大丈夫です、いつも通りですから」
「そうか。……それなら良いのだが」
「……紛らわしい真似をして、申し訳ございません……、」

硬い声で謝る彼の髪を、エリウッドは、気にしていない、と撫でてやる。
大きな、暖かい手。そして、いつもの微笑み。無条件で、人を安心させる力を持った。

話題を切り替えるように、エリウッドはいつもの調子で切り出す。

「それで、息子は今、どこにいるか、わかるかい?」
「あ……。……えっと、最後に見た時は、リビングに   

   父上?」

バラの花束を抱えながら、視線を屋敷の方に向けた瞬間、
反対方向……背中側から、声がかかった。
思わず肩を竦める彼には気づかない様子で、
エリウッドはふ、と後ろを向く。

「……おや……、」
「父上」

そこには、声の通りの。
短い散歩から帰ってきた、
ロイがいた。

「……なるほど、元気そうだな」
「父上、……何、してんですか? その人   
「……っ、……あの、エリウッドさん……!」

ロイの言葉を遮るように言った彼に、二人は揃えて目を向けた。
そんな顔をするとよく似ている。頭の上に、疑問符を載せて。
ロイのそれより青みの濃い、エリウッドの瞳を真っ直ぐ見つめて、
彼は、少し慌ただしく言った。
腕の中の花が、かさりと音をたてる。

「? どうした?」
「……僕、は、この花……を、……部屋に、飾ってきます。
 花、ありがとう、ございました。……すみません……、」

それは、まるでここから逃げ出したいような、急な言葉だった。

エリウッドが返事をするより早くに、彼は背中を向け、屋敷の中に戻っていく。
真紅のバラの花束と、掃除するのに使っていた箒を、引きずりながら。
その背中を見つめながら、ロイとエリウッドは、揃って呆気にとられたような顔をする。
風が吹いて、夏の木々を揺らす。

しばらくした後、

「……まあ、別に、それくらい構わないが……」

エリウッドが、ほとんど自動的、というような調子で返事をした。

「……あの子は、どうしたんだ?」
「……。……さあ」

短い相槌。エリウッドは、まあいいか、と静かに言う。
ひとつ溜息をついた後、改めてロイの方を向いて、微笑みかけた。
にっこり笑われ、思わずロイが身体を強張らせる。
苦手だし、反抗期だし、何より尊敬している父親だから。

「それはともかく。久しぶりだな、身体の具合はもういいのか?」
「あ……、……ええ、まあ。頭打っただけ、とかで、怪我しなかったし。
 頑丈にできてますからね。一応。父上の息子ですから」
「ははははは。まあそうだな。……元気そうで、何よりだ」

エリウッドはいつもの調子で笑っているが、声はいつもよりやわらかい。
ああ、心配をかけていたんだな   と、ぼんやりと理解する。
いつも散々いじめまがいの被害を受けているけれど、やっぱり親なんだなと、
ロイは何だかちょっぴり嬉しくなった。
いつもがいつもなので、絶対にそんなことは言わないが。

背の高いその姿を、少し悔しそうに見上げながら、
ロイは、ふ、と、口にする。

「……父上。……ちょっと、お聞きしたいことがあるんですけど」
「? 聞きたいこと?」

その、聞きたいこと、が。
どんな意味を持つのか、ロイは知らない。

「さっき、青い髪の人。父上と話していただろ?
 身体の細い、女の子みてーなカオした……、」
「…………え……?」

知らないまま、話す。
どこに置いてきたのか、知らないで。


      あの、青い髪の人。
 父上は、誰だか、知ってるんですか?」


      



   ******



一人きりの部屋、バラの花束から少しずつ花を抜き取りながら、
机の上の花瓶にさしていく。
手は機械的に動かしながら、頭の中では全然違うことを考えていた。
ぼんやりと、まるで半分夢の中にいるみたいに。

何を、逃げることがあったのか。
向こうが思い出さない以上、他人として接すると決めたし、
未練がましい態度も取らないと決めたのに。
毎日しつこく纏わりつかれなくなって、楽になった。
好きなときに一人になれるし、好きなときに本を読めるようになった。
ちゃんと冷静に対応することができるのに、
あの場で、逃げ出さなくても。

「……っつ……っ!」

延々と考え事をしていた頭に、突然邪魔が入る。
花をとっていた指の先。急に、小さな痛みが走って。
反射的に手を引っ込めると、中指の先に、小さな傷ができていた。
珍しい。
エリウッドが今まで贈ってくれた花には、小さな棘一つだって存在しなかったのだが。
どうやらわざわざ、棘を取るように配慮してくれているらしくて。

白い指の傷から、血がじわりとにじんでくる。
小さな玉にふくらんだそれを、彼はじっと見つめていた。
真っ赤な色。何か、嫌なことが脳裏に過(よ)ぎって。
半分瞳を伏せた、その少し後で、彼は思い出したように、
中指の先の血を舐めた。

その瞬間、

「おい。……いるか? 入るぞ」
「!」

こんこん、と軽いノックの後に、
聞きたくない声が、聞こえた。

「……どう、ぞ」

声が震える。知っている、この声は。
さっき別れたはずの声。
大丈夫。冷静になれ。他人として接すると、決めたばかり。
頭の中で何度も繰り返して、彼はすう、と冷静になる。

キィ、と音をたてて、開く扉。

「…………」
「…………」

ロイが、不機嫌そうな顔で、立っていた。
……左の頬が、何だか、不自然に赤い。

それに気づいても、とりあえず触れずに、彼はにこ、と微笑む。

「……エリウッドさん、は?」
「ダーク見つけて散歩に行った。
 ……なあ、あんた」
「…………」

いつもと同じ、少し急ぐような歩調で近づいてくる。
ろくに手入れもしていない、はねた、真っ赤な髪。
小さな傷をつくった指を隠して、彼は、藍い瞳でそれを見つめている。
逃げることはしない。逃げられない、から。

す、と、ロイは顔を近づけて。
彼に、言う。

「単刀直入に聞く。
 ……あんたは、俺の、何だったんだ?
 仲間か友達か戦友か。
 それ以外では、ないだろ?」

「…………」

いつもの声。いつも真夏の陽射しのような、顔つき、表情。
違う、違う違う、これは。
自分は他人だ、それ以外のなにものでもないし、
関係無い、何も。
気だるそうに腰に当てられている発展途上の手も、
いつも気にしている低い身長も、
表情も、
声も。

仲間か友達か戦友か。

ほんの数秒瞳を伏せて、彼は顔を上げる。

「……ただの……、……知り合い、……だよ」

「…………」

その顔は。
まるで何事も無かったかのような、いつもどおりの微笑みだった。
春のような、花のような、いつもどおりの冷徹さを含んだ。
ロイの、知らない顔。

「……知り合い?」
「ああ。僕は、お前のことを、弟……、……違うな、……後輩みたいに思ってたから、
 ……気にかけてただけなんだ。……それだけ、だ」
「…………。
 …………なら、良いけど」

不自然に赤い左頬を手で押さえながら、ロイは視線を彼からはずす。
そんなしぐさを、彼は見つめている。
ロイが見ていない、ほんの一瞬。
ほんとうの顔をしながら。

「…………ロイ……、」
「?」

名前を呼ぶ。消えそうな、かすかな声。
それでも耳に留めたロイは、いつもと同じ視線を、こちらに向けた。

「…………本当に……、
 ……本当に、……覚えて、ないのか?」
「…………。」

静かな部屋。開けた窓ガラスの向こう側で、真夏の風に吹かれて木々が音をたてる。
時計の針は、まったく変わらないリズムで、ひたすらに時を刻んでいる。
まるで胸の奥の鼓動のような、そんな錯覚を覚えそうだった。

「…………ごめん。……覚えてない」

きっぱりと言い切ったロイの、碧色の瞳に、
迷いは、無かった。

「…………」
「…………本当に、何も。……俺は貴方の名前も覚えてないし、
 貴方の顔だって知らない。だから今は、他人と、一緒だ。
 俺が貴方を忘れる前が、どうだったかは知らないけど」

知っている声が、まったく知らない声に聞こえる。
耳をふさいでしまいたいような、これは、何ていう名前の気持ちなのだろう。
指が白くなるまで握り締めながら、それでも彼は平静を装う。
少しぼんやりとした、花のように儚い、微笑みを向けながら。

「うん。
 ……ごめん。……無理なこと言って。
 ……一番大変なのは、お前なのに」
「…………。
 ……、……おい、あんた、その指……、」
「……い……い、から……。」
「…………?」

握り締めている指の先に、血がにじんでいるのに気づいたらしい。
だけどロイが手を伸ばしても、彼はそれを拒絶する。
今、触れられたら。気づかれる。

「……いいから、……大丈夫だから。
 ……すぐに、治るから、大丈夫」
「……だけど、」
「本当に、大丈夫。……無理なこと言って、ごめんな」
「…………。……わかった……」

伸ばした手を戻して、ロイはくるりと踵を返す。
部屋の中、彼はまだ自分の指を握り締めている。
先が白くなって、真っ赤なしるしがにじんでも。

「……ロイ、は、」

ロイの指が、ドアノブに触れた瞬間、彼は口を開いていた。
けれど視線は向けない。
ロイが、ゆっくりと振り返る。
不自然に赤い、左頬。

「……その、頬……。……どうした、んだ?」
「…………。
 ……父上に、殴られたんだよ。ついさっき。
 この馬鹿が、ってな」

意味なんて、わからないけど。
そう言って。
ロイは、彼の部屋を、出て行った。

静かだった部屋が、もっと静かになった。
しん、と、水がわたるような静寂。
こんな静寂は知らない。
もう、覚えていない。
顔を俯かせて。

部屋の真ん中。
分けかけた花に囲まれて、
彼は立っている。

「…………」

「……おーい。……入る、ぞ?」
「お邪魔しまーす」

ふと、声が聞こえた。もう随分長い時間が経っている気がするけれど、
実際は一分も過ぎていない。
握り締めた指の白さを見つめながら、耳に声が流れてこんでくる。
さっきの、知らない声じゃない。知っている声だけど。

彼は、藍い瞳を、長めの前髪の隙間から、わずかに覗かせた。
ロイがいなくなった扉を開けて、
リンクと、その頭の上に、ピカチュウが載っている。
信頼に満ちた、勇者と小さな親友。
なんてありきたりな日常。

「入るからな……って、何だ、その花」
「ロイさんの父上さんじゃないかな? さっき、気配がしたよ」

リンクとピカチュウはそんなことを言いながら、ゆっくり彼に近づいた。
返事をしない彼を、少し怪訝に思いながら。
静かな部屋に、踏み入ってはいけないところに踏み入るような危うさで、
ほんの少しの足音をたてながら、進む。

そして。
手を伸ばせばつかまえられるような位置で、
立ち止まった。

「……おい?」
「…………」

リンクとピカチュウが呼んでも、彼はこっちを見ずに、下を向いている。
髪で隠れて見えない顔。鮮やかな花が、浮いて見えた。
いつもと違う。何もかも、すべてが。

「…………」
「…………て……、」
「……え?」

ぽつり、と聞こえた、言葉の最後。
声が、震えている。
それは、いつも真っ直ぐに立っている、彼のものとは思えないくらいの……。



「…………、」

ふ、と、顔を覗く。
藍い瞳を、いっぱいににじませて。


「……たす、けて……」


彼が、泣いていた。



「…………っ……」

透けるような白い肌の上を、涙がこぼれて、落ちていく。
両手でそれを拭おうと、そんな姿は、
小さな子供のように見えた。
自分勝手で、わがままで、寂しがりやの、子供みたいに。

こんな彼を見たのは、はじめてだった。

「……ぁ……、」
「……知ら……ない、……ひと、だって、思え、ば……」

彼の泣いたところなんか、見たことがなかった。
もしかしたら彼は、泣くということを知らないのではないかと、
そんなことを思うくらいに。

「……知らない、ふりを、……できるって……、だけど、
 ……、……あいつ、が……。……ちが、う、……から……、」

震える、小さな声で。彼は、壊れた人形のように喋り続ける。

「ど……して……。……平気、だ、って、……思っ……て、る……のに……」

声が引きつって、うまく言葉になっていない。
かろうじて聞き取れる、微かな声。
誰のことを思っているのか。誰のために泣いているのか。
すぐに、わかる。

「……僕、は……」
「…………」
「……、……リンク」

頭の上のピカチュウを、リンクはそっと、床に下ろす。
何か言いたげに、ちら、と視線を向けてから。
リンクはそっと、腕を伸ばした。

「……っ、」

一瞬、躊躇して。
だけど、

そのまま、彼を、花をいたわるように、抱きしめた。

腕の中に、抱きしめれば。
彼の華奢さを痛感する。なんて、頼り無い存在なんだろう、彼は。
力強いと、そんなふうに、思っているわけではなかったけれど、
それでもいつもの彼は、もう少しまともだった。自分で立てるくらいには。

「…………」

今、彼は、放っておけば倒れそうなくらいだった。
悲しくて、傷ついていて、子供に思えるくらいに。

言い訳じみた想いだったけれど。

「……いいから、」
「…………」

ぽん、ぽんと、髪を軽く、撫でてやりながら。
リンクが微笑む。

ピカチュウがそれを、悲しそうに見つめていた。

「……ごめ、……なさ、い……、」
「いいよ。……怖いもんな」

大切なものが、壊れそうになったとき、というのは。



どっちが、とは、けっして言わないのが、リンクの精一杯の、心遣いだった。





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