「戦いとはいつも二手、三手先を呼んで行うものだ・・・」
『機動戦士ガンダム、シャアのせりふより』
機動戦士ガンダム
神々の旋律byダークパラサイト
第5話『陰謀』
「は?降格も配置換えもなし・・・でありますか?」
着替えを終え、夕食をとるため食堂につれてこられたセナは向かいに座ったアルフの言葉に首を傾げた。
「まさか・・・銃殺刑?」
声が震える。
自軍MSパイロットへの傷害行為。
そうされても文句は言えない。
利敵行為ととられていたならそれまでなのだ。
「そうですか・・・。」
正式軍に入隊して半月足らずの命。
(むなしすぎる・・・)
「軍法会議もの・・・ですよね。」
暗雲が立ちこめる。
その様子をアルフは楽しそうに眺めていた。
「なあ、何か勘違いしてないか?」
見かねたのだろう。
アルフは笑い、自分の食事を口の中に放り込みながらセナの考えを否定した。
「え?」
セナの顔にさらに大量の疑問符が浮かぶ。
「今回この件に関してはおまえに対し一つ、ペナルティが課されるだけだってことだよ。」
「ペナルティ?」
セナはアルフの言葉に顔をしかめた。
「どういうことですか?ペナルティって。」
もちろん軍の制度にそのような言葉は存在しない。
執行猶予。
叙情酌量。
そのどちらでもなさそうな言葉。
(隠語かしら・・・。)
アルフなりの気遣いなのだろうか?
それ以外に考えつく答えがない。
よほどひどい罰だからそういい表したのだろう。
結局セナはそう結論づけた。
「具体的にはなにを?」
「聞きたい?」
にやにやとわらうアルフ
「正直・・・あまり聞きたくはありません。」
「だよね〜。」
にやにや
にやにや
にやにや
(・・・・・・・性格悪いよ・・・)
セナの目にはアルフの顔が悪魔の顔のように映り始めていた。
実際アルフはセナの反応を楽しんでいた。
(こうやって静かにしてると可愛いんだけどね〜)
ほとんど子供らしさが抜けきっていない体をさりげなく観察する。
一種の・・・というか完全に外道がそこにいた。
セナのことを必死に上官にかけ合ったのも実はただアルフがロリコンであったせいだということは本人だけの秘密である。
アルフ=ガレド 27歳
性格 鬼畜 ロリコン
後に語り継がれた記録にはただそれだけが残される・・・のかもしれない。
「隊長?」
「ん?ほんとにわからないの?」
子供に諭すような口調。
何かしらの反応を期待してのことだった。
「わからないから困ってるんです!」
ぷう、っと頬を膨らませるセナ。
結果。
(ああ、もう、可愛いなあ。)
クリーンヒット。
頬ずりしそうになる衝動を必死で押さえながらアルフは顔を真顔に戻していた。
「軍からの要請はただひとつ、シュウ=クロベ2等兵の保護観察を追加業務として頼みたい。それだけだ。」
「要請?命令ではないのですか?」
「ああ、命令じゃない。あくまで要請だ。」
「拒否すれば?」
「しないと信じている。」
アルフの答えにセナは再度首を傾げた。
「つまり・・・拒否権はない・・・と。」
「どうとろうと君の自由だ。」
どうとっても拒否権があるとは考えられないようなしゃべり方。
だが、実際はセナに拒否権は与えられていた。
ただアルフが自分の楽しみのためだけに拒否権を発動させないつもりなだけである。
「・・・はあ、わかりました。その二等兵はどんな人物なんですか?」
そんなことに気づく由もなく、セナはそのペナルティとやらを受ける気になっていた。
というより受けざるをえないのだろうと思っていた。
「まあ、それはみてからのお楽しみだな。そんなことよりほら、辛気くさい話は終わり。せっかくの夕食がさめちまうぞ。」
ぱんぱん、と手をたたき自分の食事にかぶりつく。
その光景に、セナもまた、しぶしぶながら自分の食事に手をつけ始めた。
かちゃかちゃと、しばらくは食器の音だけが響く。
「ごちそうさま。それじゃ発令所で待ってるからな。」
先に食べ終えたのはアルフの方だった。
たべながらときどき自分のほうを上目遣いで眺めてくるセナに理性のたがをはずされそうになりながらも持ち前の精神力で何とか乗り切って見せ、笑顔で去っていく。
いや、行こうとした。
「あ・・・、ま、待って。」
不意に呼び止められた。
しっかりと服の裾をつかんでいるせいで立ち去れない。
「ん?どうした?」
「えっと・・・その・・・。」
挙動不審。
顔は真っ赤になっているし、目がそわそわとあちこちに向かっている。
「あ・・・あの・・・さっきはすみませんでした。その・・・変に突っかかったりして・・・。」
消え入りそうな小さな声でつぶやく。
結果。
(・・・どうしよう・・・持ちそうにない・・・)
再度クリーンヒット。
アルフの理性は今にもはち切れそうになっていた。
すでにずたずたに引き裂かれているというのはお約束だろう。
「あ・・・ああ、気にするな。俺も気にしてないから。」
やっとの事でそれだけを伝え、足早に去っていく。
これ以上ここにいたら今度は自分が軍法会議にかけられそうだった。
・・・別の意味で。
(なあ、俺っていつからこんなキャラになったんだ・・・?)
(ついさっき、作者の陰謀によって決定しました。)
(ありかよ・・・)
などという心の中での意味不明な会話をしつつ発令所へと向かうアルフ。
一方残されたセナも・・・。
(よく考えたら隊長って結構かっこいいんだよね・・・。)
などと考えていた。
・・・セナの貞操が奪われる日も近いのかもしれない。
15分後
発令所
「セナ=ムラサメ伍長、ただいま出頭いたしました。」
第六小隊の発令所には第一種正装に着替え直し、直立不動でたっているセナの姿があった。
「ああ、そこに座ってくれ。まずは形式的なものの方を先に済ませてしまうから。」
食堂と変わらない軽い調子で答えるアルフ。
「入隊時に受け取るべきだった書類やら何やらもこの場で渡しちまうから。・・・えっと、これがその書類一式で・・・こっちが追加書類。用は今回の件についての書類な。部屋に帰ってから確認しておいてくれ。」
机の上に次々と分厚い封筒が投げ出されていく。
「ぜ、全部でありますか?」
その量だけでも驚愕に値した。
「当たり前だ。こればかりは略式で済ませるわけにいかんからな。・・・で、こっちが隊員名簿。これはそこにある端末にも情報が入っているはずだ。後で個人用のに移しとけ。」
すべての書類にジオンのマークと本国確認済みの判が押されている。
その横には執行部の印も押されていた。
「その他君の荷物類は部屋に届けられていたはずだ。足りないものがないか確認しておくように・・・っと。小難しい話はここまで。俺も新任なんだが・・・ようこそ、第6小隊へ。歓迎するよ。」
ふっと空気が軽くなった。
和んだ、といってもいい。
「隊長、その・・・シュウ=クロベ2等兵はどこに・・・。」
やっと一息つけたセナは思いきってペナルティのことを切り出した。
「ん?ああ、そうだったな。おおい、入ってこい。」
アルフも持ち前のにやついたかおに戻っている。
がちゃり、という音とともに発令所の奥にあった用務室の扉が開いた。
「失礼します・・・。」
入ってきたのは日系の少年だった。
たてられた髪はプラチナカラーだったが眉やまつげが見事な黒なところをみると染めているのだろう。
目がくりくりと大きく、軍服を着ていなければだれも軍人だとは思わないであろうこども。
「子供・・・ですか?」
その少年を見ての正直な感想だった。
軍人になれる最低年齢14歳すらクリアしていないであろう。
「そう、今日から君の子供になる。・・・ほら、自己紹介を。」
「はい。・・・黒部シュウ。12歳。これからよろしく、新しい母さん。」
「・・・は?」
・・・巨大な爆弾が投げ込まれた。
あとがき
はっはっはっ、話つくる気あるのかてめえ、なダークパラサイトです。
一応これが第5話になります。ああ、エヴァに比べてなんて進行の遅い・・・。
なんて憂鬱になってる場合じゃありません。このままいったら第10話ぐらいには18kになりかねません。
なんとかせねば・・・。
あっちもそうなんですがだんだん長くなってきています。
ほんとです。信じてください、ミライ姉さん。
さて、蒼來様・・・お体には十分気をつけてくださいね。更新する人がいなくては投稿も成り立ちませんので・・・(邪笑)
ではでは今回はここまで〜
蒼來の感想(?)
まず一言・・・メールの文の「感想」が「観想」になってますが・・・
如何しろと?w
ええと其の歳でお母さんですが・・・って5〜6歳の差ですよね?!Σ(- -ノ)ノ
エェ!?
D○D○ F○C○もビックリしたけどそれ以上 !!( ̄□ ̄; )!!
まあ血の繋がりないからいいか・・・しかしシュウ君そんな貧○+ドジッ子をお母さんと呼ぶとは・・・・不憫な(T-T)ダラダラ(T^T)ズルズルー
ちなみに私はミライ姉さんじゃあなくマリュー姉さんの方がすんごく(・∀・)イイ!w
今回からダークパラサイトさんのメールリンク先をこの前のINDEX(ダークパラサイトさんの部屋のですよ?)に掲載しましたので、皆様の感想をよろしくお願いします・・・・クロフネ君が手紙を読まずに食べちゃうけど(⌒▽⌒;ゞ


