いつか来る戦いの日々

夜は来た

戦いの銅鑼がなる

響く歌声は何を示すのか

知らぬはただ兵士のみ




機動戦士ガンダム
神々の旋律
第3話:『悪夢再び』



「それであそこの角を曲がって50mも行けば第6小隊の詰め所につくから。」

「うう、ありがとうございます、少尉殿。」

あの後迷うこと30分。

結局同じところをうろうろしていたことを不審に思われ保安員に連行され、尋問を受け、誤解が解け、詰め所についたころには時計の針は午後6時30分を指していた。(着時刻は2時40分)

まあ、泣きたくもなろうというものである。

「いやいや、こちらこそ味方を疑ったりしてすまなかった。これからは迷わないように簡単な地図と立ち入り禁止区域の概要をその端末に入れておいた。ここをこうすれば出てくるから参考にしてくれたまえ。」

青年将校は自分の端末を参考にしながら地図の呼び出しなどをしてみせる。

「重ね重ね申し訳ありません。」

ちなみにセナが宇宙に登録証を忘れてきたため、確認に時間がかかってしまったということは本人たちだけの秘密である。

「良いってことさ。新しく登録証も発行された。さ、早く行った行った。お仲間が待ってるぞ。」

ポン、と背中を押される。

「はい!」

ゆっくりと歩き出す。

・・・が。

「あれが今度の主席か・・・信じられないな。」

後ろからものすごく切ない言葉が聞こえてきた。

だが、彼女の脳はその記憶を3秒できれいさっぱり忘却のかなたに消し飛ばしてしまった。

(いやなことは忘れるに限るのよ!)

妙な決意をこめてこぶしを握り締める。

そうこうしているうちに詰め所の目の前まで来ていた。

ガラガラガラ・・・

どこか古めかしいシャッターを開け、中を覗き込む。

「おじゃましま〜す。」

小声で言う。

遅れてきたということもありなんとなくばつが悪かった。

「誰もいないんですか〜?入っちゃいますよ〜?」

言っているそばからすでに足は中に入っている。

薄暗い通路の奥にいくつかの部屋が見えた。

そのうちのいくつかには今も灯がともっている。

(よかった。まだ兵舎に帰っちゃったわけじゃないんだ。)

安堵のため息。

(まずは隊長さんに挨拶してそれから・・・。)

頭の中でプランを練る。

何はともあれまずは隊長への挨拶を済ませる必要があった。

足音を忍ばせゆっくりと歩いていく。

いわゆる抜き足差し足忍び足・・・というやつである。

部屋の上につけられたプレートを読みながら歩を進めていく。

炊事場、ミーティングルーム、作戦会議所、更衣室・・・

部屋は続く。

(あ、ここ・・・。)

突き当りの扉の前で足が止まった。

MS格納庫。

プレートには見事な銀字が躍る。

いつの間にか通路の一番奥まで来ていたらしかった。

(入ってみようか。)

MS乗りとしての純粋な好奇心。

勝てるはずがなかった。

ギィ・・

きしむような音を残して扉が開くのと同時に暖房で温められていた通路に一瞬冷たい空気が入り込んでくる。

一瞬寒気を覚えたがすぐにどうでもよくなった。

そうさせるだけのものがそこにあった。

「黒い・・・MS・・・。」

漆黒の体を夕日に染め、それはそこにいた。

流れるような流線型のボディー。

全身のほぼ半分を埋め尽くしているであろうロケットブースター。

両手に装備された大きめのハンドカノン。

そして何よりも4枚の羽が美しかった。

「天・・・使・・・」

正確には堕天使であろう。

禍々しいまでの美しさに魅入られる。

「きれい・・・。」

機体の名前は分からない。

これまでのどのMSにも似ていない独特のシルエットだった。

無骨にして繊細。

豪胆にして優雅。

見上げているだけでもその強さが伝わってきた。

ふらふらと、まるで引き寄せられるように機体に近づいていく。

ぴと。

震える手で機体の外装甲に触れる。

合金の感触が心地よかった。

「YMS-06・・・BS・・・うそ、ザクタイプ?」

機体に記された登録番号を読み上げる。

そこに書かれた番号に彼女の目は最大限に見開かれた。

MS-06はザクUタイプだけに与えられる登録番号。

そしてYは試作機を意味する。

「うん、君が驚くのも無理はないかな?その子はブラックサレナ。俺の愛機だよ。」

不意に後ろから声をかけられた。

「そうなんですか・・・。」

機体のほうへ向いたまま答える。

目が離せなくなっていた。

「俺が自分で企画、開発した代物でね。なかなかの出来だと自負しているんだが・・・どうだろう?」

「すごい機体だと思います。時代を2年・・・いや、3年は先取りしている・・・って、開発者?!」

感想をいってからあわてて振り返った。

そしてそのままの格好で静止する。

「やあ、またあったね、セナ=ムラサメ伍長。まあ改めて、技術開発部第1課、開発主任。そしてジオン軍極東アジア方面軍第6小隊隊長、アルフ=ガレドだ。階級は中尉。よろしく。」

100面相のごときアキナの表情に苦笑いを抑えながらのアルフの挨拶だった。

まあ、相手が聞いていたかどうかは不明だが・・・。








あとがき

ハイな、呼ばれてなくても飛び出てじゃんじゃじゃ〜んなダークパラサイトでした。

セナに不幸属性があるかですって?そんなもの、作者の気まぐれですよ、はっはっは・・・。

ただまあ、背中に貧乏神と疫病神と祟り神ぐらいは引っ付けているかもしれませんが。

・・・不幸な子やな・・・

さて、気を取り直しまして、新機体発表であります。・・・が、基本的に劇ナデのあいつなんです。唯一の違いといえば大気圏飛行用のでっかい翼が4枚、X状についているというぐらいで・・・あ、ディストーションフィールドなんてありませんから装甲は超硬スチール合金でできてますよ、ちゃんと。

・・・今回はこれぐらいで失礼させていただきます!!!感想、よろしくお願いします!

蒼來の感想(?)
あ、作者公認になった・・・>セナの不幸属性(ドジッ子確定)
・・・それらに憑かれたら普通もう死んでますよ・・・ ( ̄□ ̄; )!!
取り合えず御祓いを・・・干干 §\(・_・ )三( ・_・)/§ 商売繁盛家内安全無病息災天下泰平学業成就交通安全安産スッポン安全第一青色申告明健康第一確定申告焼肉定食悪霊退散宝籤当選酒池肉林支離滅裂衆参解散呉越同舟中日優勝巨人改造東京優駿兄妹再会近○相○無我夢中五里霧中

・・・ってその辺は同意です>案内役の少尉さん
ブラックサレナ?!・・・ザクレロの試作機?!(何か違うw)しかも地上用?!
いやあ色々出てくるなあ・・・兄の出番は何時かな?
読んだ方は感想をお願いします・・・メアドは無理なそうですので掲示板へお願いします。