ZERO START
ミッション1 始まり4
「・・・貴様、定光寺博士の息子のほうか。死にたくなかったらそこをどきな」
両腕機械の大男がドスの聞いた声で僕の方を睨む。まてよ、コイツの目的は父さんじゃないはずだよな。居場所知らないみたいだし、そして僕をとっ捕まえる気もないみたいだし、だったら誰を・・・って!!
「姉さんを誘拐する気か!!」
「そのとおりだよ」
男の顔がゆがむ。くそっ。どうやら予想どおりの展開のようだ。・・・って、
「姉さん!! 何そんなところにいるんだよ離れて!!」
よく見たら姉さんは大男の近くにいたりしていた。マジでやばすぎる。
「う、撃て、撃てぇ!!」
警官たちも突然の乱入者(つまり僕たち)のせいであっけに取られていたけど、今のですぐに気がついて拳銃を構えて発射する。が、大男の胸に連続して当たった弾丸は、何故か簡単に弾かれる。
「え?」
「ウソ? どうなってるの!?」
警官があまりの事態にわけがわからないといった声をあげ、後ろではアイコが驚きの声を上げる。クソ、流石はサイボーグだ。
「さて、さっさとその女をもらっていくぞ」
「きゃあぁ!!」
やばい、警官たちが取り押さえようとしているみたいだけど、全然効果がないし・・・。
いや、まだ手はあるはずだ。アレだけの大男でもスネを蹴り飛ばせば一撃で・・・。そう考えた僕は、すぐに大男の足を蹴り飛ばした。
が・・・。
「イテッ!!」
僕の足に激痛が走る。こいつ、足まで改造してやがるのか?
「このゴート様をなめやがって・・・。ウガ〜っ!!!」
「へ?」
大男が怒ると同時に僕の視線が一気に上がる。これってまさか・・・。
「・・・ってうわぁぁぁぁぁぁ!!!!」
「っきゃあぁぁぁぁぁっ!!!!」
予想通り投げ飛ばされて、しかもアイコを巻き込んでしまった。しかも足がグキって行ったような気がする。マズイ。非常にまずい。
「じゃあもらってくぜ。来い!!」
しかも大男は姉さんを捕まえると家を出て行ってしまう。警官も、拳銃が聞かないうえに姉さんに当たると大変だから撃つ事ができない。ここで終わりなのか・・・?
「・・・いや、まだだ!」
僕は立ち上がると、痛む足に構わずに走り出す。
確かに、足を改造していないのはわかった。だけどまだ試していない場所がある。いくらなんでも頭まで改造しているとは思えないし、そこを狙えば・・・。
ゴートとかいった大男はこっちの事を全く気にしていない。捕まえられるはずが無いと思っているんだろう。これはチャンスだ。
「うあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!」
僕はありったけの力を込めてゴートの後頭部を殴った。そして・・・。
「ゲバゴォッ!??!?!!!?」
「・・・・・・・・・・え?」
ゴートは姉さんを放しながら五メートルはぶっ飛んだ。んでもって、地面を六メートルは転がってようやく止まる。
「ススムちゃん大丈夫・・・ってスゴ〜イ!」
後ろから追いかけてきたアキがKO状態のゴートを見てから僕を褒め称える。だが、肝心の僕は何が起こったのかわからずに困惑状態だった。
・・・あ、とりあえず姉さんは大丈夫なんだろうか。驚愕の事態に優先順位を忘れてた。
「えっと・・・。姉さん、大丈夫?」
「え、ええ・・・。それよりもあの男を・・・」
そうだ。今のうちにとっ捕まえてもらわないと今度は何するかわかったもんじゃない。僕は後ろにいる警察を呼ぼうとして、車のエンジン音を聞いた。ドンドン近づいてくるぞ。
「相棒、アイツ気絶してるぞ!!」
「チッ!! とにかく引っ張り上げろ!! 俺が足止めをする!!」
「・・・さっきの二人組み!?」
もう復活したのかあの二人!? っていうか足止めってことは・・・。
「死ねやあ〜〜〜!!!」
「ふ、伏せろおぉぉぉっ!!!」
慌てて二人を引っ張るように物陰に隠れる僕。そしてすぐにその後ろを銃弾が通り抜ける。
「きゃあぁぁぁぁぁぁっ!!」
「うわぁぁぁぁぁ!!!」
「撃てっ、撃ち返せぇぇぇっ!!!!!」
・・・そんなやり取りが五分ほど立ってから、ゴートを回収した車は去っていった。
「・・・あ〜も〜。本当に今日は厄日だ!!」
そういうほかないな。これは。
こうして、僕は国際的な犯罪組織の陰謀に巻き込まれることになってしまった。
この事件に父さんがかかわっているのは間違いない。だけど、何で僕たちを誘拐しようとしたのだろうか? 何もわからない。
そう、僕はまだ何も分かっていなかったのだ。まだ何も・・・。
「ススム? 準備はできた〜?」
「うん。もう出来たよ〜」
そして朝。アキを家に送り返した後、警察と話し合った僕たちは、とりあえずこの事件を聞いて日本に来たインターポールの護衛するホテルへと向かうことになった。
「・・・にしても、あいつ等検問突破したんだって? 流石は国際テロ組織だね」
「そうね・・・」
「それにしても、こんな状態じゃなければホテルにただで泊まれるなんて嬉しいだけなんだけどね」
「そうね・・・」
僕が何を話しかけても、何故か姉さんは上の空だ。一体どうしたんだ? 何か考え事でもしているのだろうか?
「どうかしたの? 姉さん」
「・・・ススム、このことは警察には言わないでね? ・・・シローがパソコンからいなくなったのよ」
・・・なんですと?
「ちょ・・・、それホント!!」
「大声出さないで! 今朝パソコンを見たら、データが完全に消えてたのよ」
「バックアップとかは取ってないの?」
「人格のバックアップなんて取ってるわけないでしょ。それよりも・・・このことは誰にも言わないでよね」
「わ、わかった・・・」
・・・まったく、一体どうなってるんだ? サイボーグにテロリストに僕の謎の火事場のバカ力ときて、最後にはシローの謎の失踪。もう頭が痛くなってきたよ。
続く。
良し、何とか此処まで来た。
ついに出てきたサイボーグ。今回は不意打ちのおかげで何とか勝てましたが、まだまだ彼は弱いです。
そして次回は、なんとプールです! 水着です!! そして刺客の暗殺者です!!!(マテ
ススム君に襲い掛かる過酷な運命。運命の流れ、かき分けろ、ススム!!(ガンダムSEED DESTNY風に
蒼來の感想(?)
まずは突っ込みを<(_ _)>
・・・リツコさん(ススム君の姉さんね)が近くに居るのにぶっ放すよ、警官達(−−;;;;
流れ弾とか跳弾がでたらことだぞ?
でススム君はいつの間にか「火事場の○○力」を手に入れていたと・・・
ふむ・・・まさかナナセちゃんとしたことが(1−2参照)関係してたりして・・・女難だから何処まで強くなるやらw
ちなみに「ゴート」という名は・・・すいません宗教に逝っちゃった人思い出すので・・・
ナデシコですが ( ̄□ ̄; )!!
では2−1へ行きましょう・・・姉妹もあちらにいますのでw


