いつまでそんなところで閉じこもっているつもりだ?
かくれんぼの記憶。
鬼に見つかったときの恐怖感。
このとき私はまだ本当のかくれんぼがどんなものか知らなかった。
機動戦士ガンダム
神々の旋律
第4話:『殺戮者』
すたすたすた・・・・・・・
兵舎へ向かい歩く影二つ。
ぶっちょうずらをした少女と、どこか疲れたような顔の青年と。
「なぜあなたがここにいらっしゃるんですか・・・。」
少女の声の節々に、いや、それどころか行動の一つ一つに不機嫌さが滲んでいた。
隣に立つ男の存在がセナにその状況を引き起こさせているのは間違いないだろう。
金髪、蒼眼。
明らかなロシア顔でありながらどこかに軽さがにじむ。
「な、何でそんなに嫌われているのかな・・・?」
だがいまはそんなアルフの顔も引きつっていた。
「嫌ってなんていません!」
刺々しい。
というよりそんなレベルを通り越して殺意すら感じられる。
「俺が何をしたって言うんだよ・・・。」
思い当たることがないだけに切なかった。
「中尉が悪いわけじゃありませんからお気になさらないでください。」
「な、ならもう少しフレンドリーにできないかな?せっかく同じ隊なんだからさ・・・。」
冷や汗をかきながらの会話。
間違いなく本人が望んでいたものではない。
「どうせ私なんて〜。」
自暴自棄。
恥ずかしくて目があわせられないというのも刺々しくなるのに一役買っていた。
(ああ、もう、あれは事故なんだってば〜)
心の叫び。
が、そんなものが届くはずもなく、時間は無常にも過ぎていく。
・・・というより兵舎までの距離なんてたいした距離ではないのだ。
「どこまでついてくるつもりですか?中尉。」
気がつけばすでに個室の前。
「あ、あぁ、すまん。」
いくら隊長権限があろうとも個室への侵入まで許されているわけではもちろんない。
仕方なく下がる。
その脇をすり抜けるようにしてセナは与えられた個室へと入っていった。
バタン
そっけない音を立てドアが閉まる。
「ううぅぅぅぅ、最悪・・・。」
部屋に入るなりベッドに倒れこんでしまった。
「何であんなことやっちゃったんだろう?」
嫌悪感が募る。
しばらくはねっころがったまま。
やがてごろごろと転がり始める。
右に、左に、ごろごろと。
もっともそれほど広いベッドではないのですぐに端から落ちた。
一瞬の浮遊感。
直後ドン、という鈍い音とともに体が床にたたきつけられた。
「・・・はあ・・・とりあえず着替えよう。」
体を起こしベルトを外す。
圧迫するようだった締め付けがきれいに消えた。
「ふう・・・。」
自然とため息が漏れる。
「何でもう少し出てきてくれないのかな・・・?」
軍人に胸などいらないとよく言われる。
ただもう少し出てきてくれてもいいとも思う。
「この年でブラがいらないってのは・・・。」
下に着込んでいるのはシャツとパンツだけ。
小学生でももう少しましなものを着ているだろう。
白いシャツが目にまぶしかった。
(な・・・泣かないもん。いつか大きくなるもん、・・・多分。)
作者の意図を知らないというのは幸せなことである。
誰も見ていない(はずの)部屋の中でセナは自分の荷物を開いていく。
かたん
そのとき、小さな物音が部屋の隅のほうから聞こえた。
普通にしていれば聞き逃してしまいそうなほどの小さな音。
(何?!)
だが聞こえてしまった以上逃すわけには行かなかった。
ねずみか?
自然音か?
それとも・・・人か?
ゆっくりと物陰へと近づいていく。
下着のままだが手にナイフだけは携えていた。
物陰にぎりぎりまで近づき、そしてナイフを突き出す。
ダン
「ひ、ひえぇぇぇ。」
ナイフが鉄の床に刺さる音と同時に男の悲鳴が聞こえた。
物陰に隠れていた男は線の細い、いかにも軍人向きでない体つきの青年だった。
「違う、僕は敵じゃない!」
必死で弁解の言葉を叫ぶ。
「じゃあ覗きですね?!」
が、その叫びはあらぬ方向にとられてしまったらしい。
セナの目が爛々と光った。
「ち、違うんだ。僕の話を・・・。」
「問答無用!!!!!!!!天誅です!!」
ドン。
ガン
ボゴッ
「ぎゃぁぁぁ!!!」
耳をふさぎたくなるような悲鳴が当たりに響き渡る。
バキ
「あなたを殺して私も死ぬぅぅ!!!」
穏やかではない。
というかそんなレベルはすでに逸脱している。
ベゴォッ
夕暮れ時の争いは20分間延々と続いた。
そして30分後。医務室。
「何をしたらここまでこっぴどくやられるんだ?軍曹。」
白いベッドの上にさっきの青年が全身包帯でぐるぐる巻きのまま横たわっていた。
その横にいるのはアルフとセナ。
その中でセナだけは顔面蒼白になっている。
「も、申し訳ありません。じ、上官とは露知らず・・・。」
両手をパタパタと振りながら必死の言い訳を口にする。
最も今の彼女に逆らおうなどというものがこの病室内にいるはずもないのだが・・・。
「幸い表面的な外傷はひどいが体の中身は無事だ。・・・まったく、悪運が強いな、ショーゴ軍曹。」
恐怖の暴風と化したセナに引き裂かれた肌にできるだけ目をやらないようにしながらのアルフの科白。
それほどに今のショーゴの状態がひどいとも言える。
上官かどうかなどどうでもよくなってしまいそうな傷だ。
「全治二週間だそうだ。ま、安静にしていることだな。」
今は口を聞くことができないショーゴが力なくうなずくのを確認しアルフが席を立つ。
あわててセナも後を追った。
「で、だ伍長。この不始末の後かたづけなのだが・・・。」
病室を出るなりアルフは単刀直入に切り出してきた。
「こちらで話をつけさせてもらう。良いな?」
拒否権などない。
彼にしては珍しい有無を言わせぬしゃべり方だった。
その影で口端がつりあがっている。
「はい・・・。」
だがうつむいたまま返事を返したセナにそのことを確認するすべはなかった・・・・。
あとがき
ダークパラサイトでごわす。
登場キャラが増えてきたのでごわす。
・・・・・・・・・・・・・・・・・ね、眠いのでごわす。
よって今日はあとがきはお休みでごわす。
では・・・・・・・zzZ。
セナ「筆者爆睡中のため私が締めます。ごらんになってくださった方。そんな奇特な方多分いないと思いますがありがとうございました!」
蒼來の感想(?)
・・・・じゃあ私も感想なしだ(レクイエム爆)
ところで・・・ダークパラサイトさんは鹿児島の人?
西郷どんの喋り方になってるでごわすよ?
・・・ちなみにこれ書いてたり更新作業してるの月曜の午前2時!!(ネレ


