ZERO START
ミッション4 対決2

 眠い。激しく眠い。
 原因はわかっている。丸一日寝ていないからだ。だけど、このままだと間違いなく爆すいしてしまうだろう。
 とりあえず朝になってようやくリリィが起きてくれて、何とか空き屋まで行くことが出来たけど、もう朝になっていたからすぐに出発。だけど、アキの視線が痛いこと痛いこと。なんでナナセならともかくアキににらまれなきゃいけないんだ? とか思うけどそんな事も気にならないくらい眠い。
「ふぁ〜あ〜あ〜・・・」
「定光寺君? あくびしてる場合ぃ?」
 いかん。思わずあくびをしたら永尾に突っ込まれてしまった。
 ちなみに、今は前の座席にリリィと御田さんがすわって交代で運転する事になっている。後部座席は真ん中に僕がいて左右にアキと永尾がいるわけなのだが、アキはそっぽを向いたままずっと無言だ。ちょっと怖い。
「あの・・・アキ?」
「・・・・・・・・・・・・・・何?」
「い、いや・・・何でも」
 ダメだ。気まずい。って何で僕が気まずくならなきゃいけないんだ! 確かに幼なじみだけど別に恋人ってわけじゃないんだぞ!? それなのになんで・・・。
・・・ま、いっか。とりあえず眠らないように気を付けることだけ気を付けよう。このままだと間違いなく眠ってしまう。なにか考えて気を紛らわせないと。
 まず気になるのはこの腕のことだ。とりあえず生物兵器の細胞が使われていて、それが侵食してきて僕の腕を強化しているってのはわかった。だが、だからといってあの変身はいったいなんなんだ? 別に変身するのに戦闘能力の開花は関係ないはずだ。それなのになんで・・・。
 まあそれは考えても仕方が無い。とりあえずいま一番考えなきゃいけないことはピリさんにどうやって言い訳するかだ。一応僕のわがままでこんなことになってるんだ。このままだと黙認してくれたリリィが首になってしまう。何とかしてリリィを出し抜いて抜け出してきたってことにしなくてはならない。いったいどうすればいいものか。いや、ここはどうにかしなきゃいけないんだ。なんとしてでも一筋の光明を見つけ出さねば・・・。
 ・・・ぐ〜

 ああ、いい感じにゆれて眠りがいい感じで来るぜ〜・・・。
 あまりにも心地よい眠りの前に、僕の心は非常に力が抜ける。が、その時何かが直撃して激痛が走る。
「ぐあっ!?」
「何をぐっすりと眠っているのかしら? ス・ス・ム〜?」
 ヤバイ、リリィさん怒ってらっしゃる? 額に青筋が浮かんでいるあげく、そのくせ殺意が濃厚なこと濃厚なこと。
「ま、まあまあ。ススムちゃんも疲れてるんだから・・・ね?」
 アキがフォローしてくれているけど、だからといってこの状況が変わるわけがない。むしろ更に悪化してるような気がするのはきのせいでしょうか? あ、足に力が入ってる!!
「た、タップタップタップ! 誰かタオルを!!」
「・・・ウォッホン!!」
 頭蓋骨が割れるかと思ったその時、後からわざとらしい堰が聞こえた。こ、この声は・・・!?
「ぴ、ピリさん!?」
「きゃぁっ!?」
 僕は思わずフルパワーで起き上がった。うっかり力を抜いていたリリィが倒れるが、ここはリリィのためだ我慢してもらう。
 とりあえずすばやくピリさんの前に向かうと即刻土下座した。ここは思いっきり謝っておいてなんとしても勢いで行かなければ!
「すいません僕がリリィを騙してこっそり抜け出したら別荘に父がいるとのことだったんで焦って向かったんですけど色々あって友達を巻き込んで誘拐されてしまってしかもその時兵士の一人にく・・・」
「余計な事は言わんでいい!!!!!!」
 余計なことを言いかけてリリィに口封じのかかと落としを食らって地面にめり込んでしまった。激痛が脳にもろに来たが、しかし何故か気絶しない。強化されているというのは深刻なようだ。いや今回はマジで助かってるけど。
 上官の観ている前でアホなまねをする気はないようだ。リリィもすぐに足をどけてくれた。しっかしいつの間にそんな所まで着いているんだ?
「御田さん、僕何時間寝ていたんですか?」
「六時間は寝てるよ? よっぽど眠かったんだねぇ」
 うわあ、僕って気楽だアハハハハハ。って何を考えてるんだ僕はぁあああああああっ!!! 仮にも姉さんが誘拐されてるんだぞオイ!! はあ〜。欝だ。
「・・・でもピリさん。よく僕達の居場所がわかりましたね〜」
「ああ、実は匿名の電話があってね。ススム君とリリィと、あと二人の少女が捕まっているって報告があったんだ。全員の名前を言っていたから、気になったんで試作型のパワードスーツごともって来たんだ」
 ん? 一体誰だ? なんでその人は僕達がつかまっている事を知っているんだ? いや、そういえばあいつらも基地を放棄するとか何とかいってたな・・・。
「もしかして、サイレントの奴らには天敵がいるんじゃないの?」
 永尾の言葉に、僕達は一斉に振り返った。どういうことだ?
「だって、もうススム君の腕のことやら異常事態が連続で起きてるのよ? 国家と関係ないところで悪の組織と戦う人がいたって不思議じゃ・・・ないわけないよねぇ」
 流石にアホな事をいったと思ったのか、永尾の言葉は後の方でドンドントーンが落ちてる。流石にそんなわけがないよ。リリィも本気で呆れてるし、
「まったく、そんな奴らがあの基地の場所を知ってるわけがないじゃない」
「・・・いや、それは無いとは言いがたいぞ?」
 突然ピリさんがそんな事をいって、僕たちは度肝を抜かれた。
「あ、あのっ。いくらなんでもそれはないんじゃないでしょうか・・・」
「お、落ち着いてください警部。いくらなんでもそれは非常識な・・・」
 あわててアキとリリィが心配するけど、よく考えてみれば、僕も思い当たる節が幾つかあった。
「あ、そうか。ホラ、僕とリリィが始めてあったときのあの男の人・・・」
「! そうか、あのサイボーグと渡り合った男だったらもしかして・・・」
「え、あ、ああ、なるほどねぇ〜」
 ん? 待った。リリィが納得するならともかく、何故御田さんが納得するんだ? あ、まさか!
「・・・御田さん。そういえば父の別荘でいきなりバイクに乗った人が夜中に跳び出て行ったって話しを聞いたんだけど・・・」
 とりあえずカマかけてみようと思った矢先、いきなり振動が襲ってきた。なんかヤバイ予感がしてきたぞぉ? と、とにかく変身を・・・。
 だが、それより早くそれは姿を現した。ってこれはいくらなんでも・・・。
蒼來の感想(?)
あれ?後書きがないやw

鈴菜「へ?・・・ホントだ、珍しいなあ。」

観月「あら、珍しいですわね」
・・・感想で暴れろってことかな?w
鈴菜「んなことあるかあぁぁぁ!!」

観月「・・・SSと感想をまともに書きなさいってことでは?v(黒オーラ発生)」
グハァァァァァッ!!(空中に吹っ飛ばされて、脳天から豪快に車田落ち!!)・・・ピクッピクッ(痙攣中)&血の海(合掌)
鈴菜「あれ?蒼來どうした?」
観月「見えない刃にでも、貫かれたのでしょう。」
鈴菜「・・・なんだ、それ?」
観月「さあ?v」
鈴菜「まっいいか。今回のお話は、次への戦いへの間奏みたいだな。」
観月「ええ、ススム君初めての変身で疲れたみたいですね・・・何故そこで、アキさんのひざに頭を載せなかったんでしょうか?!!」
鈴菜「いや、そこを力説されても・・・乗り物が狭かったんじゃあないの?(A^^ゞ」
観月「だからこそ、密着のチャンスじゃあないですか!!うまくいけば・・・更なる修羅場が!!w」
鈴菜「ちょっとまてー!!それを期待してのか?!」
観月「はい!!(キッパリ)」
鈴菜「・・・・(唖然)」
観月「まあ、今回はしょうがありません、次回に期待しましょう。」
鈴菜「・・・次は戦いみたいだぞ?」
観月「ええっ?!Σ(゜ロ゜;)」