生命を裏返せばどうなるのだろう?
精神を裏返せばどうなるのだろう?
観念を裏返せばどうなるのだろう?
絶望を裏返せば、希望になるのだろうか?(『鏡面のクー』竹本健治著)
機動戦士ガンダム
神々の旋律byダークパラサイト
第6話『野望』
「・・・は?」
全く重苦しくもなんともない沈黙が辺りを包む。
少年は何のためらいもなくセナのことを母さんと呼んだ。
だが、セナはといえば若干16歳。
猫が逆立ちしてコサックダンスを踊る確率よりは高い確立統計が出るかもしれないが、普通に考えればありえない。
というより、いまだ処女である彼女にそんなことができるわけがないのである。
よっていつの間にか産んでいた隠し子・・・というわけではもちろんない。
まあ人類数千年の歴史の中にあっては父親のいない子もいないではないのだが、残念ながら彼女の前には百合を持った天使は現れてはいなかった。
「・・・隊長?・・・どういうことですか?」
たっぷり五分ほどほうけていた後、セナは何とか会話が可能なレヴェルまでの回復を果たした。
ただ、顔の目の前をハエが横切っても気付くことができていない辺り、まだ完全復活とは言いがたいのかもしれない。
「見ての通り。その子を君に預けることになったということだ。・・・ああ、心配しなくてもいい。要は保護者になってやってほしい、と。まあそういうことだから。」
軽い。
しかもしゃべる言葉の節々に笑をこらえているらしき節がありありと見て取れる。
「そうですか・・・・保護者に・・・・・って、保護者ぁ?!?!」
「そう、保護者。ちゃんと給料にもその分の上乗せはあるから問題ないだろう?」
「大有りです!まだ私16歳ですよ?!なんで恋をするより早く子供ができるんですか!!」
「何でって・・・ペナルティだろ?」
「う・・・・・・。」
「銃殺刑のほうがよかったか?何なら今から申請しなおすこともできるが・・・。」
「ああ、もう、わかりましたよ!!やりますよ、保護者だろうが母親だろうが!!この子についての資料は?!まさかないとか言いませんよね?」
「大丈夫だ。ちゃんとある。」
その後さまざまな事務処理が(なぜかものすごい怒鳴り声で)行われる。
その間爆弾を落とした張本人たるシュウは、といえば・・・。
「あはは、面白いね〜。」
なぜか部屋の隅のほうでうずくまっていた子犬と仲良く試合を観戦していた。
柴犬らしき真っ黒な子犬も逃げ出したりする様子もなくシュウの隣で背中をなでられている。
「あの人、強いかな?・・・もう嫌だものね・・・。戦争で家族が死ぬのは・・・・。」
きゅ〜ん
子犬は理解できない、といった風に首をかしげた。
「わからない?そうか、そうだよね・・・。けど・・・ぼくは新しい母さんが死んで帰ってくるなんて絶対に嫌だ。」
わん!
一声なく。
「うん。わからないことを言ってもしょうがない、か。・・・君も家族が死んじゃったの?」
くぅ〜ん
「そう、大変だったんだね・・・どう?僕が新しい親になってあげようか?」
わん!
「え?女の子のほうが良い?贅沢言うな。・・・そのうち女の子も来るよ。そのときまでは僕が新しい親、いいだろ?」
わん!
「じゃあ決まり。母さんにも頼んでみなくちゃね。お前を飼って良いか・・・。」
わん!わん!
「え?大丈夫大丈夫。ちゃんとうまくいってやるから・・・。」
そこまで言ったところで突然あたりが暗くなった。
「どうしたの?シュウくん。早くついてこないとおいて行くわよ。」
上から見下ろしているセナの顔。
それが視界をさえぎっていた。
「うん。・・・ねえ、母さんは犬って大丈夫?」
「え?大丈夫だけど・・・どうしたの?」
「えっとね、子犬なんだけど・・・。」
相手の顔を伺うように話す。
その際に子犬を前面に押し出すことも忘れていない。
「いいわよ。あ、でもお世話は自分でしなさいよ?」
「うん。・・・よかったな、クロ。」
「へえ、クロって言うの?その子犬。」
「そうだよ。ほら、早く行こう、母さん。」
「はいはい。・・・ッと、失礼いたしました、隊長殿。」
「ああ、明日の予定なんかは外の掲示板に張っておくから朝一に確認に来るように。」
「了解!!では失礼します!」
プシュン、という音とともに扉が閉じる。
だが、その直前にVサインをしているシュウがアルフの目に映った。
「やれやれ・・・あの子には何もかもお見通し、か・・・。」
深々といすに腰掛けなおす。
微妙に硬いところが残っていたが気になるほどではない。
「セナ=ムラサメ・・・か・・・悪魔の妹。その実力、いかほどのものかな・・・。」
ショーゴ軍曹には気の毒なことをしてしまったと思う。
だが、あの一件だけでもセナの実力は十分に発揮されたと考えて良いだろう。
鉄製の床板を軽々貫いて見せた腕力。
大の男を相手に反撃のすきすら与えなかった身体能力。
少なくとも並の人間にできることではない。
後はMSの操縦能力だがそちらも問題ないと考えて間違いはないだろう。
兵学校での主席は運や偶然で取れるものではない。
まだ荒削りだろうが並みの兵とは一線をかくすことができるであろう。
そこから先は自分が微調整をくわえてやれば良い。
後一人隊に加えなければならないことを考えればむしろショーゴの怪我は事態をよい方向に持っていくだろう。
そこまで考えたところでアルフはおもむろに立ち上がり、内線用電話を手に取った。
「いっけね、忘れてた。・・・・ああ、中佐、アルフだ。こっちでいちばんMSの操縦のうまいやつをうちの隊に回してくれ。・・・・・・なに?わかってるだろうが、そんなこと。これは俺からの命令じゃない。キシリアさまじきじきのご命令だよ!!わかったらさっさと出すもん出せ!!・・・・・あん?二番目じゃだめなのか、だと?ふざけるな!!こっちは悪魔落とすために命張ってんだよ!・・・そう、それでいい。後シルヴィア社の社長が来ているだろう。そいつにも階級を与えてこっちによこせ。・・・・階級?そんなもん少佐でも与えとけ。それぐらいの価値はある。」
それまでのおちゃらけた人間はそこにはいない。
中佐という階級をまるで無視したような傲慢な話し方。
だが、その後もいくつかの無理難題がまるで当然のことのように通されていった。
そして夜が来る。
セナの部屋ではまるでにらめっこでもするかのように互いを見つめるシュウとセナの姿があった。
ただ、その姿を見てドラマのラブシーンのような甘い場面だと思うものは一人とていやしないだろう。
それほどに険悪なにらみ合い。
最も邪気を発しているのはセナだけでシュウはそんなことを気にした様子もない。
「そこをどきなさいって言ってるでしょう?軍人の朝は早いのよ?」
「ふにゃ〜、おやすみなさ〜い。」
「人の話を聞きなさ〜い!!」
「寝たければ一緒に寝れば良いだけのことじゃないか・・・。」
「嫌に決まってるでしょうがそんなこと!シュウ君男の子なんだから下で寝れば良いでしょう?」
「鉄の床の上で寝るなんて嫌だよ・・・。」
話は堂々巡りを繰り返す。
そもそも一人用の個室に人間二人と犬一匹の計三人(?)を押し込もうというほうが無理があるのだ。
着替えなどはシャワールームを使えば良いのだが寝る所ばかりはどうしてもそういうわけに行かない。
せめてソファか何かあればよかったのだがそれすらない今の状況では一緒に寝るか固く冷たい床で寝るかの二択しかないのである。
ましてや季節は11月。
床で眠れば確実に風邪を引けるだろう。
「ぼくもう寝るからね〜」
結局シュウの実力行使で決着が付いた。
根が優しいだけに眠っている子供を起こすことができないのだ。
シュウ自身それをわかっていて眠りに付いたという節がある。
「うう〜〜。」
吼えてみても後の祭り。
すでにベッドの上では寝息が立っている。
「・・・・・・・・・・・・・・・。」
しばらくして、観念したようにセナもベッドのシーツに包まった。
いくらなんでも着いて早々いきなり風邪を引いて戦線離脱では話にならない。
そう思ったが故の苦渋の選択。
ただまあ、周りから見ていればこれほどあほらしいこともないという苦渋の選択ではあるのだが・・・。
狭いベッドの中で身を寄せ合うように眠る二人が軍の取り付けた注意人物監視用のカメラに移ったのはそれから十分後のことだった。
やがて夜は過ぎ、朝が来る。
戦が始まるまでの休養はあまりにも短く。
戦に咲く花あまりにも多く。
されど汝旅する悪魔。
戦場の花咲かせるが定め。
生まれたときより定められし呪い。
優しさゆえの悲しき呪い。
あとがき(?)
妹 「何?このセンチメンタリズム的終わり方・・・。」
兄 「気にするな。どっちにしろ内容はギャグ系なんだ。」
妹 「だからって・・・。まあいいか。どうせ半日で書き上げた代物なんだし・・・。」
兄 「そうそう。・・・で?何でいきなりあとがきに登場したいなんて言い出したの?」
妹 「・・・・・・原作は兄貴でも入力は私がしてるんだから当然だと思わない?」
兄 「・・・う〜ん・・・タイプ練習がしたいって言うから付き合ってやってるだけなんだけど・・・。」
妹 「つべこべ言わない。そんなこといってる暇があったらネタを考えるのもっと早くしなさいよ。このままじゃいつか破錠をきた しそうだし・・・。」
兄 「それはないと思うけどな。あ、次回は新オリキャラ大量に投下しますので〜。」
妹 「投下って・・・・。」
兄 「ではいつもの調子でリクエスト聞いてみよ〜(逃走)」
1.神々の旋律の続き
2.パラレルをもう一品
3.その他(リクエストなどあれば・・・)
妹 「選択肢少な!!」
ぐだぐだとしたあとがき終了
(そういうことで全く気にする必要はないんですよ〜)
蒼來の戯言コーナー(マテ
鈴菜(仮)「さあ今回も始まりましたこのコーナー〜!タイトルも変えて心機一転!!」
観月(仮)「蒼來が感想ではなく私達に弄られて無様な姿を曝すコーナーの始まりですわv」
・・・ヲイ
鈴菜(仮)「さて今回は!」
観月(仮)「はい、蒼來を100tはんまーで・・・」
管理人を無視して進めようとするなあぁぁぁ!!それになんだこのタイトルは!!
鈴菜(仮)「なにって・・・感想になってないじゃん、何時も」
観月(仮)「そうですわ、感想じゃあなく私達との漫才ですわ」
・・・否定できんが先に感想言わせてくれ・・・
鈴菜(仮)「あいよ」
観月(仮)「解りましたわ」
ん?やけにあっさりと引くなあ・・・
では感想を・・・やはり16歳のセナには母親役が難しいそうですね・・・当たり前なことですが
で、「悪魔の妹」というと・・・連邦には「白い悪魔」以外の悪魔が居ると・・・しかも兄貴・・・複雑ですねえ
犬の名前はクロですか・・・某漫画みたいに「犬」という名前よりは断然マシですね(⌒▽⌒;ゞ
でも読み終えて一番最初に思ったことは・・・選択肢少な!!
・・・ちなみに此処を見て、妹さんにどんな風に見られてるんでしょうか?・・・聞くのが怖い(−−;;;;
鈴菜(仮)「はい、ここまで〜」
観月(仮)「では続きを・・・100tはんまーでおもいっきり叩きますv」
・・・えっ?なんで?
鈴菜(仮)「私達が出てくるSSを完成させなかったから〜」
観月(仮)「折角のデビューを潰した報いですわ」
・・・ちょいまて、あれおまえら乱入しただけだぞ?
しかもSSじゃあなく唯の思いつきのショートコントぽいもの・・・
鈴菜(仮)「それでもデビュー作だい!!」
観月(仮)「はい、その通りですわ。では逝きます!!」
ちょい待てーーーーーーー!!!!!!!!
ドカッ!! バキッ!! ザクッ!! ドムッ!! みょーん!!ぱおーーん!!(マテ
鈴菜(仮)「ふう、良い運動した」
観月(仮)「ええ、ダイエットにもなって一石二鳥ですわ」
鈴菜(仮)「おっと仕事仕事。ダークパラサイトさんの感想は掲示板&メールでお願いしますねー」
観月(仮)「次の希望は2番のパラレルでお願いしますわ」
二人「では皆さん(様)また会おうねー(お会いしましょう)」
・・・今回調子に乗って長く書きすぎました・・・ホント感想じゃあねえじゃん・・・この調子でよかったらいいのですが不味い場合はお知らせください・・・ではガクッ


